EY、事業分割検討プロジェクトの中止を発表
EY Japanは、現行組織体制を大きく2つに分割することを検討してきたプロジェクト(プロジェクト名「Everest」)について、検討プロセスを中止することを発表した。
本プロジェクトは、EYのメンバーファームからコンサルティングを中心とする事業が離れる形で分割することで、監査品質と独立性を担保しながら両組織のさらなる拡大を期待するものとして進められてきた。しかし、分割に向けた準備を整えるのに欠かせない投資を行うには想定より多くの時間が必要なことも判明し、検討プロセス中止に至ったとしている。
将来的な事業分割の可能性については否定はしないとし、併せて、いかなる分割においても監査品質のさらなる向上が必須であることが全ての大前提であると述べている。
https://www.ey.com/ja_jp/news/2023/04/ey-japan-news-release-2023-04-14
(EYニュースルーム)
■執筆者コメント *2023/04/14発行ニュースのコメント再掲となります
計画発表当初、「監査クライアントへのサービス提供制限が外れることで更なる事業拡大が見込まれる」という触れ込みで、特にコンサルの視点では歓迎ムードだった。しかし、パートナーへの「棚ぼた報酬」報道や12月の突然の「代替案模索」報道(知人によれば検討方針に対して十分なコミュニケーションがない状態での報道)など、従業員の不安や疑念が溜まっていく一方だったのではないか。今のところ他社でEYに追随する動きは出ていないが、英国では2024年を期限とした監査部門の分離を求められており、Big4へのコンプライアンスに関する懸念は増している。今後、業界再編が進んでいくのか、またどのような形で規制機関の要請に応えていくのか注目される。