NRI、大手企業を対象に実施した「IT活用実態調査(2023年)」を発表
IT投資を増やす企業は過去最多。AIの利用意向は高いが課題も
株式会社野村総合研究所(Nomura Research Institute/NRI)は、「ユーザー企業の IT 活用実態調査 2023年」を発表した。本調査は、国内の売上高上位企業約3,000 社のCIOやIT担当役員、またはそれに準じる役職者等を対象とし、459社から回答を得たもの。21回目となる今回は、IT 投資やデジタル化への取り組みなどの従来からの質問項目に加え、生成AIに関する質問項目が追加された。
同調査によると、前年度に対してIT投資が増えたと回答した企業が60.9%となったほか、2024年度のIT投資が2023年度よりも増加すると予測した企業は51.5%となっており、今年度および来年度にIT投資を増やす企業が半数以上という結果となった。これにより、大手企業におけるIT投資の重要性がこれまでにないレベルで高まっているとしている。
デジタル技術の導入率については、RPAが最も高く69.9%となった一方で、生成AIは24.2%となった。生成AIについては「導入を検討中」との回答が 30.8% と多く、「今後検討したい」との回答も26.0%に上ることから、今後の進展が期待されると述べている。
また、生成AIの活用における課題については「リテラシーやスキルが不足している」との回答が64.6%で最も多く、 「リスクを把握し管理することが難しい」 との回答も61.4%に上った。生成AIの適用領域を社内のオフィスワークからさまざまな業務領域へと広げて行く上では、「リテラシー・スキル向上」と「リスクへの対処」が重要な課題であるとした。
デジタル人材については、前年の調査で「デジタル化を担う人材の不足」をあげた企業が80.5%と最も多かったことを受け、今回はIT・デジタル化人材の採用・獲得においてどのような課題があるかをたずねている。その結果「報酬や役職の面で、魅力的な処遇を提示できない」が59.4%で最も多く、続いて「自社が確保したい人材像やスキル、レベルを定義できていない」が44.7%となった。これらを踏まえ、デジタル化を推進する上で、まず必要な人材像を定義し、従来の処遇や人事制度の枠組みを見直し、必要な人材の確保・育成にあたることが求められていると伝えている。
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2023/cc/1128_1
(NRI ニュースリリース)