ガートナー、日本企業のIT人材に関して調査
質的・量的にIT人材不足が深刻化
ガートナージャパン(Gartner)は、日本企業のIT人材に関する調査結果を発表した。IT関連人材の不足が叫ばれている中、デジタルやAIへの対応によるIT人材の需要が増加傾向にある一方で、少子高齢化や人口減少によって供給される人材は減少している。そのため、IT人材の不足は将来ますます深刻化すると予測されるという。
本調査で、人材や組織の課題に関して自社に当てはまるものを尋ねたところ、「質的な人材不足」を1位に選んだ回答者は14.5%、3位までに選んだ回答者の合計は31.9%と、他の選択肢よりも多い結果となった。
また、選択肢として挙げた13種類の人材の中から、どのような人材がどの程度不足しているかを尋ねたところ、13種類の人材のいずれにおいても大いに不足していると回答した日本企業は4割前後に上り、多少の不足まで含めるといずれも8割を超えた。
人材不足への対応策に関しては、採用強化だけでなく既存人材の離職防止のための施策も重要視されているという。前者の取り組みとしては、中途採用の積極化、インターン制度の活用、新卒採用条件の改善、アルムナイ採用などがあがった。後者においては、働き方改革や福利厚生の充実、柔軟な報酬体系の導入などの取り組みがあがった。
一方、人材の定着率やエンゲージメント向上のための施策においは、フレキシブルな勤務時間やリモートワークの導入を過半数の企業が採用しているほか、副業解禁や週休3日制などの施策も進んでおり、日本企業における働き方の自由度が高くなっていることがうかがえるという。
なお、本調査は、2024年4月に年間売上高500億円以上の日本企業でITやデジタルの戦略策定に携わる役職者を対象に実施された。
(ガートナージャパン プレスリリース)