EYパルテノン、2025年地政学的動向トップ10を予想
選挙から統治へ。地政学的競争激化でグローバル経済は複雑化
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EY Strategy and Consulting Co., Ltd./ EYSC)の戦略コンサルティング特化の組織EYパルテノンは、「2025 Geostrategic Outlook(2025年に予想される地政学的動向トップ10)」を発表した。
同レポートは、地政学が今後1年間で世界の市場にどのような機会と課題をもたらすかについて考察したもの。2025年に世界的な潮流を形作る三つの主要テーマを特定し、地政学的動向トップ10を予想した。
主要テーマの一つ目では、「世界的な選挙イヤー」となった2024年を経て、政治指導者が選挙戦から統治へと焦点を移すことにより、世界中の政策や規制に変化が生じる可能性を指摘した。二つ目では、各国政府が経済上の優位性等を確保するため、保護的な政策を強化する可能性を予測しており、特にデジタル技術と気候技術が注目されるとしている。三つ目では地政学的競争が激化する中で、各国が独自の外交政策やビジネスルールを作るため、グローバル経済はさらに複雑化するとしている。グローバリゼーションの方向を変え、企業の原料や製品の調達先、投資先や売却先が限定される可能性についても述べている。
三つの主要テーマ
①各国リーダーの軸足は選挙から統治へ
②各国における経済上の競争と経済主権
③地政学的競争の激化
地政学的動向トップ10
1. ポピュリズム政策の影響
2. 課税に関する難題
3. 人口動態からみえる分断
4. デリスキング(リスク低減)と依存関係
5. デジタル主権
6. 気候政策と内在する競合課題
7. 新たな局面にある地政学的エネルギー情勢
8. 新興国市場の統合
9. 戦争と紛争
10. 宇宙政治と宇宙経済
また、地政学的動向トップ10が、消費財・ヘルスケアや金融サービスなどのセクターに及ぼすと考えられる影響についても考察している。
(EY Japan プレスリリース)