女子大生の約半数が、データサイエンスは「抽象的でインパクトに欠ける」と回答~BCG調査
ボストン コンサルティング グループ (Boston Consulting Group) はSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)の分野を専攻する世界10カ国の9,000人以上から回答を得たアンケート調査により、データサイエンス分野におけるジェンダーギャップについて分析したレポートを発表した。
STEMの学位を取得した人材のうち35%を女性が占めているが、データサイエンス専門家となると女性の割合はわずか15~22%となり、現代ビジネスにおいてもっとも注目され、急速に発展してる分野の一つであるデータサイエンスにおいて、いまだに男性が多くを占めていることを指摘している。
また、当レポートでは女子学生がデータサイエンスを敬遠しがちな理由として以下を取り上げている。
・データサイエンスは抽象的で、インパクトに欠けるという印象を持っている。
・データサイエンス分野には、協力よりも競争を重視する風土があると感じる。
・データサイエンティストとしてのキャリアの可能性や、日々の仕事の様子についての情報が少ない。
特に、「データサイエンスは抽象的で明白なインパクトに欠ける」と回答した女子学生の割合は、各国の平均で48%に上る中、日本においては、調査対象国10カ国中もっとも高い割合の63%となった。
さらに、データサイエンティストのキャリアの可能性についての理解も男女差が大きいことを指摘している。
男女どちらの学生にとっても魅力的な職業としていくためにも、女子学生が懸念を抱いている内容に正面から取り組み、明確に伝えていく必要があるとしている。
https://www.bcg.com/ja-jp/d/press/9march2020-whats-keeping-women-out-of-data-science-239555
(ボストン コンサルティング グループ プレスリリース)
■執筆者コメント
データサイエンティストというと、ビッグデータを分析して社会的課題解決・新規ビジネスモデル創出・業務改革、クライアントの意思決定などを行っていくと説明されることが多いように感じますが、確かにこれでは非常に抽象的で、将来自身のキャリアがどうなっていくのか見えにくいというのは否めません。
データというワードが独り歩きして、DataRobot、SAS、SPSSなどのアナリティクスツールが使えるようになるだけ?、R、Pythonなどの言語経験が活かせる?となってしまうのも致し方ないように感じます。
BCGのレポートでも言及されておりますが、実際の事例や日々の働き方などにはじまり具体的なキャリアパスなどを示すなどしていかないと、データサイエンス分野での優秀な学生の獲得は難しいのかもしれません。
執筆:コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
営業 白木
https://www.codawari.co.jp/