大手コンサルティングファーム3社の2020年3月期決算発表 (野村総合研究所、ドリームインキュベータ、シグマクシス)
株式会社野村総合研究所(Nomura Research Institute, Ltd.)、株式会社ドリームインキュベータ(Dream Incubator Inc.)、株式会社シグマクシス(SIGMAXYZ Inc.)は、2020年3月期の決算を発表した。以下売上順である。
野村総合研究所は、売上高が5,288億円超となり、前年対比で5.5%の増収となった。営業利益は前年対比16.4%増益となる約831億円、当期純利益は前年対比36%増益となる約692億円となっている。
コンサルティングセグメントにおいては、顧客のDXを支援するコンサルティングやシステムコンサルティングが増加し、前年度11.6%増となる売上高396億円となっている。
ドリームインキュベータは、売上高が225億円超となり、前年対比で9.1%の増収となった。営業利益は前年対比90.1%減益となる約1,200万円、当期純損失は約1億9千万円となっている。
戦略コンサルティングやM&Aファイナンシャル・アドバイザリーを提供するプロフェショナルサービス事業においては、新規顧客を開拓し特定顧客への依存度を下げる等の施策に努めた結果、売上は前年度から1億2千万増となる約26億円となっている。保険事業などを総括したインキュベーション事業の売上も増加したものの、力を入れていた営業投資が市場悪化の影響を受けゲインを得られず減損が発生している。
シグマクシスは、売上高が160億円超となり、前年対比で20.1%の増収となった。営業利益は前年対比74.2%増益となる約22億円、当期純利益は前年対比54.8%増益となる約14億円となっている。
ERPクラウド化サービスなどの大型案件獲得や、新規のクライアントからPMOプロジェクトの受注などにより売上を順調に伸ばすことが出来たとしている。
https://data.swcms.net/file/ir-nri/dam/jcr:280edabd-1d9d-4eb0-a00e-6ec4133f0f31/140120200428401390.pdf
(野村総合研究所 2020年3月期決算短信〔日本基準〕(連結))
https://www.dreamincubator.co.jp/wp-content/uploads/2020/05/IR_20200511_KT.pdf
(ドリームインキュベータ 2020年3月期決算短信〔日本基準〕(連結))
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS02648/a6ffc886/4a39/49cb/802e/42126c154377/140120200428401982.pdf
(シグマクシス 2020年3月期決算短信〔日本基準〕(連結))
■執筆者コメント
三社とも今後の業績予想は、コロナウイルスの影響で新規プロジェクトの受注が減り、それなりの被害は受けるだろうと見ています。しかし近年サイバー攻撃が増えたことで、DX推進などのセキュリティに関する需要が高まっているため、今後多くの会社が依頼する可能性もありえるのではないでしょうか。5月末に緊急事態宣言が解除され、徐々に普段の生活に戻っている雰囲気がありますが第2波などの脅威が無くなったわけではないので、コロナが収束するまで今後も引き続き注意しなければと考えております。
参考までに2018年度売り上げの取り纏め記事を掲載いたしますので、よろしければご一読ください。
関連記事:上場しているコンサルファームの決算状況(2018年度決算編) 2019年11月update| コンサルファームの売上と利益
https://consul.global/post3082/
執筆:コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
牧野
https://www.codawari.co.jp/