サブスク事業における成功事例は全体の9%(クニエ調査結果)
株式会社クニエ(QUNIE CORPORATION;以下、クニエ)は、サブスクリプション(以下、サブスク)事業の実態調査を行い、サブスク事業が成功(※1)した事例は全体のわずか9%であることを明らかにした。通常の新規事業におけるKPI達成率は21%(※2)であることからも、サブスク事業成功の難しさがうかがえる。
※1 サブスク事業の成功:最重要KPIの達成率が100%のものと定義
※2 クニエが2020年7月に発表した「新規事業に関する実態調査」より
今回の調査(2021年1月13日~同19日)は、サブスク事業経験者500名を対象にインターネット上で行われた。調査背景として、近年サブスクが益々注目を集める中、サブスク事業の失敗事例が公に語られることがほとんどなかったことが挙げられる。今回の調査を通し、クニエはサブスク事業の失敗要因を導き出し、その要因にクニエの知見を加えた「クニエの提言」を発表した。
クニエが、サブスク事業の失敗要因を「事業内容」「事業化プロセス(ビジネスモデル/組織)」の切り口から「失敗するサブスク 17の特徴」としてまとめた上で提示した「クニエの提言(ポイント)」は次のとおり。
〔要約〕
1. 「顧客満足度」よりも「利益」を注視すべき
2. 「継続的なサービス改善」が重要
3. 「データの取得」ではなく如何に取得したデータを「活用」できるかが重要
4. 事業化プロセスの整備は必須
クニエはこれら4点を、サブスク事業を成功へ導くカギであると示唆した。
https://www.qunie.com/release/20210309/
(クニエ ニュースリリース)
■執筆者コメント
私は動画配信と音楽のサブスクアプリを利用しています。このサブスクアプリを使い始めたきっかけは、レンタルショップに行く手間が省けるからという理由でした。しかし、いざ使い始めてみるとそこでしか見られないオリジナルコンテンツが魅力的で、レンタルショップ以上の価値を見出しています。
一方で、私には固定で使い続けているサブスクアプリがあることもあり、その他の新しく契約する同様のサービスについては、無料お試し期間内に目当てのコンテンツを見て解約することがほとんどです。つまり、私のように一定のニーズをもつユーザーのケースであっても、たとえばそのユーザーにとって最初の使い勝手のよいサービスになれるかどうか、もしくはそのアプリ内でしか見られない特別かつ魅力的なコンテンツを開拓・配信し続けられているかどうかが、無料お試し期間後もしっかりとユーザーの心を掴み続けられるかどうかにつながってしまうのだな、と。そんな自身の経験を踏まえても、普段考えることもなかったサブスク事業の難しさについて、妙な納得感を覚えたしだいです。
執筆:コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
廣田
https://www.codawari.co.jp/