PMBOK第7版がリリース | 考え方自体が大きく進化
米国PMI(Project Management Institute)より、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)第7版がリリースされた。
PMBOKとはプロジェクト管理のための基本的な考え方をまとめた知識体系として知られるが、今回の大幅な変更点として、下記PMBOKの存在目的が挙げられる。
●第6版:成果物提供を目的とし、ウォーターフォールを想定したプロセスベースの知識体系
●第7版:価値提供を目的とし、アジャイルを想定したプリンシプルベースの知識体系
第7版からの新たな目的を達成するため、内容の大きな変更点としては「価値提供システム」、プロジェトを運営していく上での思考や行動の指針である「12のプリンシプル」、プロジェクト管理手法とその重要度を解説する「8つのパフォーマンス・ドメイン」が新たに追加された。また、第6版と比べると全体の分量も劇的に減った。
急速に変化する環境やステークホルダーに適応するため、プロジェクトマネジメントにも適応力が求められるようになっているが、プリンシプルベースかつ不確実性をも含んだPMBOK内容へ変更することで、プロジェクトごとの適応力やチームに合わせた調整へ柔軟に適応することを可能としている。
なお、PMI日本支部は、日本語版のリリースは2021年11月頃となる予定としている。
■執筆者コメント
PMBOK第6版で定められているプロジェクトマネジメントのための手順とは、限られた納期の中でプロジェクトのゴールに達するべく、10の知識エリアを基とし、5つのプロセス群に沿って、49のプロセスを進め、QCD(品質、費用、納期)の管理をすることを指していましたが、近年特にビジネス環境の変化が激しくなっている中で、第7版から内容を大幅に変えることで、柔軟にプロジェクトマネジメントを適応させられるような知識体系へ変更となっております。第6版も理解した上で第7版をインプットすることで、成果物提供が重要なシーンと価値提供が求められるシーンごとに各手法を効果的に使い分けられるのではないでしょうか。
執筆:コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
廣田
https://www.codawari.co.jp/