マーサー、「役員報酬サーベイ(2021年度版)」を発表
日系企業における社長の報酬水準、中央値は7,554万円。
マーサージャパン株式会社(Mercer Japan Ltd.)は、日本における役員報酬に関する市場調査「 Executive Pay Survey」の2021年度版レポートを発表した。調査には、幅広い業界から日系、外資系含む473社が参加したという。
同調査によると、日系企業における社長の総直接報酬額(基本報酬+短期インセンティブ+中長期インセンティブ)の中央値は7,554万円、売上高1兆円以上の企業に限定すると1億2,000万円であった。
また、過半数の企業が総直接報酬のターゲット水準ポリシーを定めており、さらにその約60%の企業がベンチマーク企業群における50%ileを自社の報酬水準のターゲットとして設定していることが明らかになった。
同社は、日本企業は「役位」を基準に報酬水準を決定する傾向があるが、従業員人事制度においては「ジョブ型」がバズワード化しており、「ねじれ」ともいえる現象が生じていると述べている。役員報酬のあり方も、「外部競争性」を意識した「ジョブ型」視点での報酬水準の検証・設計アプローチが必要になると考えられると伝えている。
一方で、「資本コスト経営を意識した指標を役員報酬に反映している」「検討中」と回答した会社は44%だったという。株式会社として価値創造を追求する手段として、資本コスト経営を意識する指標の設定や役員報酬への反映は有効であり、今後の取り組みの深化が期待されると述べている。
(MERCER JAPAN ニュースリリース)
https://www.mercer.co.jp/newsroom/executive-pay-survey-report.html
■執筆者コメント
企業の継続的な成長のためにコーポレートガバナンスの重要性が注目される中で、2021年には改正会社法の施行、コーポレートガバナンス・コードおよび対話ガイドラインの改訂があり、益々本領域への関心が高まっています。その中で、迅速かつ適切な役員報酬制度の導入は企業ブランディングにも直結するため、本領域での各企業の動向に今後も注目が集まりそうです。
執筆:コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
廣田
https://www.codawari.co.jp/