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【セミナー】Jリーグと人材育成|キャリアカウンセリング協会セミナー参加リポート
Jリーグと人材育成に関するセミナーに行ってみて
Jリーグの村井満チェアマンが登壇されるキャリアカウンセリング協会のキャリアカウンセラー資格者を対象としたセミナーに行ってきました。
会員限定というセミナーであり、詳細はあまり言及できませんが、学びの多い場であり、現役コンサルタントにも有用な情報がありましたので、筆をとりました。
目次
成功する選手と成功しない選手のキャリアパス
村井チェアマンはリクルート出身且つリクルートエイブリック(現リクルートキャリア)の社長を務めていたこともあり、選手という人材に対して体系的に分析を実施し、成長する選手はいかなるものか、成功する選手も成功しない選手もどのようなキャリアを歩んでいくべきかを先進的に考えておいででした。村井チェアマンは、親身に選手(人材について)考えていると同時に、一流の経営者と感じた次第です。
Jリーガーに選手として成功するのはもちろんのこと、キャリアに対する意識を植え付けさせる
「成功」をイメージするのは大事で、成功をイメージするフィジビリティスタディはもちろんのこと、それだけにとどまらず、「世の中科」(どういった仕事があるか、お金がどうやって流れているか)といった教育をU-15の世代からやらせており、Jリーグを取り巻く「お金」や「職業」といったものに展開し、選手の見識を広めております。また、実際にネクストキャリアを歩む元Jリーガーを呼び、引退後のキャリアについても話してもらうといった機会もあるようです。
Jリーガーがファイナンシャルプランニング?
学生世代であれば親の経済のもと扶養されておりますが、Jリーガーとなると当然自立した一人の大人です。そこで、もらったサラリーを即日使わない様に(笑)、ファイナンシャルプランニングの研修があったり、ライフプランニングの研修もあったりするようです。
他にも、マナーやメディア対応、SNS、コンプライアンスといったものがあるからこそ、Jリーグ全体で健全な運用がされていることを知り、改めて重要性を自覚させられました。
Jリーガーとして成功するタイプ
成功するタイプに関して、統計的な分析のお話がありました。これは特定年度に加入したJリーガーを全件調査したものに基づきます。
成功するタイプの第一位は、コンサルと同じく(私がそう思っているだけですが)、「傾聴力」でした。人からの指摘等を活かして発見をし、自分自身のコンサルティングスキル・スタイルをPDCAで回していくといった点で同様と感じたのは私だけでしょうか。
Jリーグもコンサルと同じように個人事業主の集合体
私が聞いていて感じたことですが、Jリーガーもコンサルと同じく、スキルあってこそ成り立つ職業です(スキルには人間性とかキャラクターといったところも含まれます)。
なので、“自分を砥ぐ”ということに拘らなければ先がありません。コンサルは自分を砥いだ先に何があるか?そして何を成し遂げるか、それを見据えるのがコンサルのキャリアが難しい理由であり、そこも見据えられてこそ一流のビジネスマンです。Jリーガーともなると体力的な課題も顕著に表れるため年齢的な限界があり、なお難しいのだと思います。
そのような環境下で、成功させる可能性を上げ、引退も見据えた長期的な目線で選手をフォローするJリーグと村井チェアマンのスタンスはやはり超一流の経営者と感じた次第です。
コンサルティングファームの有効活用|デロイトがJリーグオフィシャルサポーティングカンパニーとして分析を支援
プレゼン内容及び配布資料には、定量的な分析が多くされており、数多くの事実が明示されております。こういったコンサルファームの有効活用もおそらく村井チェアマンの参画に基づくものであり、コンサルファームを上手く使っている良い事例としても語れると思います。
(なお、Jリーグマネジメントカップと称し、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社がチームマネジメントにおける評価での順位を決めるといった活動もしております。https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/consumer-and-industrial-products/articles/sb/j-league-management-cup.html)
最後に
あまりこの手のセミナーで、本当の意味で気付きと達成感を感じたことが無かったのですが、今回はとても良い場となりました。プロ意識の強いコンサルタント集団を束ねるトップとして、村井チェアマンから見習うべきところは多いと感じた次第です。
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執筆者
- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
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- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。