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不景気・不況に弱いコンサル業界で生きる(2) コンサルファームは不況にどう対策しているか

不景気・不況に弱いコンサル業界で生きる(2) コンサルファームは不況にどう対策しているか

リーマンショッククラスの世界恐慌に対してコンサルファームとしての対策を考える

リーマンショックの時代のコンサル業界を知らない20代コンサルタントも増えてきました。コンサル業界と不景気に関して全3回の投稿になりますが、今回2回目として対策編を記載します。

1回目:傾向編
2回目:企業対策編 ←今回
3回目:コンサルタント対策編

(本記事は2018年11月16日投稿記事をリライトしたものとなります)

前提として、そもそも不景気に強い業種がどこか?

支出が停滞するものの、「生活」や「生命」に係わるものは影響を受けづらいと言えるでしょう。
「生活」で言うと、代表的なもので飲食や鉄道やエネルギーや通信や教育といったところ、「生命」に係わるというと、製薬会社や保険会社や病院となってきます。
他にギャンブルは意外に娯楽として影響を受けづらいという統計もあるようです。
但し、2020年4月現在、コロナウイルスではウイルス特有の要素が出てきております。前出においても鉄道や航空会社等交通業界は、インパクトがMaxに近いです。逆に、この恩恵を受けているのはリモートワークに向けたハードやソフトベンダーの他、スーパーマーケット業界も右肩上がりですね。

チャリンチャリン事業は強い

一般的な事業会社で言うと、世界恐慌レベルになってくると、全業界に渡って影響が大きく、チャリンチャリンと安定収益を生むサービスを保持しているというのは非常にプラス材料です。例えばsaas型のクラウドサービスは、定額で且つリモートワークにも寄与する部分であり、コロナのようなケースでは大きく躍進したと思われます。余談ですが、オフィス外でも仕事できるような働き方改革を実行することを進めていた企業にとってもコロナにおけるリモートワークも比較的すんなりと移行できたのではないでしょうか。
一般事業会社は上記の通りだとして、次にコンサルファーム側の経営の立場として考えてみたいと思います。

コンサルファームとしての対策を考える:そもそも編(事前対策含む)

これを言わずもがなですが、剰余金といった内部留保に関しても売上が現状より半減したケースにおいて1年分程度の猶予は持たせていく財務体質も当然のことながら問われます。
単月で見た場合、売上を担保し、経費等コストを削減すべきであり、不景気になっても影響を受けない競争力・組織力を身に付けておくのは当然です。特に、コンサルファームの場合、デリバリメンバのアサインとアベイラブルは売上が0か1の世界であり、アベイラブルの排除が求められます。ここで問われるのは、営業力と各コンサルタントのスキルセットといったところになってきます。好景気・人手不足により、クライアントの業務代行型のコンサル案件が増えてきたのがこれまでですので、いざ不景気になった際にはそのような案件は切り捨てられます。となってくると本当の意味でクライアントに対してコンサルできるコンサルタントが必要となり、それを見据えて人材を育ててきたかも含め企業力が問われるところです。
同時に、理想通りに行かないのが会社経営ですので、それも見越した経営戦略が必要になってくるとの見解です。

一般的な不景気対策は、稲盛和夫氏の下記サイトは良く書けておりますので、こちら参照ください。非常にシンプルですが、まったくもってその通りとの見解です。
https://www.kyocera.co.jp/inamori/special/prepare/

今回、緊急的な施策(経費削減、人件費削減、助成金・補助金、融資・資金調達実行といったもの)は省いております。

コンサルファームとしての対策を考える:インダストリー軸による対策

これは自ずと、上述の不景気に強い業種もクライアントとして組み込み、当該業種の割合を上手くマネージすることでリスク分散が図れます。業種・業界によるポートフォリオを戦略的に組むということですね。

コンサルファームとしての対策を考える:ソリューション軸

やはり強いのはクライアントからしても切っても切れない関係になるシステム系やアウトソーシング系です。システム系はリリース後も保守運用という形で売上を形成してくれますし、アウトソーシングも業務に組み込まれていることで必然的に一定の売上を生み出してくれます。
他、人事コンサル領域は、クライアントからするとリストラというフェーズになるのもあり、労務知見もあるリストラ計画・実行支援系には引き合いが増えますね。

独立系コンサルファームとしての対策を考える

独立系のブティックファームの場合、そもそも編に書いたような、組織力・コンサル力が大手コンサルファームよりも問われます。また、コンサル事業に捕らわれないのであれば、他の事業体でカバーするというポートフォリオも手段として有りますね。例えば、当サイト運営会社の場合、教育事業等複数事業を展開しているも保持しているのはこの意図もあります。
また、コロナの場合、コロナ終息後もライフスタイル・ビジネススタイルに社会全体として変革が起きるのは否めないと思います。それを見越して、どのような経営戦略・計画実行を取るかも今のうちから考えておくべきポイントかと思います。
本記事全体として支出面については言及しておりません。こちらも色々な策がありますが、割愛させて頂きます。
総じて考え出すと頭の痛い問題であります。好景気・成長期はガンガンコンサルを雇い人材の奪い合い、引き抜きあいになるのに、不景気になると社内はもちろんの事、会社間でコンサル人材の押し付け合いになります。

次回第三回はコンサルタント個人としての対策について言及したいと思います。こちら

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執筆者

大谷内 隆輔
大谷内 隆輔コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長
アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
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