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「DX」や「GX」に「SX」…コンサル業界でよく聞く「~X」を集めてみた

「DX」や「GX」に「SX」…コンサル業界でよく聞く「~X」を集めてみた

ビジネスの場でよく聞く様々な「~X」の違いを解説

最近ビジネスの場でよく耳にする「DX」や「CX」という言葉。特にコンサルティング業界では多くの「~X」が使われており、日々新たに生み出されている印象です。今回は、コンサルティング業界でよく使用されている「~X」や、特定ファームのオリジナル色が強い「~X」を紹介し、その意味を解説していきます。さらに、ユニークな「~X」についても調査しました。

そもそも「X」とは?

そもそも「~X」の「X」ってどんな意味?と感じる人もいると思います。実は「X」の意味は一つだけではないんです。「X」は、主に「トランスフォーメーション」もしくは「エクスペリエンス」のどちらかの意味で使用されています。

トランスフォーメーション
トランスフォーメーション(transformation)は「変革」の意味の英単語です。ビジネスの分野では事業構造を根底から作り変えるような抜本的な変革や革新を実施することを指します。クライアントの変革支援がコンサルの大きな提供価値の一つですから、コンサルが好んで使いそうなwordです。

「transformation」なのになんでX?と疑問に思う方もいらっしゃると思います。「trans-」はラテン語の前置詞「trans」に由来し、「~を超えて、~の向こう側に」の意味を持ちます。同義語の「cross」を略す際に「X」と表記することから、「X」が「transformation」の略称として用いられるようになりました。

エクスペリエンス
エクスペリエンス(experience)は「経験・体験」といった意味の英単語です。ビジネスの分野では、特定の対象を直接見たり、参加したりすることを通じて得られる体験や価値のことを指します。商品やサービスの認知度向上、理解促進、売り上げ増加を図るマーケティング手法として利用されることが多いです。

以上のように同じ「~X」で略されていても「トランスフォーメーション」と「エクスペリエンス」のどちらを指すかによって、その用語の意味は大きく変わってくるため注意が必要です。

コンサルファームで一般的に使用されている「~X」

Xがどのような意味で使用されているか理解したところで、コンサルファームでよく聞く「~X」を紹介します。

トランスフォーメーション

コンサル業界で当たり前に聞くようになってきた「~X」の中で、「トランスフォーメーション」を意味する用語をまとめました。

DX  デジタル・トランスフォーメーション
IT技術を活用してビジネスの形を変えていくことを指します。コンサル業界では「~X」と略される用語の中で、最も目にする用語です。
BX ビジネス・トランスフォーメーション
企業や事業の構造そのものを見直し、根本的に変革していくことを指します。多くの変革はこのBXを前提にして成り立っています。
SX 
サステナビリティ・トランスフォーメーション
「企業のサステナビリティ(稼ぐ力の持続性)」と「社会のサステナビリティ(持続可能な社会)」を融合させ戦略方針・企業の在り方・投資家との対話を変革させることを指します。感染症の流行や技術革新など企業経営を取り巻く環境が不安定な近年、特に注目を集めています。
GX 
 
グリーン・トランスフォーメーション
カーボンニュートラル実現を目的として、企業におけるGHG排出源である化石燃料や電力の使用を減らす取り組みを通じて経済社会システムを変革させることを指します。

エクスペリエンス

コンサル業界でよく聞く「エクスペリエンス」を意味する「~X」を紹介します。

CX カスタマー・エクスペリエンス
顧客がある商品を購入する際にその前後に体験したことすべてを指します。CXを向上させることでブランドイメージを高め、リピーター客の獲得を見込めるとしてマーケティング戦略に取り入れられています。
UX
ユーザー・エクスペリエンス
商品・サービスのユーザーが利用を通じて得た体験や価値のことを指します。カスタマー・エクスペリエンスと混同されがちですがユーザー・エクスペリエンスはサービス利用時の体験に絞っている点が違います。
EX
エンプロイー・エクスペリエンス
従業員が働くことを通して得るあらゆる経験や価値のことを指します。商品利用者が対象だったCXやUXと違い企業に働く従業員を対象にしている点が特徴的です。。
VX 
バーチャル・エクスペリエンス
仮想現実(VR)・拡張現実(AR)などの技術を駆使して現実世界とは異なる価値を提供することを指します。教育、エンターテインメント、ビジネスなど幅広い分野での可能性を秘めています。

特定ファームのオリジナル色が強い「~X」

各ファームが独自に使用している「~X」には、「トランスフォーメーション」を意味するものが多いようです。今後一般的に使われるようになる可能性があるので要チェックです!

Bain & Company

CXコスト・トランスフォーメーション
優先事項を再定義し、組織を簡素化、強化することを目的として企業が適切なコスト管理の企業文化を醸成・奨励し、継続的に改善できるように支援することを指します。
(出典:Bain & Company HP
AX 
アジャイル・トランスフォーメーション
徹底的な顧客目線で試行錯誤を通し最適な方法を学ぶことを高速で繰り返すことで、変革・イノベーションを推進することを指します。
(出典:Bain & Company HP

PwC

AX アナリティクス&AI・トランスフォーメーション
組織によるアナリティクス機能の構築及び活用を実現し、ビジネスにおける価値創造を促進することを指します。
(出典:PwC HP

シグマクシス

MXマネジメント・トランスフォーメーション
事業に関わる人の自律性と心理的安全性を保障し、エンゲージメントを向上させ、継続的にイノベーションを創発して、迅速な個客対応を可能にするプラットフォームに変革することを指します。
(出典:シグマクシス HP
SX サービス・トランスフォーメーション
新たな成長エンジンとなるビジネスモデルを成長市場で構築することを目的として新サービス開発を行うことを指します。
(出典:シグマクシス HP
*余談ですが、シグマクシスという社名の世間一般略称がSXですので、若干混乱しそうですね。

コンサル業界以外で使用されているユニークな「~X」

トランスフォーメーション
コンサルファームにとって馴染みがない「~X」も調査してみると、大量のトランスフォーメーションを発見することができました。以下でそんな「~X」の一部をご紹介します。

JX(ジャパン・トランスフォーメーション):日本を根本的に変えていくことを指します。
AX(アプリ・トランスフォーメーション):アプリを使用して価値提供の方法を変えることを指します。
BX(ブランド・トランスフォーメーション):ブランドの創造を通じた事業変革・事業成長のことを指します。
ZX(税理士・トランスフォーメーション):税理士が既存の常識を打ち破ることで変革させていくことを指します。

エクスペリエンス
幅広い業界でのエクスペリエンスも発見することができましたので、その一部を紹介します。

・MX(マルチ・エクスペリエンス):現実でできないよう体験を様々な機会を通して体験することを指します。
DX(ディベロッパー・エクスペリエンス):開発者が開発業務の中で経験する一連の体験を指します。
PX(ペイシェント・エクスペリエンス):患者のゴールや価値に合わせた医療サービスを提供することを指します。

おまけ:勘違い注意!テレビ業界の「〇X」

さらに調査をしていく中で、トランスフォーメーション・エクスペリエンス以外で「~X」を使用している業界があることを発見しました。放送業界においてで各テレビ局を表す略称としての「~X」です。

テレビ局の「~X」

CX:フジテレビ(コールサイン:JOCX-TV)
EX :テレビ朝日(コールサイン:JOEX-TV)
TX :テレビ東京 (コールサイン:JOTX-TV)
MX :東京メトロポリタンテレビジョン (コールサイン:JOMX-DTV)

この「X」は果たしてどんな意味が?と思い調べてみたところ、結論としてXに意味はありませんでした。旧郵政省から与えられる各局のコールサイン(呼び出し符号)であり、免許が与えられた順でJOAX(日本テレビ)、JOBX(大阪テレビ)、JOCX(フジテレビ)となっているだけでした。テレビ局のXはトランスフォーメーションもエクスペリエンスでもないので勘違いに注意が必要です。

朝日放送と合併したため現在は欠番

まとめ

ここまで様々なビジネスの現場で使用されている「~X」について紹介してまいりました。

「~X」は主にトランスフォーメーションエクスペリエンスの略称で利用されますが、業界によっては全く違う意味で使用される場合もあります。同じ表記で違う意味を表す「~X」も多いため、話している相手の業界や文脈からどの意味で「~X」が使用されているか判断する必要があります。本記事でコンサル業界やビジネスの現場でよく使われる「~X」を一覧化しておりますので、判断に迷ったときの参考にしてみてください。

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執筆者

Y.T.
2024年入社の駆け出しアナリスト。
学生時代の留学経験で培った「柔軟性」や「メンタルタフネス」を活かし、自立したコンサルタントになるべく、研鑽を積む日々を送る。
最近のストレス解消法は、サウナと犬の散歩。
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