
戦略コンサル支援でよくご相談いただくテーマ10選|結局コンサルって何やってるのか?シリーズ

「そもそも何を支援してくれるの?」「自社の課題は相談できるの?」そんな疑問を解決!
戦略コンサルティングは、企業の経営課題に深く関わる仕事ですが、実際にどのような場面で支援が求められるのか、具体的なイメージを持つのは簡単ではありません。「そもそも何を支援してくれるのか?」「自社の課題は相談できるのか?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
戦略コンサルティングの現場では、業界や会社規模を問わず、経営の根幹に関わるさまざまなご相談をいただきます。本記事では、これまで多くのクライアント様から弊社に寄せられた戦略コンサルティングについての相談事例をもとに、よくご相談いただくテーマとその背景について紐解いていきます。
「戦略コンサルは何をしてくれるのか?」を具体的に理解したい方、自社の成長や変革に向けたヒントを探している経営者・事業責任者の方にとって、参考になる内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
目次
ご相談いただくコンサルテーマ
【戦略コンサル支援でよくご相談いただくテーマ10選】
企業が戦略コンサルタントによく寄せられるご相談のテーマを以下にまとめました。なお、戦略コンサルの依頼テーマは抽象度が高く、他の領域と比べて理解しにくいため、具体的に事例を示しました。
1. 全社経営戦略の再構築
・コロナ後の市場変化を受け、5年先を見据えた全社の成長戦略をゼロベースで策定
・持株会社体制への移行に伴い、各事業の役割と経営資源の配分方針を再設計
2. 事業ポートフォリオ戦略の見直し
・不採算事業の継続可否を判断するため、収益性・成長性・シナジーの観点で事業群を評価
・投資対象の集中と選択を目的に、成長領域へのシフトと非中核事業の売却方針を策定
・海外子会社を含めた全事業ユニットの戦略的位置付けを整理し、ガバナンス方針を見直し
3. 既存事業の構造改革(収益性改善)
・中核事業の利益率が業界平均を下回っており、コスト構造とバリューチェーンの見直しを実施
・競争力低下が続く製品群について、商品構成・販路・価格戦略を再設計
・高コスト体質の販売体制を改善するため、営業プロセス・インセンティブ設計・代理店制度を改革
4. マーケティング・営業戦略
・成熟市場におけるシェア拡大に向けた、ターゲットセグメント別の施策とチャネル戦略を構築
・ブランド認知度が低い新製品の立ち上げに向けて、ブランド戦略とプロモーション計画を設計
・営業効率向上を目的に、KPIの見直しとSFA/CRMを活用したデータドリブン営業に移行
5. 新規事業戦略の立案
・技術シーズを活用した新規事業アイデアを創出し、PoCと事業性評価を通じて事業化判断を支援
・アライアンス先との共同事業に向け、ビジネスモデル設計と収益分配スキームを検討
・新たな市場領域への参入可能性を探索し、事業立ち上げ戦略を構築
6. 全社レベルのDX戦略策定
・部門単位でのバラバラなDX施策を整理し、全社統一のビジョンと優先アジェンダを設定
・老朽化した基幹システムの刷新を起点に、業務・IT・デジタル人材戦略を横断的に策定
・顧客接点強化のため、マーケ・営業・アフターサービスを貫くCX向上のDX戦略を立案
7. グローバル展開戦略
・海外拠点の収益性向上を目的に、地域別の撤退・集中戦略とガバナンスモデルを再構築
・新興国市場への新規参入に向け、市場調査・進出形態・パートナー戦略を検討
・本社と現地子会社の役割分担を見直し、グローバルオペレーションとガバナンス体制を最適化
8. M&A戦略
・成長ドライバー強化に向けた戦略的M&Aテーマを策定し、対象リスト・選定基準を構築
・PMIが停滞している既存買収案件において、事業・組織・ブランドの統合計画を再設計
・ベンチャー企業との提携・出資検討において、戦略整合性・協業可能性の評価を支援
9. サステナビリティ戦略
・中期経営計画にESG方針を組み込むため、マテリアリティ特定とサステナビリティKPI設計を実施
・脱炭素ロードマップの策定に向け、Scope1〜3の排出量可視化と削減シナリオを構築
・サステナビリティを新規事業・商品開発に活かすため、ビジネスモデル変革案を設計
10. 人事組織戦略
・全社の戦略転換に伴い、組織再編と機能配置の見直し(職能→事業部制など)を支援
・経営人材の層を厚くするため、次世代リーダー育成戦略と人材アセスメント体制を構築
・人事制度の刷新(等級・評価・報酬)を通じて、戦略実行に必要な組織風土の醸成を支援
ご相談の背景
これまでいただいた相談内容をもとに、企業が戦略コンサルタントに依頼する背景を以下にまとめました。
■ 方向性を描く必要性はあるが、自社だけでは描けない
将来の成長の必要性は経営陣も強く認識していても、外部環境の変化が激しく、過去の延長線では成長シナリオを描けないというケースが増えています。新市場の動向、技術革新、顧客行動の変化など、多くの要素が絡み合い、社内の視点だけでは「どこに向かうべきか」が見えづらくなっています。戦略コンサルは、マクロトレンドや業界構造の変化を踏まえ、企業が進むべき方向を、構造的かつ客観的に整理する支援を行います。
■ 意思決定の論点が多すぎて、社内議論がかみ合わない
経営層の間でも「新規事業に進むべきか」「既存を磨くべきか」「撤退すべきか」といった論点が複雑化し、判断材料や前提認識がそろっていないために議論が平行線になってしまうことがあります。戦略コンサルは、あいまいな議論を構造化し、共通の意思決定軸を設けることで、経営陣が合意形成しやすい土台をつくる役割を担います。
■ 社内に“構想を描ける人材”がいない
中長期戦略を描こうとしても、社内には日々の事業運営に長けた実務人材が多く、ゼロベースで将来を構想するようなスキルや経験を持った人材が不足しているという実態があります。「中期経営計画を作ること自体が初めて」「社内では発想が出てこない」といったケースも多く、構想そのものを設計する支援が必要とされています。戦略コンサルは、構想プロセスをクライアントと共に描き、仮説構築・評価・合意形成を一貫してリードする役割を担います。単なる調査分析ではなく、「思考の型」を提供する存在です。
■ 投資家・親会社・社内ステークホルダーへの説明責任
戦略的な意思決定においては、ステークホルダー(株主・投資家・取締役会・親会社・社員など)への説明責任が求められる場面があります。経営陣の感覚だけで動くのではなく、外部の専門機関による知見やロジックを補完することで、より説得力ある戦略として提示する必要があります。戦略コンサルが「客観性」「再現性」「納得性」の高い資料・ストーリーを提供することで、経営判断を内外に伝えやすくする“戦略の言語化”の支援を提供します。
まとめ
ここまでご紹介したテーマは、まさに現代企業が直面している経営課題の縮図と言えます。市場環境の変化、デジタル化、グローバル競争、サステナビリティへの対応など、どの企業にとっても「変化への対応力」が問われる時代です。
その中で、社内だけでは見えにくい課題を整理し、実現可能な戦略を描き、具体的なアクションへと落とし込むために、第三者視点を持った戦略コンサルティングの役割はますます重要になっています。
戦略コンサルは単に「考えるだけ」ではありません。経営の未来をともに描き、現場の実行までを見据えて伴走する存在です。もしも今、自社の将来像や事業成長に少しでも不安や課題感を感じているのであれば、ぜひ一度、外部の知見も取り入れてみることをおすすめします。
弊社では、本記事でご紹介したようなテーマについて個々のお客様に合わせたご提案とサポートを得意としています。
「自社がどのケースに当てはまるかわからない」「具体的にどうしたらいいかわからない」といった段階でも構いません。戦略領域の課題整理から実行支援まで、貴社の状況に応じたご提案をいたしますので、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。

[v320]
執筆者

- コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長
- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
執筆者

- コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長
- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。