三菱総合研究所が2030年代のCX(コミュニケーション・トランスフォーメーション)に関する研究成果を発表
三菱総合研究所(Mitsubishi Research Institute, Inc. 以下MRI)は、研究レポート「バーチャル・テクノロジー(V-tec)による2030年代のCX」を発表した。
本研究レポートは以下の3章構成となっている。
■第1章:V-tecとは
V-tecでは、表情、ジェスチャー、話し方のトーンなどの非言語情報を言語情報とともに伝達することで、感情、情動、経験など、今までのオンラインツールでは伝えきれなかった情報を伝えることができる。V-tecのこのような特性を意識的に活用することで、人の行動変容を加速することができると考えており、本レポートでは、V-tecが加速させる行動変容加速要素を以下の5つに挙げ、社会問題の解決に活用できるポテンシャルがあることを示している。
① 情報のオンタイム提供
② 時間の創出
③ 空間価値の向上
④ 経験の深化
⑤ 他社とのつながり
■第2章:V-tecによる社会課題解決
医療・健康、働き方(ホワイトカラー・製造業)、旅行という3領域に焦点を当て、2030年頃を想定した場合に、V-tecがどのように用いられ、どのように社会課題の解決に寄与するかがまとめられている。
■第3章:V-tecを次の成長機会に
V-tecの産業としての有望性、V-tecビジネスに参画する際の留意点について解説した上で、V-tec産業を次の成長機会として捉えることの重要性を述べている。
PEST分析によると、2025年頃からV-tecの社会浸透に向けた条件が整い始めることが示されている。
本研究レポートを通じたメッセージは以下の3点。
• V-tecは2030年代のリアル・デジタル融合社会を、誰もが享受するための基盤技術
• V-tec関連産業は、わが国の産業が得意とする分野へのこだわりが活かせる産業。2020年代後半から急速に市場が立ち上がると期待ことがされる
• 関連製品・サービスの提供者として、あるいは自社事業を強化する目的でV-tecを活用する事業者として、参入・事業化を検討すべき
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20211029.html
(MRIトレンドレビュー)
■執筆者コメント
MRI社は、「100億人・100歳時代」の豊かで持続可能な社会の実現に向けた、重要なファクターの一つとして革新技術「3X(デジタル・トランスフォーメーション(DX)、バイオ・トランスフォーメーション(BX)、コミュニケーション・トランスフォーメーション(CX))」を挙げており、BXとCXはMRI社による造語とのこと。「CX」ひとつとっても、カスタマーエクスペリエンスやコーポレートトランスフォーメーションと色々な略語として使用されており、そのうち、「なんとかX」だけの分厚い略語集が作れそうですね。
執筆:コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
田中
https://www.codawari.co.jp/