デロイト中堅企業調査、成長への課題は「人的資本」「市場開拓」「戦略」
幹部の多くが「成長意欲がありつつも実現できていない」と認識
デロイト トーマツ グループは、中堅企業を中心に「成長への課題」に関する調査を実施した。政府は、2024年9月施行の改正産業競争力強化法に基づき、中堅企業の支援を強化し日本全体の産業競争力向上を目指すことを表明している。今回、同社は初めて、新たな日本経済成長の軸となる中堅企業群に焦点を当てた本格的な調査・分析を行ったという。
同調査は、中堅企業を中心としたミドルマーケット企業群(中堅企業群)の成長への意識や阻害要因を把握することを目的に実施された。売上高1,000億~5,000億円の企業の経営者・取締役・役員・部長クラスなど経営幹部を対象とし、2024年8月7日~9日の間にWeb調査によって629名から回答を得ている。
回答者の2割強が「人材採用・育成」や「新規市場の開拓」、「戦略的リーダーシップ」が不足していると認識しており、人的資本の整備や挑戦する社風の創出が政策支援の課題になり得ると伝えている。
調査結果によると、多くの経営幹部が自社を「安定期(成熟期)」、あるいは衰退し再成長が求められる「変革期(衰退/再成長期)」にあると考えている。また、「市場ニーズの把握」や「人材の充実」、「社内モチベーションが高い/向上」などの重要度と現状については、「重要である」が8割を超えたものの、実現状況は2割から4割程度と低水準にとどまった。
さらに、中堅企業群の経営幹部の多くが、「人材の採用・育成と管理」など人的資本の拡充を筆頭に、「新規市場の開拓」や「データ活用」、「M&A」などを課題と認識していることが分かった。
同社は、中堅企業群が安定・停滞期を乗り越え、成長を加速するには、事業開発やイノベーション、社員の意識改革を含む「挑戦」を支援することが重要だとしている。また、2025年は政府や自治体、経済団体などのサポートが本格化し、補助金・助成金に加え、人材確保・流動化や海外展開・M&A・事業計画の策定といった幅広い支援が期待されていると伝えている。
(デロイト トーマツ ニュースリリース)
◆デロイトに関する記事はこちら
◆イノベーションに関する記事はこちら