BCG、日本の高額消費者の購買行動に着目した調査・分析結果を発表

「物価高により消費行動を控えめにした」高額消費者はわずか20%
ボストン コンサルティング グループ(Boston Consulting Group/BCG)は、「 BCG高額消費者調査 」を初めて実施し、その結果を公表した。
本調査は、「年収3,000万円以上かつ年間消費額1,000万円以上」の日本の消費者約300人を対象とし、2024年10月に実施された。一般的な富裕層調査が資産保有や固定資産価値を軸にしているのに対し、本調査では実際の消費力がある高額消費者の実態に着目している。また、2024年8月に実施した「BCG消費者心理調査」やパネルデータ分析、定性インタビューを組み合わせて全体像を分析している。
調査の結果、近年物価が上昇しているにもかかわらず、高額消費者の「価値があれば買う」消費は衰えていないことがわかった。「物価高により消費行動を控えめにした」と答えた一般消費者は80%にのぼった一方で、高額消費者ではわずか20%となった。反対に「価格が高くても、価値があれば購入する」と答えた割合は、一般消費者が20%、高額消費者が80%となった。
また、高額消費者は一般層と比較し、エンタメ・旅行・趣味の領域で約9倍の支出差が確認され、“モノ”以上に“体験”に支出している傾向が強いことも明らかとなった。
全体像の分析から、高額消費者は “価格” ではなく自分にとって “価値” があるかで行動し、モノだけではなく体験を重視する傾向が見えてきたと述べている。
さらに、企業が取り組むべき顧客創出とブランド構築のアプローチとして、
・ターゲティングの再構築
・物語の「ナビゲーター」育成
・包括的な顧客理解によるVIPの先読み
の3つの軸に基づくマーケティング再設計の必要性を示した。
(BCG プレスリリース)