COVID-19による混乱を受けて取締役会の約7割がデジタル・ビジネス・イニシアティブを加速させたとの調査結果を発表|ガートナー
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の影響を受けて、取締役会の69%はデジタル・ビジネス・イニシアティブを加速させたとの調査結果をガートナー(Gartner, Inc.)が発表した。
当サーベイは、米国、欧州・中東・アフリカ、アジア太平洋において、法人の取締役会メンバーを対象として2020年5~6月にオンライン形式で行われ、265人の取締役が回答したものを取りまとめたものとなっている。今回の調査では、取締役会の約半数がパンデミックの影響で自社のビジネスモデルが変わると考えていることが明らかとなった。また、2020年のIT予算が約7%増加すると予測しており、特にリモートワーク・ファーストの環境における効率化のため、アナリティクスや人工知能(AI)への投資がより強化されると予測されているとした。
サーベイの回答者の86%は、戦略的なビジネス優先課題に対処する上で、テクノロジーが革新的な役割を果たすと考えており、そのためほとんどの企業が、長期にわたってCOVID-19に対応するために、「最高デジタル責任者 (CDO)」の役割を新たに設置する見込みとしている。さらに、取締役会はCIOをはじめとするエグゼクティブ・リーダーの現状に対し、より強いリーダーシップを持ってデジタル・ビジネスを主導していくことを望んでいることも明らかになった。
https://www.gartner.com/jp/newsroom/press-releases/pr-20201005
(ガートナー ニュースリリース)
■執筆者コメント
COVID-19による影響を受けて、弊社のクライアントもDX(デジタルトランスフォーメーション)をとりわけ命題化して進めるようになったと体感しています。また、ガートナー社はCOVID-19以前から日本企業におけるデジタル・ビジネス・イニシアティブについて「世界的にかなり後れを取っている」という内容の記事を出しており、その際に日本企業への指摘として挙げられていたのは「CIOのリーダーシップの脆弱性や日本の組織文化による障壁」というものです。まさに今回の調査結果によるCIOへの期待値とリンクする部分ではないでしょうか。組織文化による障壁については、COVID-19の影響を受けてリモートワークの実施を余儀なくされたことをきっかけに、少しずつ緩和されてきておりますが、ここからは意識的に障壁をなくす努力が必要かもしれません。
執筆:コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
谷藤
https://www.codawari.co.jp/