スタートアップ対象M&Aに関するEY調査、2021年は過去最多件数を記録
案件規模の大型化、グローバルプレーヤーの参入等、画期的な年に
EY Japanは、国内スタートアップを対象としたM&Aに関するレポートである「EYスタートアップM&A動向調査2021」を発表した。同調査は2020年にも実施しており、本年で2回目となる。
2021年の国内スタートアップM&A件数は143件と、前年比58%増の大幅な増加がみられた。2021年の国内スタートアップM&Aにおける買収金額については、10億円以上の案件が18件、100億円以上の案件が3件、3,000億円の案件が1件と、高額な案件が多かった。2020年において10億円以上の案件は4件、最大額は13億円だったことと比較するとM&Aの大型化が加速しており、グローバル企業が買い手として参入してきたことも特筆すべき事象であるとしている。
M&A対象となったスタートアップの事業内容や業界における2021年の特徴としては、BtoC案件が45件であるのに対して、BtoB案件は85件と2倍近い割合であることが挙げられる。M&Aまでの期間に関する分析においては、“会社設立2年以上4年未満”の件数が最多で、アーリーステージからミドルステージのスタートアップを対象としたM&Aが多い傾向であることがわかった。
買い手側の分析においては、2020年と同様、新興企業(2000年以降に上場した企業及び非上場企業)が全案件の85%と高い割合を占めた。また、2021年におけるM&Aの目的については、“既存事業強化”が57%、“新規事業創出”が22%となっており、既存事業強化を目的とした新興企業によるM&Aが主流であることが伺える。
https://www.ey.com/ja_jp/news/2022/05/ey-japan-news-release-2022-05-30-02
(EY ニュースリリース)
■執筆者コメント
国内スタートアップのM&Aが活発に行われているという事実は、それだけ価値のある事業が多く生まれているということではないでしょうか。いずれにせよ今後は人口減少によりどの業界でも市場縮小は避けられず、M&Aによって活路を見出していく企業が今後も増えていくのではないかと感じました。
執筆:コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
福岡
https://www.codawari.co.jp/