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今更聞けない企業経営のバズワード「人的資本情報開示」について調査してみた | 調査結果フルレポートもダウンロード可能
「人的資本情報開示」に乗り遅れないためにはどうすればいいのか?
当記事では、欧米から発信されたトレンドであり、近年日本でも法制化の動きがある人的資本情報の開示についてまとめています。最新の経営イシューにキャッチアップしたいコンサルタントにとって最適な、注目される背景から事例まで、コンパクトに網羅した記事になっています。
ご興味のある方は、ぜひご一読ください。
目次
人的資本とは何か?どのような対応が求められているか?
そもそも“資本”とは、”人的資本”とは何でしょうか?
”資本”とは、「事業活動を実施する際に必要とされる元手」のことを指しており、投資によってその価値の向上を図ることが可能なものです。
つまり、”人的資本”とは、従業員の能力や経験、人的なネットワークに投資することで、その価値を更に高めることができるという概念になります。
企業経営トピックとして最近注目度が高い”人的資本情報開示”では、人的資本に関わる数値を外部向けに公開し、企業内での取り組み状況を明らかにすることが目標とされています。
では、なぜここまで注目されているのでしょうか?
背景に、特に米国や英国をはじめとした国々において、産業構造がモノづくりからサービス提供へと変化を遂げたことにより、企業資産の内訳が大きく変化したことが挙げられます。
以前は、建物や土地などの有形資産が企業の主要な資産であり、財務諸表においてもその比率が高かったのですが、現在は、人や研究開発といった無形資産の割合が急激に増加しています。
その結果、企業価値を生み出す個人の能力や才能、それに投資する企業努力を測る人的資本の指標が重要視されるようになったという訳です。特段、海外投資家はこの人的資本への取り組み如何で投資判断をしているという実態もあります。
人的資本情報開示に向けての法制化も進んでおり、日本では、上場企業に対して、2023年3月期より有価証券報告書に「男女間賃金格差」、「女性管理職比率」、「男性育児休業取得率」などの記載が義務付けられています。
今後更に透明性の高い企業経営が求められるようになるという事ですね。
情報開示の法制化への対応が待ったなしの一方で、経営という観点から開示メリットもあり、整理すると、主に以下三点に大別されます。
- 企業業績の向上
- 人材マーケットにおける企業イメージの向上
- 投資対象としての認識度の向上
人材への投資を増やすことで従業員の能力の向上、ひいては企業の業績向上に繋がるというメリットのほか、外部への情報開示を進めることで投資家からの注目度アップ、更なる優秀な人材の確保も期待できます。
なお、各メリットに関する詳細情報はフルレポートにまとめております。フルレポートをダウンロードするには、以下URLにアクセス下さい。
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では、外部に情報開示する際は、どのように行えば良いのでしょうか?
基本的なスタンスとしては、各企業の「自主的な判断」に任せられている部分が大きいです。
もう少し詳しく言うと、開示が義務化されている情報などは前述とおりであるものの、他に何の任意情報を、どのようなフレームワークを使って開示するかは、各企業の判断に委ねられています。
義務化されている情報はあれども、他に「何を」・「どのように」開示するかは各企業で選べるので、かなり柔軟ですよね。
なぜここまで柔軟なのかというと、開示する情報は、企業ごとに定めている経営戦略と人材戦略に紐づいたものであるべき、という考え方が根底にあるからです。
言わずもがなですが、企業ごとに経営戦略は異なっており、それと連動する人材戦略も多種多様です。自社内で取り組むべき課題も企業ごとに異なっているため、どの情報をどのように開示するかは、各企業の判断に委ねられています。これは、欧米・日本関係なく、グローバルで共通したスタンスです。
また、開示という行為自体に意義があるというよりも、経営戦略・人材戦略と連動した取り組み課題の検討→実行→結果モニタリング→情報開示という一連のプロセスに意義があります。
これらのプロセスをPDCAで繰り返すことで、経営観点でのメリットに繋がります。
しかし、開示自体が目的化してしまうと、本来の取り組みメリットが享受できず、システムが形骸化してしまう可能性もあるため、ここはしっかりと本質を理解することが重要となります。
他にも、開示情報やフレームワークに関する詳細情報や海外動向も含めたフルレポートは以下よりダウンロード下さい。
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先進的な欧米諸国では、どのような取り組みがされているのか?
ここまで、人的資本情報の開示に関する概要説明をしてきました。ここからは、国別の動向について簡単にご紹介していきます。
まず結論として、人的資本情報の開示は、日本よりも、米国や欧州の方が圧倒的に進んでいます。
理由はシンプルで、欧米諸国の方が早く法制化に着手しており、それに伴って開示の取り組み状況も進んでいるからです。
PwCの調査によると、主たる人的資本指標の開示割合は増加傾向にあり、特に「社員1人あたり育成コスト」と「エンゲージメントスコア」の開示割合は2013年から2021年の8年間で2.5~4倍に増加しています。
人材育成やエンゲージメントの向上への取り組みに係わる企業の「通信簿」とも言える退職率は、特に北米において開示が増えているようです。
また、これら海外動向の特徴は、基準に定められた指標に該当する数値を記載するだけでなく、その数値の背景にある戦略・思想や目標値到達に向けた計画・施策といった定性的な情報とセットで語られることが多いことです。併せ、開示基準に定められた指標のみならず、関連数値も合わせて公開するなど、より幅広い情報開示をしているケースも多く見受けられます。
例えば、Walt Disney Companyのレポートでは、自社の経営戦略、人材戦略に紐づけたフォーカスエリアの検討、そのフォーカスエリアに紐づけた開示事項の選定までが、しっかりとした道筋で明記されています。
日本企業が抱えている課題とは?、日本と海外比較など より詳細なリサーチ内容はフルレポートからご確認いただけます。
フルレポート「人的資本経営に関する基本リサーチ」概要
[目次]
1.人的資本経営とは何か?
・人的資本・人的資本経営の定義
・歴史的な背景
・人的資本経営のメリット
・人的資本に関する情報開示指針の具体例
2.日本と海外の動向
・日本の法規制・履行状況
・海外の法規制・履行状況
・日本と海外の比較
3.考察
・今後のビジネスチャンス
ダウンロードURL:https://consul.global/hcmpdf/
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執筆者
- コダワリブランニュー第1号。入社後、IT・セキュリティにおける大規模PJの全体PMOや業務改革、DX戦略の案件に従事し、現場との関係構築からステークホルダーの巻き込み、クライアントからの突発的な要望への柔軟な対応に強みを持つ。
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- コダワリブランニュー第1号。入社後、IT・セキュリティにおける大規模PJの全体PMOや業務改革、DX戦略の案件に従事し、現場との関係構築からステークホルダーの巻き込み、クライアントからの突発的な要望への柔軟な対応に強みを持つ。