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戦略コンサルタントのむかし話|破天荒エピソードを紹介
今となってはあり得ない?往年のコンサル裏話
「昔は徹夜が当たり前だった。」などというコンサルあるあるはよく聞く話ですが、時代の移り変わりや組織の成長とともにコンサル業界も変化しつつあります。私は2000年前後にとある外資系戦略コンサルファームに入社しましたが、昔(約20年ほど前)はどんな様子だったのか。当時の様子を振り返ります。
なお戦略コンサルを離れてから10年は経過していますので、あくまで昔話として楽しんでください。
目次
プロジェクト配属初日に買わされた結婚指輪とメガネ
研修が終わり、晴れてプロジェクトに合流。最初の仕事はおっさん化でした。
プロジェクトに配属された瞬間からお客様には高いフィーが発生しているため、初めてのMTGであっても発言しなければ、「なんで君いるの?あなたがいてなんの意味があるの?」という評価になります。
特にクライアントを目の前にしたら、新卒や初プロジェクトということも関係なく、先輩と同等のパフォーマンスを求められます。
そこで私に最初に課せられたミッションは「30代の見た目にしろ」というものでした。両目の視力1.5でしたがメガネをかけ、結婚どころか彼女もいませんでしたが左手薬指に指輪をはめ、髪型を変え、スーツ・ネクタイ・ビジネスバッグ・腕時計を新調し、新卒感を取り除きました。
発言の中身で勝負するのは当たり前ですが、説得力を持たせるためには、見た目も重要です。
ネクタイの色でクライアントが好むキャラクターを印象付けたり、打ち合わせに臨む際、クライアントの重役がつけている腕時計ブランドをチェックして、敢えて少し下のグレードをつけていき親近感を覚えてもらったり、見た目は戦略の一部と考えて気を遣ってきました。
実際におっさんになった今は、若造りに必死です。。
新人にも与えられる個室
これは日本の話ではなく、海外支社の話。
日本企業の海外進出支援のプロジェクトを担当した際に、出張で海外支社を訪れた時のことです。
そこには、日本でよく見るオープンなワークスペースはなく、新人まで全ての社員に個室が与えられていたことに驚かされました。
日本では、大部屋から始まり、出世してやっと半個室のようなスペースを与えられていたため、この衝撃は今も鮮明に覚えています。
スタイリストの登場
私が入社したタイミングは、パートナーのテレビや雑誌などへのメディア露出が増えていた時期でした。
それまでは、成果を出してればいいじゃんと、服装に気を遣わなかったパートナー陣にスタイリストがつき、シーンに合わせたコーディネートを指南されており、あの人たちも人間なんだと思った記憶があります。
役目を終えた高級スーツたちは、体形が合えばもらえました。ちなみに、家電やゴルフグッズなども、新しいモデルが出るたびに先輩たちのお下がりで一通り揃いました。
木曜も金曜のうち
私がファームに所属していた時代には、8倍の効率で仕事し、2倍働けという教えがありました。
そしたら16倍の仕事・経験値が積めるよねという話なんですが、今で言えば超絶ブラックな働き方でした。
実際に、木曜日は徹夜しても金曜日をやり過ごせば週末だよね、と捉え、毎週のように徹夜していました。「脳みそに汗をかけ」とはよく言われたもんですが、汗臭さをごまかす香水で充満した金曜日のエレベーターの匂いは今でも忘れられません。
無論、土日はプロジェクトのインプットや情報の自己研磨に勤しむわけでしたが。。
私がいたファームを含め、現在の戦略ファームはどこもきちんと労働時間の管理もされており、こんな働き方はできないと聞いています。
最後に
良くも悪くも、当時のコンサルファームには変態的な個性派が集まっており、この場ではお話しづらいような破天荒な面白い体験を重ねてきました。
世間的には謎に包まれた存在だった戦略コンサルも、今では多くの人に認知され、毎年のように就活生の人気企業ランキングの上位を占めています。時代の流れや事業規模、外的要因に合わせて変化していくことは重要ですし、総合ファーム含めこうして変化に適応して拡大化を図っていていくことに異議はありません。
その時代を知る人たちとの飲みの席では、「昔は良かったな〜」なんて武勇伝の如く語り合うこともありますが、我々個々人も変化に適応できなければ過去の産物として、世に必要とされなくなると自身に言い聞かせ、若い世代とも積極的に交流して、今流の仕事のあり方を模索し続けるのであります。
[v270]
執筆者
- 戦略コンサルティングの分野で10年以上の経験を有し、事業会社のCEOやCOOを務めた後、現在はVCとして新興企業の支援に尽力している。現役コンサルに一言「人生最後は人間力」
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- コンサル業界2024/8/1戦略コンサルタントのむかし話|破天荒エピソードを紹介
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