ベテランコンサルが語る長期地方常駐のリアル|コンサルのホンネ
長期地方常駐は“修行期間”?キャリアへの影響は?
現役コンサルが徒然なるままに綴るコラム「コンサルのホンネ」では、ハードワークの合間に思いついたことを思いつくままに語ります。 第20回のテーマは「ベテランコンサルが語る長期地方常駐のリアル」。ホッと一息つくも良し、同じテーマで考察してみるも良し、お気軽にお読みください。
前回当メディアで公開された、若手コンサル執筆の「地方常駐のメリデメ」記事を読んで「今時の若者はしっかりしてるな…」と感心しつつ、今回は、何度も地方常駐を経験してきた筆者が、ベテランコンサルの立場から筆を取ってみました。
地方常駐のリアルな生活とキャリアについて語ってみたいと思います。
目次
地方常駐生活のリアル
コンサルのプロジェクトといえば、都心の大手企業で経営幹部を相手に、最新テクノロジーや革新的なアイディアを駆使した大型プロジェクトをイメージする方も多いでしょう。
しかし実際には、そんなキラキラ案件ばかりではありません。地方本社の企業やクライアントの地方拠点で、数か月から年単位の出張をともなう「地方常駐プロジェクト」にアサインされることもよくあります。
地方常駐案件にアサインされたコンサルは、どのような生活を送りどんな変化があるのでしょうか。
生活コストが下がると、思考のノイズも減る
地方は、物価も生活も総じて優しい。ホテル住まいで家事は最低限。
満員電車に乗る必要はなく、日々の食事は安くて美味しい外食。
派手な消費の誘惑も少なく、生活は驚くほどシンプルになります。
このシンプルさが、実は思考に余白を生みます。
仕事・読書・睡眠。この三点に集中できる環境。
コンサルにとっては、意外と贅沢な時間です。
「終電がない飲み会」は情報の宝庫でもある
地方常駐あるあるとして語られる、終わりの見えない飲み会。
体力的には正直つらい日もあります。
ただ、その場で聞ける昔話や失敗談は、資料には決して載りません。
組織の力学、意思決定の癖、キーマンの人柄。
それらを知る最短ルートが、実はこの時間だったりします。
孤独との付き合い方が、コンサル力を決める
地方常駐では、社内の雑談や偶発的な情報が減ります。
最初は孤独を感じるかもしれません。
しかし、この時間は自分を整えるための時間でもあります。
「一人で考え、言語化する力」が自然と鍛えられる。
コンサルとして長く生きるうえで、避けて通れない力です。
このように生活がシンプルになる分、自分を見つめる時間や、クライアントやチームメンバーとの関係に、より濃く深く向き合うようになります。
キャリアリスクはあるのか?
一方で、「地方常駐はキャリアにマイナスではないか」という不安の声をよく耳にします。
特にファーストアサインで地方が決まった若手は、本社大型案件やグローバル案件への参画が決まった同期と比較して絶望しがちです。そこで、地方常駐案件がキャリアリスクと考えられる理由を挙げてみました。
・社内ネットワーク構築の機会が減り、社内での visibility が低くなる
・最新のテクノロジーや大規模プロジェクトに触れるチャンスが減る
・クライアントからの信頼が厚くなり過ぎて、なかなか案件から外れられない
確かに、これらはリスクと捉えればそうかもしれません。でも、本当にリスクなのでしょうか。
意外とAI時代の成長チャンス?!
むしろ私は、「地方案件を経験することこそ、バリューを高めるチャンス」だと考えます。特に、これから迫りくるAI時代にはなおさらです。では、その理由を見ていきましょう。
地方常駐は「信頼構築の近道」である
地方常駐の最大の価値は、スキル以前に人として覚えてもらえることです。毎日顔を合わせ、同じ空気を吸い、同じ時間を共有する。それだけで、クライアントとの距離は驚くほど縮まります。
会議室だけの関係では得られない、本音や背景が自然と見えてくる。コンサルとしての仕事を、自ずと立体的に捉えられるようになるのです。
若手にとっては「強制的に成長できる環境」
地方常駐では、頼れる人が物理的に少ないケースも多い。結果として、若手でも前に出ざるを得ません。これは厳しさであると同時に、最大のチャンスでもあります。
「考えて動く」「判断を背負う」経験が、短期間で積み上がる。後から振り返ると、ここでの経験が一番効いていたと気づくことも多いです。
AI時代のコンサルの価値
AIの進展により、ルーチン化できる作業や分析は自動化されていきます。その中でコンサルに求められるのは、判断力や意思決定を促す力・人との信頼関係です。
・毎日クライアントやチームメンバーと密に関わり信頼関係を構築する経験
・頼れる人が少ない環境で「考えて動く」「判断を背負う」経験
こうした経験は、単なるスキルではなく、AIには代替できない「人間としての価値」を高めることにつながります。つまり、地方常駐での経験は、AI時代のコンサルとして生き残り、活躍するための実践的なトレーニングと言えるのです。
さらに、こうした経験を積むことで、キャリアリスクと考えられる「社内の visibility」も克服できます。なかなか「案件から外れられない」こともありますが、その分、専門分野の知見を深め成長できる機会となり、結果として自身のバリューが高まり、質的な visibilityも向上します。
また、地方常駐は「最新技術に触れる場」としては限定的でも、プロジェクトの全体像や意思決定の本質を学べる場であり、長期的なコンサル力にはむしろ強い経験になるのです。
ワークライフバランスは?
ここまで、キャリアの話ばかりでしたが、ライフ面での地方常駐の魅力も伝えておきたいと思います。
地方での暮らしは、コンサルが陥りがちなワーカホリックな日常に変化をもたらします。例えば、海辺の町で、早朝に釣りをしてから出社したり、ミーティング前に少し海に潜ったり。そんな非日常な生活も可能です。
山が近ければ、朝のトレイルランやロードバイクでひと山越えてから仕事に向かう、なんてことも聞いたことがあります。アウトドアだけでなく、料理や食べ歩きが趣味になった人、歴史や地理に興味を持つようになった人も。
本人次第ではありますが、都会ではなかなか味わえないワークライフバランスを叶えられるのが、地方常駐の醍醐味の一つといえるでしょう。
このコラムで、少しでも「逆に、地方常駐っていいかも!」と感じていただけたならうれしいです。
もし、地方常駐に興味を持たれた方はこちらからお気軽にご相談ください。案件紹介・転職支援はもちろん、あなたのステージに合わせた戦略的なキャリア構築をご支援いたします。

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執筆者
-
外資系メーカー、ITベンチャー、コンサルティング会社を経て、フリーのコンサルタントとして独立。
新規事業開発、新規参入に向けた戦略立案、社内マーケティング施策の立案・実行推進、営業施策の支援などの経験を有する。
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外資系メーカー、ITベンチャー、コンサルティング会社を経て、フリーのコンサルタントとして独立。
新規事業開発、新規参入に向けた戦略立案、社内マーケティング施策の立案・実行推進、営業施策の支援などの経験を有する。
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