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NEW 2025.03.14

デロイト、SDV開発状況に関するグローバル調査結果を発表

メーカーの73%が5年以内のROI達成を見込む

デロイト トーマツ グループは、自動車メーカーが注力するソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV:ソフトが機能や特徴を決める車)の開発状況に関するグローバル調査結果を発表した。

調査は2024年3~4月に、全8か国(日本、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、スペイン、アメリカ、韓国)の自動車メーカーの技術部門およびビジネス部門の管理職層計160人に対して実施された。レポートはSDV市場の理解、技術基盤の構築、効率の最大化、SDVの価値を引き出す方法の4章からなり、メーカーの開発態勢や課題を分析している。

主な調査結果は以下の通り。
■SDV市場の理解
技術部門の89%が業界をリードしていると考えているが、ビジネス部門では45%にとどまり、両者の認識に顕著な相違が見られた。また、全体の73%が5年以内にSDVへの投資による投資収益率(ROI)達成を見込んでいる。ビッグデータ活用の収益化とソフトウェアアップデートによる合理化とコスト削減が進むことで、企業の収益性と株主価値の向上、成長への再投資という好循環が期待される。

■技術基盤の構築
全体の47%が技術基盤で全てクラウドネイティブの原則を利用、30%がある程度利用と回答しており、クラウド技術の利点に対する認識が広がっている。しかし、SDV技術への対応能力については、技術部門の72%が完全に対応できると考えている一方で、ビジネス部門では44%にとどまった。

■効率の最大化
開発にかかる資金は、SDV化により最大20%の効率性向上を見込んでいる。特に欧州メーカーが最も大きな可能性を見出しており、ソフトウェア開発やクラウドサービス、車載ソフトウェアアーキテクチャなどの再利用におけるメリットを強調している。一方で、欧米の伝統的メーカーは、新興企業にSDV分野でリードされていることから、1社あたり平均30億ドルという、研究開発予算の約3分の1に匹敵する多大な投資を行っている。

■SDVの価値を引き出す方法
全体の30%が、SDVから生成されたデータの活用による収益化のために、パーソナライズド機能をユーザーに提供し顧客体験の向上を図っている。また、26%はデータの価値を最大化するために他社と提携している。さらに、81%がデータ活用による収益増を期待しており、今後5年間で予想される平均収益は約7億2,000万ドルを見込む。

(デロイト トーマツ ニュースリリース

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