コンサルファームやコンサル業界の情報サイト | コンサルのあんなこと、こんなこと

NEW

読了まで 12

ブティック系コンサルファームカオスマップ2025|注目ファーム一覧と歴史で理解する成長トレンド

ブティック系コンサルファームカオスマップ2025|注目ファーム一覧と歴史で理解する成長トレンド

注目が高まるブティック系ファームの成長トレンドを視覚的に理解

大手コンサルファームから独立し、少数精鋭・専門性をもって営むコンサルファームが増え続けています。当メディアでは2022年から毎年「コンサルファーム カオスマップ」のブティック系コンサルファーム版を「創業年×資本金」を軸に作成してきました。2025年版では、ブティック市場の成長や競争環境の変化を背景に「創業年」のみでマッピングしたカオスマップを公開致します。また、新たに注目の11社追加し、総勢57社のブティックファームを掲載。さらに、ブティック系コンサルファームの成長動向についてもお伝えします。

※随時情報を更新しており、本記事は2025年9月更新の最新版となります。

1.ブティック系コンサルとは?

今回初めて記事をご覧いただく方向けに、改めてブティック系コンサルティングファームについて、ご説明いたします。

ブティック系コンサルティングファームとは、小規模ながら優秀なコンサルタントを揃えた少数精鋭の組織で、クライアントニーズに応じた高度な支援を行うファームです。また、特定領域もしくは特定業界に特化したファームも含まれます。多くの場合、企業規模は小さくても大手企業をクライアントに持ち、様々な種類の案件を扱うことが特徴です。IT領域に特化したブティック系ファームが目立ちますが、戦略策定から実行支援までフルラインでコンサルティングサービスを展開し、「総合系ブティックファーム」と呼べるような会社もあります。

ブティック系コンサルティングファームについて、より詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。

当サイト運営会社が執筆したコンサル業界実用書は、ブティック系ファームや大手ファームの紹介をはじめとして、コンサル業界を俯瞰的に理解できる内容になっておりますのでこちらもお手に取って下されば幸いです。

2.ブティック系コンサルファーム カオスマップとは

当メディアでは、大手主要ファームを支援領域ごとにマッピングした「コンサルファーム カオスマップ」を公開しています。

「ブティック系コンサルファームカオスマップ」2025年版では、小規模ながら注目度の高いブティック系ファームを集め、「創業年」を軸にしたカオスマップを作成しました。どの企業も得意とする業界や領域がありますが、実態を把握しづらいケースや、短期間で大きく成長・変化する場合もあります。「創業年」というファクトを採用することで、ブティックファームの世代感や業界の成長トレンドを直感的に把握できます。

なお、本記事ではブティック市場の成長動向に関する考察も掲載しており、創業年を軸に絞った背景も解説しております。

[カオスマップの見方]
・横軸を創業年としております。
 1968年-1999年、2000年-2002年以降、2025年(記事投稿時点)まで3年単位で設定しています。
・縦軸は明記していないものの、創業年月順で掲載しております。

※当カオスマップを転載及び使用する際には、必ず出典として当記事のURLを載せていただくようお願い致します。
※当カオスマップ記載のロゴにつきましては、事前に各社様に事前許諾を得ていないものがございます。当マップへの掲載に問題がある場合は、大変お手数ですが「お問い合わせ」よりご連絡ください。速やかに修正させていただきます。

3.掲載ファーム一覧

「ブティック系コンサルファームカオスマップ」に掲載されているファームを、創立年順で一覧にしました。各社の表記は、日本語の正式名称の後に英語の正式名称を記載しています。

なお、当記事のリンクをホームページでご紹介いただいた企業様に関しましては、会社概要(住所、代表者、社員数)とホームページURLを記載させていただいております。

また、2025年版から新たに追加した企業は太字で記載しております。

■1968年-1999年
・株式会社情報技術センター(Information Technology Center Inc.) – 1968年
・株式会社システムフロンティア(System Frontier Co., Ltd.) – 1987年
・ミクレニティ株式会社(Micrenity Corporation) – 1989年
・キュリオシティ株式会社(Curiosity, Inc.) – 1995年

■2000年-2002年
・株式会社クロスフィールド(Crossfields Co., Ltd.) – 2001年
・株式会社ピー・アンド・イーディレクションズ(P&E Directions, Inc.) – 2001年
・株式会社ジェネックスパートナーズ(Genex Partners Co., Ltd.) – 2002年

■2003年-2005年
・株式会社 R.D.Works(R.D.Works Co., Ltd.) – 2003年
・ビュルガーコンサルティング株式会社(Bürger Consulting K.K.) – 2004年
・アイフィクシー株式会社(IFIXI Inc.) – 2005年
・ソルバーネットワーク株式会社(Solvernet Inc.) – 2005年

■2006年-2008年
・株式会社B・S・L(B.S.L. Inc.) – 2006年
・METATEAM株式会社(METATEAM Co., Ltd.) – 2006年
・プライマル株式会社(Primal Corporation) – 2006年
・FutureRays株式会社(FutureRays Co., Ltd.) – 2006年
・株式会社キューブアンドカンパニー(CUBE & Company Co., Ltd.) – 2007年
・株式会社Gran Manibus(Gran Manibus Co., Ltd.) – 2007年
・AESコンサルティング株式会社(AES Consulting Co., Ltd.) – 2008年
・株式会社MOVER&COMPANY(MOVER & COMPANY Inc.) – 2008年

■2009年-2011年
コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社(Codawari Business Consulting Inc.- 2009年

東京都中央区銀座7-16-15 清月堂本店ビル
代表取締役社長 大谷内 隆輔
社員数 27名

・株式会社アクアードコンサルティング(Aqured Consulting Co., Ltd.) – 2009年
・イノベーションマネジメント株式会社(Innovation Management Inc.) – 2010年
・ブリッジシップ株式会社(Bridge Ship Co., Ltd.) – 2011年

■2012年-2014年
・株式会社キタゾエアンドカンパニー(KITAZOE & COMPANY Inc.) – 2012年
・Ascent Business Consulting株式会社(Ascent Business Consulting, Inc.) – 2012年
・エム・アイ・パートナーズ株式会社(M.I. Partners, Inc.) – 2014年
・株式会社ビジョンコンサルティング(Vision Consulting Inc.) – 2014年
・イグニッション・ポイント株式会社(Ignition Point, Inc.) – 2014年

■2015年-2017年
・株式会社RCIエージェンシー(RCI Agency Co., Ltd.) – 2015年
・株式会社ノースサンド(North Sand Inc.) – 2015年
・株式会社ベルテクス・パートナーズ(Vertex Partners, Inc.) – 2015年
・GienTech Consulting Japan株式会社(GienTech Consulting Japan, Inc.) – 2015年
・株式会社Re-grit Partners(Re-grit Partners Inc.) – 2017年
・ZEIN株式会社(ZEIN Inc.) – 2017年

■2018年-2020年
・コロニー株式会社(Qolony Inc.) – 2018年
・株式会社Dirbato(Dirbato Inc.) – 2018年
・omeroid株式会社(omeroid, inc.) – 2019年
・Coum株式会社(Coum Inc.) – 2019年
・株式会社Logos&Pathos Consulting(Logos&Pathos Consulting Co., Ltd.) – 2019年
・株式会社ストラテジーテック・コンサルティング(Strategy-Tec Consulting Inc.) – 2019年
・ARK CONSULTING株式会社(ARK CONSULTING Co., Ltd.) – 2019年
・株式会社バークリーコンサルティング(Berkeley Consulting Co., Ltd.) – 2019年
・株式会社YRSKコンサルティング(YRSK Consulting Inc.) – 2020年
・Gravitation Consulting(Gravitation Consulting Inc.) – 2020年
・HorizonHead&company株式会社(Horizon Head & Company Inc.) – 2020年
・株式会社アクティヴァーチ・コンサルティング(Activarch Consulting Inc.) – 2020年

■2021年-2023年
・株式会社Groovement(Groovement Inc.) – 2021年
・Xspear Consulting株式会社(Xspear Consulting, Inc.) – 2021年
・株式会社LASINVA(LASINVA Inc.) – 2021年
・株式会社SowLab(SowLab Inc.) – 2022年
・株式会社コネクタブルー(Connectablue Inc.) – 2022年
・株式会社アークウィズコンサルティング(ARCWITH CONSULTING Inc.) – 2022年
・株式会社プテロン・コンサルティング(Pteron Consulting Inc.) – 2023年
・株式会社BiT&Company(BiT&Company Inc.) – 2023年
・株式会社クオンツ・コンサルティング(Quants Consulting Inc.) – 2023年
・ショーリ・ストラテジー&コンサルティング株式会社(Shohri Strategy & Consulting Inc.) – 2023年

■2024年-2025年
・ブーストコンサルティング株式会社(Boost Consulting Inc.) – 2025年

考察①:資本金では測れないブティックファームの多様化

2025年版のカオスマップでは、新たに注目のブティック系ファームを11社を追加しました。

過去のカオスマップでは、「創業年×資本金」という軸で各ファームをマッピングしていましたが、2025年版では「創業年」のみを軸としました。この変更には、ブティックファームを取り巻く環境の大きな変化が背景にあります。

これまでのカオスマップで「資本金」を重視していたのは、資本の多さが事業規模の安定性や成長ポテンシャルを示す一つの指標だったからです。しかし、近年、この指標だけではブティックファームの本質的な価値を測ることが難しくなっています。その理由は、主に以下の2点です。

①成長モデルの多様化
従来、ブティックファームは特定の領域に特化し、小規模ながらも高い専門性を武器に成長してきました。しかし、最近では、デジタル・トランスフォーメーション(DX)や新規事業の立ち上げ支援など、特定のプロジェクトに特化したプロジェクト型のファームや、フリーランスのコンサルタントと連携することで固定費を抑えながら柔軟に規模を拡大するネットワーク型のファームが増えています。特にAI技術の進化は、この流れを加速させており、かつては大規模な人員を要したプロジェクトも、AIツールを活用することで効率化され、少人数でも高度なコンサルティングサービスを提供できるようになりつつあります。これにより、多額の資本金を持たずとも、高い競争力を持つファームが続々と誕生しています。

②市場ニーズの変化
クライアント企業側も、必ずしも規模の大きなファームを求めるわけではなくなってきています。特定の課題に対し、迅速かつ柔軟に対応できる「機動力」や、専門知識に裏打ちされた「実行力」を持つファームへのニーズが高まっています。これらの価値は、資本金の多寡だけでは測れません。

このような変化を背景に、「創業年」のみを軸とすることで、ブティックファームの設立と継続の変遷をより分かりやすく可視化できると考えました。

創業年を順に追っていくと、その時代ごとの市場のニーズが浮かび上がってきます。例えば、2000年代初頭のITバブル後のファーム、リーマンショック後の新しいビジネスモデルを追求したファーム、そして近年のDXやAIブームに対応して設立されたファームなど、時代の流れと共にコンサルティングのあり方がどのように変化してきたのかが見て取れます。

考察②:創業年から見るブティックファームの変遷

創業年を軸に並べたブティックファームのリストを見ていくと、それぞれの時代背景や市場のニーズ、そしてコンサルティング業界の構造変化が浮かび上がってきます。

  1. 1968年-1999年:黎明
    この時期に創業したファームは、日本におけるコンサルティングの黎明期を支えてきた存在です。株式会社情報技術センター(1968年)のように、まだ「コンサルティング」という言葉が一般的でなかった時代から、専門的な知見を提供してきました。特に1980年代後半から1990年代にかけては、バブル経済とIT技術の普及が重なり、システムフロンティア(1987年)やミクレニティ(1989年)のような、ITやシステムに特化したコンサルティングファームが設立され始めたことが見て取れます。この時代のファームは、特定の技術領域や業界に深く根ざし、クライアント企業と長期的な関係を築いてきた、いわば「老舗」のブティックファームと言えるでしょう。

  1. 2000年-2005年:バブル崩壊後
    2000年代初頭は、ドットコムバブルが崩壊し、IT業界全体が混乱に陥った時期です。この環境下で生まれたファームは、ITコンサルティングだけでなく、より広範な経営課題解決へと事業を拡大したと推測されます。クロスフィールドやピー・アンド・イーディレクションズ(2001年)のように、企業再生や事業戦略といった領域に特化したファームが登場し、不確実性の高い時代にクライアントを支援する役割を担い始めました。続く2003年-2005年には、RD.Worksやビュルガーコンサルティングといった多様なファームが生まれ、コンサルティングの専門性がさらに細分化されていったことが窺えます。

  1. 2006年-2011年:リーマンショック後
    この期間は、2008年のリーマンショックという世界的な経済危機を含んでいます。しかし、リストを見ると、この時期に多くのブティックファームが設立されていることが分かります。プライマル(2006年)やコダワリ・ビジネス・コンサルティング(2009年)のように、大規模なファームにはない「機動力」や「専門性」を武器に、変化の波を乗り越えようとする動きが活発化したと言えるでしょう。

  1. 2012年-2017年:第二次ブティックファームブームとDXの兆し
    この時期は、スマートフォンの普及やクラウド技術の発展を背景に、多くの企業がデジタル変革(DX)の必要性を感じ始めた時代です。ビジョンコンサルティングやイグニッション・ポイント(2014年)のように、DXや新規事業創出を支援するファームが急増しました。また、組織や人材に焦点を当て、働き方改革や人材開発の側面からコンサルティングを提供するファームも登場しました。

  1. 2018年-2023年:ファームの細分化と急増
    リストの中で最も多くのファームが名を連ねるのがこの時期です。特に2019年から2023年にかけては、創業するファームの数が急増しています。これは、DXが本格化し、AI、ビッグデータ、SaaSといった先端技術がビジネスに不可欠となり、特定の技術やソリューションに特化したブティックファームが大量に誕生したことを示しています。例えばDirbato(2018年)やLogos&Pathos Consulting(2019年)、Xspear Consulting(2021年)のように、ITやテクノロジーに強いファームが台頭しました。また、AIやデータサイエンスを専門とするファームも登場し、コンサルティングの領域はさらにニッチで専門的になっていったことが窺えます。

  1. 2024年-2025年:AI時代に突入 
    この時期に設立されたブーストコンサルティング(2025年)は、これからのコンサルティング業界のトレンドを象徴しています。個人にとっても企業にとってもAIがより身近になり、コンサルファームやコンサルタントの提供価値も大きく変わっていく時代に突入しました。今後も、特定の技術や業界に深く特化したファーム、あるいは従来のコンサルティングの枠組みにとらわれない新しいモデルのファームが次々と生まれてくるでしょう。

最後に

今回の調査や考察はあくまで現時点でのものであり、コンサルティング業界の急速な変化を考慮すると、今後も継続的に注視していくことが必要です。ブティック系ファームの動向を観察することで、コンサルティング業界全体やクライアントニーズの変化をより深く理解することができるかもしれませんので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

また、具体的なコンサルファームの選び方や使い方について直接相談したいケースもあると思います。その場合は無料で相談できる「Consulon(コンサロン)」を是非ご活用ください。

[v324]

執筆者

K.U.
K.U.
コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルティングカンパニー 営業・マーケティング

新卒からアプリやWEBの受託開発を行うSIerに入社し、営業活動に約4年間従事。主に金融系クライアントに対して提案活動を行いつつ、マネジメントも経験。その後、コダワリに入社し、営業活動の傍ら、営業企画やマーケティング企画業務も兼任している。
  • RSS

執筆者

K.U.
K.U.
コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルティングカンパニー 営業・マーケティング

新卒からアプリやWEBの受託開発を行うSIerに入社し、営業活動に約4年間従事。主に金融系クライアントに対して提案活動を行いつつ、マネジメントも経験。その後、コダワリに入社し、営業活動の傍ら、営業企画やマーケティング企画業務も兼任している。

PICKUP注目記事

RANKING人気記事ランキング

一覧

NEWS新着ニュース

一覧

PICKUP注目記事

BACK TO TOP

BACK TO TOP

×
ニュースレター登録
×
ニュースレター登録