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ブティック系コンサルティングファームって何やねん?
少数精鋭で高い専門性を持つブティック系ファーム。大手ファームとの違いとは?
ここ数年、コンサル業界の市場規模は拡大を続けており、その中で「ブティック系」と呼ばれるコンサルティングファームが次々と現れています。そこで今回は、「ブティック系コンサルティングファーム」の特徴や強みについて考察してみました。
1.そもそもブティック系コンサルとは何か?
ブティック系コンサルティングファームとは、小規模なファームのことです。大手コンサルファームから独立したコンサルタントを創業者とするファームを指すことが多く、ヘルスケアや財務などの専門分野に特化したファームも含みます。少数精鋭と高い専門性を武器に、大手ファームと同等もしくはそれ以上のサービスを提供することを強みとしています。
特にコンサル出身者を創業者に持つファームは、企業規模は小さくても大手企業をクライアントとし、様々な種類の案件を扱うことも特徴の1つです。大手戦略系・総合系ファーム出身者を中心に構成されており、戦略策定から実行支援までフルラインで支援可能なため、総合系ブティックファームと呼べるほどのサービスを提供しています。
2.存在感を増すIT系ブティックファーム
ブティック系コンサルティングファームの中でも特に存在感を増しているのは、IT領域に強みを持つファームです。2010年代から急増しており、その要因は、クライアントがIT投資に積極的な状況下で、IT戦略立案から導入・運用までを実行できる人材が圧倒的に不足していることにあります。
ITコンサルのニーズの高まりに反して、大手ファームでもITコンサル人材が足りていないというのが実情。高い専門性を携えるブティック系ファームの需要も高まっているのです。
数多くのIT系ブティックファームが存在していますが、クライアント支援のスタイルも様々です。大手コンサルファームの出身者で構成される組織は、上流のIT戦略から開発まで幅広い支援を得意としています。片や、非コンサル出身者が創業した組織では、事業としてコンサルを掲げるものの、システム開発やソリューション導入ありきのサービスに留まるケースも見受けられます。
3.クライアント目線:ブティック系ファームに依頼するメリット
事業会社がコンサルティングを依頼する際、ブティック系ファームを選ぶ利点は何でしょうか。大手ファームにはない、ブティック系ファーム特有のメリットを挙げてみました。
1)組織に縛られない俯瞰的な視点
大手ファームは、インダストリーカットやソリューションに縛られたマトリックス構造の組織で成り立っています。ブティック系にはそのような組織の縛りがないため、俯瞰的な視点で課題を捉えることが可能です。
2)小回りが利く柔軟な対応
小規模なブティック系ファームなら、小回りが効き柔軟な対応ができます。また、必要なフェーズだけのスポット支援にも対応可能です。
3)コストメリット
大規模案件を中心とする大手ファームは、組織だった提案及び支援が前提になるため、チームの規模に比例してコストも嵩みます。一方、ブティック系ファームは最適な要員とコストで支援が可能です。
4.転職者目線:ブティック系ファームに入社するメリット
事業会社や大手コンサルファームからブティック系ファームに転職するメリットを挙げてみました。高い専門性を武器とするブティック系ファームでは、即戦力が求められます。その結果、社員構成の多くを占めるのは、中途転職者になります。コンサルタントにとっては、以下の3点が魅力になるのではないでしょうか。
1)幅広い領域や業界の経験
少ない人数でクライアントニーズに応えていくため、様々なコンサル領域や業界向けのプロジェクトを経験できます。
2)プロジェクトへの高い貢献度
分業ではない傾向が強く、コンサルタントの力量が問われると同時に、クライアントとの距離が近いため、自身の貢献を肌で感じることができます。
3)自社経営に携われる機会
小規模であるため、コンサルティング以外の実業を行うファームも多数あります。自社経営に携わる機会は、事業会社の経営層の視点を養いコンサルタントとしてのスキルアップにも繋がります。
こうしたブティック系ファームならではの魅力に興味がある場合は、次のキャリアの1つとして積極的に検討してみてはいかがでしょうか。コンサルとしてのスキルや経験、視野が広がるはずです。また、先述の通り、即戦力を求めるために経験者の中途採用をメインとしていますが、ポテンシャル判断での中途採用や新卒採用を行っているファームもあります。コンサル未経験の場合は、自身でサーチしてみる、エージェントに問い合わせるなどしてみると良いでしょう。
◆ブティック系コンサルティングファームをカオスマップにまとめました。
マップから読み取れる考察も掲載しておりますので、ぜひご一読ください。
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執筆者
-
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。