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コンサル案件統括:2025年単価動向や注目トピックを振り返り

コンサル案件統括:2025年単価動向や注目トピックを振り返り

AI・DX・SAPが主軸。対面回帰でフルリモ案件は減少

2025年も残りわずかとなりました。読者の皆さまは、今年どのような1年を過ごされましたか?弊社ではこの1年で約3,000件のフリーコンサル向け案件を取り扱ってきました。これは昨年の約1.5倍の件数となり、市場が盛況であったことがお分かりいただけるかと思います。一方、市場に案件が多く出回っていても、スキル面や条件面(出社orリモート/フル稼働or低稼働等)でのミスマッチでご提案が難しいパターンもありました。

本記事では、2025年のコンサル案件の特徴を振り返りつつ、2026年の動向予測を行います。フリーコンサルの皆様は、ぜひ来年以降の案件探しの参考にしていただければと思います!

案件領域の特徴

~AI案件はPoC・構想策定のフェーズが依然多数~

「生成AI」は2025年も引き続き最大の注目トピックでしたが、市場全体を見ると、多くの企業が「本格的な全社実装」の前の段階にとどまっていました。このことから、「AIの可能性」は理解しつつも、「自社のどの業務に、どのような形で、どれだけのコストをかけて実装すべきか」という検討に、多くの企業が時間をかけている状況のようです。

こうした課題を背景に、弊社ではこの秋、AI特化の案件紹介サービス「Consul Partners for AIを立ち上げました。AI実装を本格的に進めたい企業と、AI案件でコンサルスキルを活かしたいフリーコンサルタントをつなぐことで、AI活用を実行フェーズへと前進させます。

※以下、現在募集中の生成AI案件です。
生成AIを活用した新規事業アイデア創出支援
業務効率化に向けた生成AIロードマップ策定支援

AI特化の案件紹介サービス「コンサルパートナーズforAI」バナー

~SAP案件は駆け込み需要アップ:グローバル案件も増加~

2027年末のSAP S/4HANA移行期限(標準保守終了)が迫る中、SAP案件は2025年、やや増加傾向を見せました。

期限までの残り時間が少なくなるにつれ、プロジェクトは遅延を許されない状況となり、経験豊富なSAPコンサルタントが求められています。特に、グローバルグループ全体のS/4HANA移行を主導する案件が増加しており、ビジネスレベルの英語力を求める案件が目立ちました。

※以下、現在募集中のSAP案件です。
グローバルSAPロールアウト支援(アジア地域)
SAP S/4HANA導入構想策定支援(製造業)

~DXは内製化と専門人材不足のジレンマ:ITインフラやSaaSコア知見に高需要~

DX推進に関する案件は依然として多く市場に出回っています。また、大企業では業務内製化の機運が強まっていますが、そんな中でも高度な知見が求められるIT部門に関しては社内人材では賄えず、IT人材への依頼案件が増えている印象です。

特にITインフラ周りの知見(クラウドの高度なセキュリティ設計やネットワーク最適化等)や特定のSaaSツール導入のコアな知見(Salesforce, Workdayなどのカスタマイズや他システムとの連携における深いアーキテクチャ設計等)を持つ人材ニーズは高いです。

※以下、現在募集中のDX・IT案件案件です。
データ活用基盤構築とBI導入支援
全社ITアーキテクチャ再構築支援

条件面の特徴

~働き方は「対面回帰」が主流:低稼働・掛け持ち案件は減少傾向~

企業における働き方は多様化する一方で、2025年は出社を求める案件がやや多くなりました。

クライアント企業側が「対面でのコミュニケーションによる迅速な意思決定」や「チームの一体感」を重視し、対面回帰の姿勢を強めているため、必然的にコンサルタントにも出社が求められるケースが増加しています。このため、低稼働での掛け持ち案件やフルリモート案件は、昨年と比較して探しにくくなっているのが実情です。

~単価相場は微増:AI・SAP・英語人材にプレミアム~

単価相場は、昨今のインフレ傾向や人材不足を反映し、全体として微増傾向で推移しました。

特に、希少価値の高い専門スキル(SAPの知見やビジネスレベルの英語力等)を持つ人材には、高水準の単価が提示されています。

2026年の動向予想

~SX・GX・コンプライアンスの義務化~

「SDGs」という理念的なブームは落ち着きを見せますが、その一方で、企業に課される実務的な「コンプライアンス対応」は本格化します。2026年には、「取引を続けるための免許証」として、極めて実務的かつ規制対応を伴うコンサルティング需要が増えることが予想されます。

※情報開示の義務化:金融庁は、2025年3月にSSBJ(サステナビリティ基準委員会)基準が最終化されたことを受け、2027年3月期から段階的な開示義務化を進める方針です。
※サプライチェーンへの波及:大企業の開示義務を果たすため、取引先へのScope 3(間接排出量)データ提供要請が強まり、実質的なコンプライアンスとなります。

~SAP移行のピークと「移行後」の最適化~

2026年は、2027年問題へのSAP移行が文字通りのピークを迎えます。また、この「駆け込み移行」によって、「何とか移行は終えたが、業務プロセスが最適化されていない」企業が増えることも予想されます。

結果として、2026年後半から2027年にかけて、移行後のシステムの定着化支援、業務効率化、データ活用といった、”アフターSAP”のコンサルティング需要が生まれるでしょう。

~地政学リスク対応としてのサプライチェーン再構築~

世界的な地政学リスクの高まりにより、企業は「コスト効率性」一辺倒だったサプライチェーンを、「レジリエンスとセキュリティ」を重視したものへと根本的に見直す必要に迫られています。生産拠点の移管、新たな事業継続計画(BCP)の策定、輸出入規制・通商規制への対応支援といった、国境をまたぐ大規模な戦略・実行PMO案件が増加するでしょう。

~生成AI、DX人材は引き続き高需要~

AI分野では、構想策定フェーズ・PoCフェーズを終えた企業による実装・展開フェーズの案件が増加することが見込まれます。また、DXや内製化の流れを支えるITインフラや特定のSaaS導入におけるコア技術を持つ人材への需要は、市場の供給が追いつかないため、引き続き高い水準を保つでしょう。

まとめ

2025年は、AIを中心としてITコンサル案件が主軸となった1年でした。

来たる2026年、AIはより身近な存在になり、もっと多くの役割を担っていくことでしょう。そんな時代において、コンサルタントに求められるのは泥臭い調整力や人を動かす推進力ではないでしょうか。クライアントの「決められない、進まない」状況を打破し、関係者を巻き込んでプロジェクトを前へ進めていく。そういった生身のコンサルならではの役割が来年は増えてくると予想されます。

本記事が、皆さまの案件選びやキャリア戦略の参考になれば幸いです。来年もコンサルパートナーズをよろしくお願いします!

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執筆者

福岡 靖人
福岡 靖人コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
事業会社にて企画管理関連のキャリアを積んだ後、コダワリに中途入社。チームのためなら何でもこなす、営業部の汗っかき。プライベートでは音楽と猫を愛するインドア人間。
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福岡 靖人
福岡 靖人コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
事業会社にて企画管理関連のキャリアを積んだ後、コダワリに中途入社。チームのためなら何でもこなす、営業部の汗っかき。プライベートでは音楽と猫を愛するインドア人間。

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