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その業務委託契約書、大丈夫?最低限確認したい4つのチェックポイント|独立後の豆知識
フリーコンサルが業務委託契約書で、まずチェックすべき4つのポイント
フリーランスのコンサルタントがクライアントと契約する際、通常「業務委託契約書」を交わします。その内容は当事者間で自由に取り決められるため、契約を締結する前に内容をしっかり確認しておかないと、後々のトラブルに発展する可能性があります。今回はこの業務委託契約書について、コンサルファームを営む弊社がコンサル業界特有の観点でチェックしているポイントの一部をお伝えします。
目次
コンサル業務の契約形態は「準委任型」が一般的
業務委託契約には3種類あり、一般的にコンサル業務の契約形態は「準委任型(履行割合型)」になります。システム開発のように納品物があるものではなく、基本的には顧客のお手伝いをする位置づけになります。
・「請負契約」:仕事の完成を約束してその成果物に対して対価が発生する
・「準委任契約(履行割合型)」:業務の期間に対して工数(人工)に対して対価が発生する
・「準委任契約(成果完成型)」:仕事の完成を約束はせずとも完成した場合に対価が発生する
準委任契約を締結する際に、チェックするべき4つのポイントを次の章より解説します。
ポイント1:自社(自分)にとって理不尽・実現困難な内容が無いか?
1つ目は自社や自分にとって、理不尽な内容や実現困難な内容が記載されていないかという点です。これは、契約書のチェックで基本的な観点となります。
たとえば、以下のような記載がある場合は、クライアントと交渉する余地があります。
- 一方的に解除できてしまうような条項
- どう頑張っても実現困難な記述
このような場合は、契約解除の条件やプロジェクト達成の基準などをクライアントと調整するべきです。
ポイント2:成果物が納品前提の内容になっていないか?
2つ目のポイントは、成果物を納品することが前提の契約内容になっていないかという点です。
冒頭でご説明した通り、成果物の納品が前提の契約形態は「請負契約」です。「準委任契約」としておきながら、何かしらの成果物や納期が設定され、その内容を保証する必要があるケースも散見されます。
この場合、「準委任」と言いつつも、実態は「請負」としての効力を持つ可能性があります。
請負契約の場合、工数や日数がどれだけかかっても報酬が変わらないという点がデメリットです。契約書に以下の内容が確認された場合は交渉が必要です。
- 成果物の納品と納期が設定されている
- 工数に見合わない報酬が提示されている
このような記載がある場合は、契約内容を準委任契約に合わせ、報酬も工数に見合うようにする交渉が必要となります。
ポイント3:両者が合意した内容と記載内容に相違は無いか?
3つ目は、両者が合意した内容と契約書の記載内容に相違はないかという点です。以下の項目について、あらかじめ取り決めた合意内容と相違がないかを確認します。
- 単価
- 期間
- 精算発生時の処理方法 など
特にフリーランスの場合は、支払サイト(支払日)のチェックも重要です。報酬がいつ振り込まれるのか、しっかり確認しておきましょう。
ポイント4:損害賠償金額の上限について取り決めがあるか?
ポイント4つ目は、損害賠償金額の上限について取り決めがあるかという点です。
プロジェクト中に万が一争うことになり、損害賠償を支払うことになってしまった場合、損害賠償金額の上限がないと大変な事態になります。
取り決めがない場合は、先方に打診しても良いでしょう。
まとめ
上記の4つのポイントは、弊社が重視しているポイントの一部です。
クライアント各社の契約書ひな形も多種多様ですが、のちのトラブルに発展しないよう、法令とも突き合わせてその都度細かくチェックしております。
フリーコンサルタントの皆さんが契約書を確認する際の参考になれば幸いです。
当サイトが運営するフリーランス協業サービス「コンサルパートナーズ」では、案件紹介サービスと併せて契約にまつわるアドバイスも行っています。その他、税金や法律に関する悩み、法人化や長期のキャリアプランといった、フリーコンサルタント特有のさまざまなご相談もお伺いしております。
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執筆者
- 自動車アフターマーケット業界において約10年間身を置き、店舗経営から事業責任者まで歴任。生まれ持った商売センスで、担当する新規事業を数々収益化に転換。何にでも厳しく熱く部下育成が得意な趣味多き2児のパパ。
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- 自動車アフターマーケット業界において約10年間身を置き、店舗経営から事業責任者まで歴任。生まれ持った商売センスで、担当する新規事業を数々収益化に転換。何にでも厳しく熱く部下育成が得意な趣味多き2児のパパ。