コンサルファームやコンサル業界の情報サイト | コンサルのあんなこと、こんなこと

NEW

読了まで 4

事業会社の給与引き上げとAIの進化で、コンサル人気は揺らぐのか?|コンサルのホンネ

事業会社の給与引き上げとAIの進化で、コンサル人気は揺らぐのか?|コンサルのホンネ

今こそ問われるコンサルの本質

現役コンサルが徒然なるままに綴るコラム「コンサルのホンネ」では、ハードワークの合間に思いついたことを思いつくままに語ります。 第21回のテーマは「事業会社の給与引き上げとAIの進化で、コンサル人気は揺らぐのか?」。ホッと一息つくも良し、同じテーマで考察してみるも良し、お気軽にお読みください。

日本企業の初任給が「40万円台」に突入し始めました。今年2月、ノジマは2026年新卒の初任給40万円の採用枠を発表。さらに、東京海上日動火災保険も最大約41万円に引き上げるなど、いわゆるJTCと呼ばれる日系大手事業会社でも給与レンジを大幅に引き上げる動きが広がっています。

一方、コンサル業界に目を向けると、AIの進化が業界を大きく揺るがしています。実際、グローバルでは大手ファームがAIへの投資を進めると同時に、人員削減の動きも見られます。これまで就活や転職市場で高い人気を誇ってきたコンサル業界ですが、志望者の中には将来性に不安を感じ始めている人もいるのではないでしょうか。また、今後どうなっていくのだろうと不安に思う現役コンサルタントの方もいるかも知れません。

今回は「コンサルタントは魅力の少ない職業になってしまうのか?」についてコラム寄稿致します。

揺らぐコンサルの魅力

これまで、コンサルタントという職業は高年収と圧倒的成長の代表格でしたが、現在その前提が変わろうとしています。

まず1つが生成AIの台頭です。これまでコンサルタントが心血を注いできたリサーチやスライド作成、データ分析といった作業(タスク)は、瞬時にAIが代替できる時代になりました。グローバルで一部の大手ファームが採用を絞り始めている事実は、従来の労働集約型のコンサルティングモデルが限界を迎えていることを示唆していると言えます。

もう1つが、事業会社における変化です。いわゆるJTCがジョブ型採用を加速させ、給与レンジを大幅に引き上げ、コンサル経験者を直接雇用する若しくは自社内でコンサル人材を育成し内製化を進めるケースが増えています。もはや稼ぐならコンサルという方程式も崩れつつあります。

AIにはできない泥臭いスキル

では、コンサルがするべき仕事はなくなってしまうのでしょうか。世間一般で広く言われている通り、今後もAIが代替しきれいない領域がコンサルの価値発揮フィールドになってくるはずです。以下3点は優秀な“人間”にしかできないように思えます。

正論だけでなく納得してもらう人間関係のグリップ力
AIは最適なあるべきや戦略を描くことは得意ですが、クライアント社内の政治や現場の感情的な反発までを解消することはできません。会議室の重苦しい空気を察し、キーマンと膝を突き合わせて話し合い、なんなら酒を飲み交わし、「この人は信用できそうだ、彼が/彼女が言うなら一緒にやってみよう」と思わせるイメージです。人間力こそが、クライアント変革を完遂させるカギとなるはずです。

クライアントも気づいていない課題を見つける力
クライアントが口にする課題が、真の課題であることは稀です。クライアントも言語化しきれていないモヤモヤや、組織の力学を理解し、本当の課題はAではなくBではないか?と真の課題発見につなげる能力は、依然として人間にしかできない領域であり、スキル・経験が豊富なコンサルタントが得意とすることと言えます。

決断のラストワンマイルを担う
AIは最適は提示できるかもしれませんが、正解は提示できません。これはコンサルでも同じことではありますが、不確実性のある状況で、不安を感じているクライアントの背中を押し、その後も支援を続けていくことができるのはコンサルタントだからできることです。裏を返せば、元々コンサルはこの高い当事者意識も持っていたからこそ、高単価なフィーをもらっていたはずです。

コンサルは本質へと回帰していくのではないか

任せられる作業はAIに任せ、我々コンサルタントは高給なだけの作業員から脱せると考えると捉え方は変わってくるのではないでしょうか。

これまで若手コンサルタントの時間の多くは、情報の整理やPPTの作成作業に費やされてきました。しかし、それらをAIに任せられるとなると、本来やるべきクライアントのために思考や時間を使うことに全精力を注ぐことができます。

・自ら現場へ足を運び、一次情報に触れる。
・他業界の成功パターンを抽象化し、クライアントに示唆を与える。
・クライアントの立場になって、自分事として悩み抜いてみる。

AIという武器を手にしたと考えれば、コンサルタントはより早く、より深く、クライアントの参謀としての本質に回帰していけると考えることができます。

コンサルの給与の現状

JTCでは給与レンジの引き上げが相次いでいますが、コンサル業界の給与はどうなっているのでしょうか。今のところ大きく上がる気配はなく、むしろ頭打ちの印象が強いのが実情です。

とはいえ、新卒年収はすでに高水準にあります。例えば総合系では、アクセンチュアが約666万円、シグマクシスが約650万円、PwCコンサルティングが約639万円と、依然として国内企業の中でも高い水準にあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

我々コンサルはどう生きるか

某スタジオジ○リの作品名みたいな小項目名にしてみましたが、AIというインパクトをきっかけにして、コンサルと一口に言っても何のプロフェッショナルでありたいか(orなりたいか)について、自身を問い直すタイミングにきているのではないでしょうか。

特定の商材を持たず、業界の垣根を超えて変革に携わることができる。このコンサルティングという職業の魅力は、AI時代においても変わりません。むしろ、自社の慣習や政治に縛られやすいクライアントの中に、外部から知見を持ち込む存在は、今後も価値を増していくのではないでしょうか。また、変化が激しいからこそ、短期間で変革の最前線に立てる魅力はコンサルならではであり、この魅力は引き続き健在だと考えます。

前項書いたように本質へ回帰していくという仮説が合っていたとして、コンサルタントとして引き続き活躍していく、転職なり就職でコンサルになるには求められるもの(思考力や人間力など)は高いものになっていくはずです。そうなれば、真に価値を提供できる人材の報酬は、むしろ選別的に高まっていくのではないでしょうか。

結局、自己研鑽ができ、知的好奇心が強い人が向いている職業と言うのは変わらなそうです。

[v347]

執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
  • RSS

執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。

PICKUP注目記事

RANKING人気記事ランキング

一覧

NEWS新着ニュース

一覧

PICKUP注目記事

BACK TO TOP

BACK TO TOP

×
ニュースレター登録
×
ニュースレター登録