「注目テーマに関するコンサルファームのニュースリリース数ランキング」|コンサルのホンネ
DX、人的資本経営、SDGs・ESG、ウェルビーイングに関するファームのニュースをランキング
現役コンサルが徒然なるままに綴るコラム「コンサルのホンネ」では、ハードワークの合間に思いついたことを思いつくままに語ります。第五回のテーマは「注目テーマに関するコンサルファームのニュースリリース数ランキング」。ホッと一息つくも良し、同じテーマで考察してみるも良し、お気軽にお読みください。
当メディアでは、ここ数年注目のテーマ「DX」「人的資本経営」「SDGs・ESG」「ウェルビーイング」に関して、コンサルファームが発信するニュースリリースを月毎にまとめ、「月刊DX」「月刊健康経営・人的資本経営」「月刊SDGs・ESG」「月刊ウェルビーイング」として公開しています。
コツコツ取りまとめたこれらの情報を活用できないものか…ということで、2023年に公開した月刊ニュースを集計し、どのファームが、どんなテーマの情報を発信したのか、ランキング形式でまとめてみたいと思います。
目次
コンサルファームのニュースリリース数ランキング
まず、昨年公開した「DX」「人的資本経営」「SDGs・ESG」「ウェルビーイング」の4つのテーマに関する主要ファームのニュースリリースの総数は159本でした。
リリース総数ベスト5
これをファーム毎に集計すると、デロイトが22本で最も多く、19本のKPMGとBCGが同列2位、続いてPwC(17本)、EY(16本)となりました。
1位 | DTC | 22本 |
2位 | KPMG | 19本 |
2位 | BCG | 19本 |
4位 | PwC | 17本 |
5位 | EY | 16本 |
幅広い領域を手掛ける総合系のBig4がランキングを占める中、戦略系のBCG(ボスコン)が2位となっています。戦略系といえばMBB(マッキンゼー・ボスコン・ベイン)の3社を思い浮かべるかと思いますが、昨今日本では、ボスコンの売上が最も高く、ランキングとも相関があるかもしれませんね。
テーマ別リリース数ベスト5
次に、テーマ別のニュースリリース数を集計しました。最もリリース数が多かったのは「SDGs・ESG」の65本で、4位「DX」(34本)の倍近い数となりました。
1位 | 月刊SDGs・ESG | 65本 |
2位 | 月刊ウェルビーイング・健康経営 | 38本 |
2位 | 月刊人的資本経営 | 35本 |
4位 | 月刊DX | 34本 |
近年コンサルの市場拡大を牽引してきた「DX」が最多かと思いきや、「SDGs・ESG」が首位となった理由を考えてみます。
プレスリリースにはマーケティング目的がありますので、他社との差別化・自社の強みをアピールできるトピックが多くなる傾向にあるといえます。「DX」は既に一般的なコンサルテーマとなっているため、支援数の多さに反して、ニュースリリース数はさほど多くならなかったのかもしれません。
一方で、リリース総数ベスト5を占めたファームはすべてグローバル展開しており、「サステナビリティやESG」への取り組みが進む欧米の最新情報をキャッチアップできることもランキング結果の背景にあると考えられます。また、「SDGs・ESG」は「気候変動関連の調査・実証実験」や「AIなどのテクノロジーと組み合わせた新たなサービス提供」など、幅広い展開が行われており情報発信しやすい点も理由の一つでしょう。
なお、今回は行いませんでしたが、もし「生成AI」を切り出して集計していたら、23年後半からの急増が見える化できたかもしれません。
コンサル業界動向に関する詳細な解説は、こちらの記事の第2章「2.1『SDGs、ESG経営への支援強化』」をご覧ください。
ここからは各テーマ毎にファーム別のリリース数ランキングを見ていきましょう。
「SDGs・ESG」
1位 | BCG | 15 |
2位 | EY | 10 |
2位 | PwC | 10 |
4位 | KPMG | 8 |
5位 | DTC | 7 |
「ウェルビーイング・健康経営」
1位 | NTTDKK | 5 |
2位 | DTC | 3 |
3位 | KPMG | 2 |
3位 | ABeam | 2 |
3位 | MRI | 2 |
「人的資本経営」
1位 | DTC | 9 |
2位 | EY | 6 |
3位 | KPMG | 4 |
4位 | ABeam | 3 |
5位 | PwC | 2 |
5位 | IBM | 2 |
5位 | BCG | 2 |
5位 | マーサー | 2 |
5位 | 電通デジタル | 2 |
「DX」
1位 | DTC | 9 |
2位 | KPMG | 4 |
3位 | EY | 4 |
4位 | ABeam | 3 |
4位 | IBM | 3 |
5位 | BCG | 2 |
5位 | マーサー | 2 |
5位 | 電通デジタル | 2 |
最もニュースリリースが多かったテーマ「SDGs・ESG」は、順番は異なりますが「リリース総数」ベスト5と同じ顔ぶれとなりました。
また、「リリース総数」1位のDTCは、「人的資本経営」「DX」において9本のニュースリリースを発信しており、それぞれ1位となっています。
「ウェルビーイング・健康経営」では、NTTデータ経営研究所(NTTDKK)が5本で首位を獲得。主に、官公庁や地方自治体への政策提案を行う同社のニュースリリースは、調査やセミナーなどに関するものが多くありました。
ランキングから「各ファームはどのテーマに注力しているのか」「これから伸びるテーマは何か」など想像が膨らむかと思います。月刊ニュースは2024年も更新してまいります。今年のランキングはどのような変化があるのでしょうか。引き続きお楽しみください!
「月刊DX」「月刊健康経営・人的資本経営」「月刊SDGs・ESG」「月刊ウェルビーイング」
[v247]
執筆者
-
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。