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コンサルファームの業界地図2023年版 | コンサルティング会社64社掲載 カオスマップ

コンサルファームの業界地図2023年版 | コンサルティング会社64社掲載 カオスマップ

2019年より始め今回で5年目となるコンサルティング会社ごとの得意領域を見える化したカオスマップ。2023年6月時点での業界分類と会社の相関図を直感的に分かるようにまとめました。

当メディアにおける人気コンテンツである「コンサルティング会社 カオスマップ」の最新2023年版の公開となります。

コンサル業界は世界的な経済動向の影響も懸念され、グローバルでのレイオフのニュースもあったものの、DXやサステナビリティ、事業戦略等に関するプロジェクト増加が牽引する形で引き続き堅調な成長を見せており、大半の会社が増収増益を記録している状況にあります。コンサルファーム同士の統合などは起きておらず業界全体としては大きな変化はありませんが、最新のコンサル業界が見える化したカオスマップを是非ご確認下さい。「コンサルファーム カオスマップ 2023年度版」では、各社のアップデートを踏まえながら、64社のコンサルティングファームをマップ化しております。

コンサルファーム カオスマップ 2023年度版

カオスマップとは、特定業界における事業者を、項目に応じてカテゴライズした「業界地図」です。当社が提供している「コンサルティング会社 カオスマップ」では、コンサルティングファームの得意領域を7つに分類し、さらに詳細に中分類区分を設けています。

コンサルティングと言っても様々な支援領域がある中で、今のコンサル業界を直感的に捉えられる内容になっており、業界構造をわかりやすく把握できます。

カオスマップの見方・ポイント

本カオスマップを見る際のポイントをお伝えいたします。

■複雑化する分類を、より実態に沿うように大分類・中分類にカテゴライズ
たとえば、「業務」系は、トップライン向上や業務効率化などを軸とする「ビジネス」と、ITサービス導入支援を軸とする「IT」に細分化しています。

■明確に線引きできない得意領域を矢印で表現
マップ上の矢印はカバーする領域を示します。矢印上にある企業群は同じ領域に属しますが、位置は順不同であり分類に沿うものではありません。

※弊社調査に基づき主たる領域を示していますが、実態はご自身でご確認いただくことをお勧めいたします。マッキンゼーなどもデジタル部門を作るなどしておりますが、少々領域をカバーしている程度の場合には入れないようにしております。

※当カオスマップを転載及び使用する際には、必ず出典として当記事のURLを載せていただくようお願い致します。
※当カオスマップ記載のロゴにつきましては、事前に各社様に事前許諾を得ていないものがございます。当マップへの掲載に問題がある場合は、大変お手数ですが「お問い合わせ」 よりご連絡ください。速やかに修正させていただきます。

なお、コンサルティングの7つの領域については、当サイト別記事にて詳しく解説をしておりますので、こちらも合わせてご確認下さい。

弊社では、転職希望者向けのエージェントサービス、フリーランス向けの案件紹介サービスも運営しています。コンサルファームへの転職を検討している方や、コンサル案件を探している方はぜひご活用ください。現役のコンサルタントからフリーのコンサルまで、ステージにあった働き方をご支援しますこちらからお気軽にご相談ください。

【考察】2023年におけるコンサル業界の現状と今後

2023年直近のコンサル業界動向や今後について大きな見解を4つほどまとめております。

SDGs、ESG経営への支援強化

これまでDX推進支援などデジタル案件の引き合いが活況で、各社における注力テーマとなり業界の拡大を牽引してきました。今後もクライアントの変革にはDXは切っても切り離せないテーマであることは変わりないでしょうが、もはや一般的なテーマとして扱われるようになり落ち着いてきているイメージです。一方でSDGsやESG、人的資本経営 などのテーマに対する取り組みが外資系ファームを中心に目立ってきています。健康経営やウェルビーイングなども同様で、売上や利益に直結しづらいものの取り組みが求められるテーマに対してコンサルティングファームの価値が見いだされていると言えます。コンサルファームからすると、そういったテーマに対する実績や新たなサービスの立ち上げを打ち出し、クライアント獲得のためのマーケティング活動に余念がないとも言えるでしょう。

グローバルでおきた人員削減の波

2023年3月頃にマッキンゼーやアクセンチュア、KPMGなどがグローバルで人員削減を行うニュースが駆け巡りました。主にバックオフィスやサポートスタッフの削減ではありますが、これまで国内でもグローバルでも積極採用を続け、ワークフォース強化が自社成長につながることをアピールし続けてきた大手ファームが大半でしたが、一転した人員削減の動きは、それだけ世界情勢と経済動向に重大な懸念があることを明らかにしました。

ネガティブケースでも成長するコンサル市場規模

本サイト運営会社ではコンサルティング業界の市場規模分析を行っており、2021年度のコンサル業界の市場規模を約1.5兆円と算定しております。また、2017年からの5年間で約1.6倍の成長をしていることも算定しております。

一方で、今後のコンサルティング業界の市場成長予測もしており、3つのケース(スタンダード、ポジティブ、ネガティブ)で試算してもいずれも市場の成長が予測されています。人員削減などのニュースもありますので、ネガティブケースの場合を読み込んでみても、2027年でも1.8兆円予測とかなり大きい市場規模となります。様々な要因はあるものの、全体俯瞰で捉えると高いコンサルティングニーズが見込まれると言えます。

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョ

外資系を中心にDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進の取り組みが一般的になってきております。女性コンサルの増加や活躍推進についても、これまで外資系中心ではありましたが日系ファームでも取り組みが積極化されてきています。制度整備や働き方改革によって女性でも働きやすい業界に変わりつつあることは間違いないと言え、かつコンサルタントという職種が故にライフイベントとも両立がし易い面もあるなど、これまでのコンサル=男性のイメージは薄まってきています。
当メディアでも「コンサル×女性」をテーマに記事を寄稿致しました。

カオスマップのコンサル業界分類と主要ファーム一覧

「コンサルファーム カオスマップ 2023年度版」の業界分類と主要ファームをご紹介します。各社表記は日本語での正式名称に続き英語での正式名称、略称(一般的に略称が無い場合は省略)としております。また、日系ファームか外資系ファームであるかをわかるように日系ファームの企業名の前に★マークを付けております。なお、一般的には外資系と認識されているものの、会社の資本そのものは内資であるケースがありますが、今回はグローバルで存在する場合は外資として区別しております。

総合系コンサルティングファーム

総合系とされるだけあり幅広い領域をカバーしているため、カオスマップ上には分類区分はありません。ITから事業再生までをカバーする会計系のBig4と、戦略からITまでをカバーする7社がここに該当します。

企業規模が大きく、拡大を続けており、SI部門がその成長の下支えになっているファームもあります。昨今ではDX(デジタルトランスフォーメーション)に関連する支援も活況です。

企業名(日本語表記)           企業名(英語表記/略称)
【Big4】PwCコンサルティングPwC Consulting
【Big4】EYストラテジー・アンド・コンサルティングEY Strategy and Consulting/EYSAC
【Big4】KPMGコンサルティングKPMG Consulting
【Big4】デロイト トーマツ コンサルティング Deloitte Tohmatsu Consulting/DTC
アクセンチュアAccenture Japan/AC
★ クニエQUNIE
★ ベイカレント・コンサルティングBayCurrent Consulting
★ 日立コンサルティングHitachi Consulting/HCJ
★ アビームコンサルティングABeam Consulting/AB
★ シグマクシスSIGMAXYZ/SX
★ ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズCambridge Technology Partners/CTP
★ コダワリ・ビジネス・コンサルティングCodawari Business Consulting

戦略系コンサルティングファーム

大手企業や外資系企業の中長期の戦略策定の支援をします。
具体的には企業の経営課題を洗い出し、その解決方針を定め、実行のプロセスまでを策定していきます。企業全体の方針決めに関わるため、少数精鋭で非常に能力が高いコンサルタントが所属しています。

戦略コンサルとは?を事例を交えて徹底解説!| クライアントの未来を支援する「戦略領域」 ‐コンサル7つの領域シリーズ‐

企業名(日本語表記)         企業名(英語表記/略称)
ベイン・アンド・カンパニーBain & Company
マッキンゼー・アンド・カンパニーMcKinsey & Company/McK
ボストン・コンサルティング・グループBoston Consulting Group/BCG
A.T. カーニーA.T.Kearney/ATK
ローランド・ベルガーRoland Berger
アーサー・D・リトルArthur D Little JAPAN/ADL
★ ドリームインキュベータDream Incubator/DI
★ FIELD MANAGEMENT STRATEGY
★ コーポレイト ディレクションCorporate Directions/CDI

業務(ビジネス)系コンサルティングファーム

会社の経営から事業までビジネスに関わる全ての領域に対してコンサルティングサービスを提供します。業務効率化、SCM、マーケティング戦略、新規事業創発まで幅広くコンサルティングを行っています。

業務コンサルとは?を事例を交えて徹底解説!| 事業会社からの転職で活躍可能な「業務(ビジネス)領域」 ‐コンサル7つの領域シリーズ‐

企業名(日本語表記)      企業名(英語表記/略称)
キャップジェミニCapgemini Japan
★ レイヤーズ・コンサルティングLayers Consulting
★ INTLOOP -
★ スカイライト コンサルティングSkylight Consulting
日本アイ・ビー・エムIBM

業務(IT)系コンサルティングファーム

大手企業の基幹システムの刷新や、ERPパッケージの導入を中心に、付随する業務の改善やIT戦略の立案も手掛けます。近年のIT化の進展によって経営とITが密接に関わるようになったことから急速に事業を拡大し、経営戦略策定を行うファームもあります。また、AIやRPAなどの最新技術の活用やビッグデータの処理に強みを持つファームもあります。

ITコンサルとは?を活用シーンと共に徹底解説!|企業の課題とITの橋渡しを担う「IT領域」 ‐コンサル7つの領域シリーズ‐

企業名(日本語表記)                     企業名(英語表記/略称)
日本タタ・コンサルタンシー・サービシーズTata Consultancy Services Japan/TCS
★ TIS
★ フューチャーFuture
★ Ridgelinez
アバナードAvanade
★ シンプレクスSimplex
★ ビジネスブレイン太田昭和BUSINESS BRAIN SHOWA-OTA/BBS
★ ウルシステムズUL Systems
★ 電通国際情報サービスInformation Services International-Dentsu/ISID
★ ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングBTC Corporation/BTC
★ コアコンセプト・テクノロジーCore Concept Technologies/CCT

シンクタンク系コンサルティングファーム

証券会社や銀行を母体に持っていたり、市場調査や各業界の分析を行う目的で設立されたりした研究機関です。蓄積されたナレッジを活かして民間企業向けの経営コンサルティングや官公庁向けのリサーチを行っています。また、母体が金融機関などであることからITコンサルティングやシステム開発などのも得意としています。

企業名(日本語表記)                         企業名(英語表記/略称)
★ 野村総合研究所Nomura Research Institute/NRI
ガートナー ジャパンGartner
★ エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所NTT DATA INSTITUTE OF MANAGEMENT CONSULTING
★ 三菱総合研究所Mitsubishi Research Institute/MRI
★ 富士通総研FUJITSU RESEARCH INSTITUTE/FRI
★ 日本総合研究所The Japan Research Institute/JRI
★ 大和総研Daiwa Institute of Research/DIR
★ 三菱UFJリサーチ&コンサルティングMitsubishi UFJ Research and Consulting/MURC

FAS(M&A)系コンサルティングファーム

企業/事業の買収、売却、資本提携などのM&Aに関わる業務全般のコンサルティングを行います。ビジネスデューデリジェンスや、企業法など専門的な知識を持つコンサルタント、アドバイザーが所属しています。BIG4などはM&Aだけでなく、フォレンジックなど極めて専門性の高いサービスも提供しています。

企業名(日本語表記)                  企業名(英語表記/略称)
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーDeloitte Tohmatsu Financial Advisory/DTFA
PwCアドバイザリーPwC Advisory
EYストラテジー・アンド・コンサルティングEY Strategy and Consulting/EYSAC
KPMG FAS -
★ YCP Solidiance -
フーリハン・ローキーHoulihan Lokey
★ エスネットワークスES NETWORKS
★ レコフRECOF
★ クロスポイント・アドバイザーズCrosspoint Advisors

FAS(事業再生)系コンサルティングファーム

企業/事業の買収、売却、資本提携などのM&Aに関わる業務全般のコンサルティングを行います。ビジネスデューデリジェンスや、企業法など専門的な知識を持つコンサルタント、アドバイザーが所属しています。BIG4などはM&Aだけでなく、フォレンジックなど極めて専門性の高いサービスも提供しています。

企業名(日本語表記)           企業名(英語表記/略称)
★ 経営共創基盤Industrial Growth Platform/IGPI
★ フロンティア・マネジメントFrontier Management
★ 山田コンサルティンググループYAMADA Consulting Group
アリックスパートナーズAlixPartners
ロングブラックパートナーズLong Black Partners/LBP

組織・人事系コンサルティングファーム

組織戦略や制度設計、採用改革など、「ヒト」を専門としたコンサルティングファームです。働き方改革やチェンジマネジメントなどのコンサルティング業務を行うことも多くあります。最近では人的資本経営や健康経営への支援などが増えてきており、総合系ファームが注力及び拡大傾向にある領域です。

組織人事コンサルとは?を活用シーンと共に徹底解説!|企業の経営資源「ヒト」を通して課題解決に導く「組織人事領域」 ‐コンサル7つの領域シリーズ‐

企業名(日本語表記)         企業名(英語表記/略称)
マーサー ジャパンMercer Japan
コーン・フェリー・ジャパンKorn Ferry
エーオンジャパンAon
ウイリス・タワーズワトソンWillis Towers Watson/WLTW

中小企業向けコンサルティングファーム

中小企業を対象にコンサルティングを行うファームです。経営戦略のみならず、M&A支援から事業承継、IT導入支援など幅広に係るコンサルティングサービスを提供します。幅広い領域をカバーしているため、カオスマップ上には分類区分は設定しておりません。

企業名(日本語表記)         企業名(英語表記/略称)
★ 船井総合研究所Funai Consulting
★ タナベコンサルティンググループTANABE CONSULTING GROUP

ブティックコンサルティングファーム

ブティック系ファームとは、小規模ながら少数精鋭でクライアントニーズに応じた高度な支援を行うファームや、特定領域もしくは特定業界に特化したファームのことを指しますが本カオスマップには掲載をしておりません。本記事のカオスマップで紹介した大手コンサルに対して、ブティク系は組織に縛られず俯瞰的に支援ができること、少ない体制でも支援してくれることや、小回りが利くことなどの強みを持つ場合があります。ブティックファームも数多くありますので、当サイト別記事ではブティック系コンサルのカオスマップも紹介しております。

※当記事のリンクをホームページでご紹介いただいた企業様に関しましては、会社概要(住所、代表者)とホームページURLを記載させていただいております。

まとめ

外資系を中心として群雄割拠なコンサル業界ですが、戦略・業務・IT・・・といった7つの領域に対して各社1領域ということはなく、複合的なケースが大半です。かつ、コンサルティングはクライアントの課題に基づいて問題解決を行うため、形ないものを提供することから差別化も難しいと言えます。カオスマップを通してコンサル業界の全体像、コンサルファーム各社の位置付けを理解するだけでなく、業界動向把握への一助となればと考えております。

また、2023年に入ってからEYのコンサルティングと監査の分離頓挫などのニュースもありましたが、近いうちに大きな再編なども起こり得るかもしれません。継続的にコンサル業界を見える化したカオスマップを発行することで、業界の変遷を読者の皆様にお送りできればとも考えております。

なお、7つのコンサルティング領域の違いや、コンサル業界全体を把握したい方は「図解即戦力 コンサルティング業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書」をぜひお読みください。Big4やMBBなどその他の主要コンサルティングファームにはどのような特徴があるのかなどを分かりやすく解説するほか、コンサルティング業界の市場規模や動向、コンサルタントのキャリアパスなど、コンサル業界にまつわるあらゆる情報を網羅的に明示しております。

▶▶弊社では、現役のコンサルタントからフリーのコンサルまで、ステージにあった働き方をご支援しますこちらからお気軽にご相談ください。

コンサルのあんなこと、こんなことについて
現役コンサルタントの視点と情報鮮度にこだわり、最新ニュース・トレンドを配信するメディアです。自社のコンサル活用や転職時の業界研究に役立つ「コンサル業界ニュース」、ブランニューから上級コンサルタントまでポジションに合わせておすすめする「書籍紹介シリーズ」など、コンサル業界で働く人・目指す人・仕事を依頼する人様々な方々に向けて幅広い情報をお届けしています。

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執筆者

大谷内 隆輔
大谷内 隆輔コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長
アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
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