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コンサルの社長ってどんな人?主要コンサルファーム代表の学歴や経歴を調査してみた
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コンサルファーム社長になるまでの平均年数は27.5年!その道のりとは?
当メディア運営企業でインターンをしているD.I.です。前回の「コンサルファームの社名の由来」に続き、2回目の寄稿となります。今回注目したのは「コンサルファームの社長の学歴と経歴」。コンサルタントは5年以内に離職する人が多いと言われていますが、その中で会社の頂点に立つ社長といえば、やはり「すごい人」です。一体どのような学歴・経歴を歩んできたのでしょうか?そもそも、新卒から同じ会社で社長まで登りつめる人は存在するのでしょうか?そこで、主要コンサルファーム22社の現役社長を対象に、彼らがどのように華々しいキャリアを築いてきたのか、その秘訣を探るべく調査しました!
目次
主要コンサルティングファーム22社の社長の学歴と経歴まとめ
主要コンサルティングファーム22社の社長の学歴と経歴をまとめました。
「コンサル業界カオスマップ」から、BIG4(PwC、EY、KPMG、デロイト)や、MBB(マッキンゼー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベイン)といった外資戦略、アクセンチュア、ベイカレントなど、個人的に気になったコンサルティングファームをピックアップし、正式な役職が「代表」となっている方を対象に調査した結果を表にまとめました。
なお、2025年2月現在、企業公式サイトやインタビュー記事などで公開されている情報を元にしております。また、表の「年数」は新卒~社長就任までの年数を表し、現任以外で他企業での代表就任経験がある場合、()に新卒~他企業代表までの年数を記載しました。
主要コンサルティングファームの社長の学歴と経歴一覧(敬称略・順不同)
コンサルファーム名 | 社長名 | 年数 | 経歴 |
---|---|---|---|
アクセンチュア | 江川昌史 | 26 | 慶応義塾大学商学部卒(1989年) アクセンチュア入社 同社マネージャーに昇格(1995年) 同社パートナー就任(2000年) 同社執行役員、製造・流通本部 統括本部長就任(2008年) 同社取締役副社長就任(2014年) 同社代表取締役社長に就任(2015年) 日本市場の責任者としてグローバル経営委員会に参加(2020年) |
アビームコンサルティング | 山田貴博 | 28 | 東北大学卒(1992年) アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)入社 デロイト トウシュ トーマツ ニューヨーク事務所入社 アビームコンサルティング入社(2003年) 同社金融・社会インフラビジネスユニット長就任 同社取締役就任(2016年) 同社代表取締役副社長就任 同社代表取締役社長就任(2020年) |
マッキンゼー・アンド・カンパニー | 岩谷直幸 | 22 | 一橋大学卒業(1999年) マッキンゼー・アンド・カンパニー入社(1999年) カーネギーメロン大学経営学大学院修了(2006年) 同社パートナー就任(2010年) 同社シニアパートナー就任(2016年) 同社日本代表に就任(2021年) |
ベイン・アンド・カンパニー | デイヴ・マイケルズ | 27 | デューク大学経済・国際関係学部卒(1995年) ハーバード大学経営大学院修士課程修了(1999年) ベイン・アンド・カンパニー入社(1995年) 同社パートナー就任(2007年) 同社シニアパートナー就任(2015年) 同社日本代表就任(2022年) |
ボストン・コンサルティング・グループ | 秋池玲子*1、内田有希昌 | *133 | 【秋池玲子】 早稲田大学理工学部卒(1988年) 早稲田大学院理工学研究科修了(1990年) キリンビール入社(1990年) マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院経営学修士(1996年) マッキンゼー・アンド・カンパニー入社(1996年) 産業再生機構入社(2003年) ボストン・コンサルティング・グループ入社(2006年) 同社日本代表就任(2021年) 【内田有希昌】 東京大学文学部卒 三和銀行(現三菱UFJフィナンシャルグループ)入社 カーネギーメロン大学経営学修士 ボストン・コンサル |
ローランドベルガー | 大橋譲 | 23 | カルフォルニア大学サンディエゴ校情報工学部卒(1997年) 日本ヒューレッドパッカード入社(1997年) サピエント入社(2001年) ローランド・ベルガー入社(2003年) ブーズ・アンド・カンパニー入社(2008年) ローランド・ベルガーにパートナーとして復帰(2012年) 同社日本法人代表取締役就任(2020年) |
A.T.カーニー | 関灘茂 | 17 | 神戸大学経営学部卒業(2003年) A.T.カーニー入社(2003年) INSEAD(欧州経営大学院)MAP修了 同社史上最年少でパートナー就任(2014年) 同社日本代表就任(2020年) 同社アジアパシフィック代表就任(2024年) |
アーサー・ディ・リトル | 原田裕介 | – | 東京工業大学大学院総合理工学研究科修了 富士ゼロックス入社 マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院、技術・政策大学院修了(1994年) アーサー・ディ・リトル・ジャパン入社(1997年) アーサー・ディ・リトル・ジャパン代表就任(2006年) アーサー・ディ・リトル アジア・パシフィッククラスター代表就任(2017年) |
ドリームインキュベータ | 三宅孝之 | 26 | 京都大学工学部卒(1993年) 京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修了(1995年) 通商産業省(現経済産業省)入省(1997年) A.T.カーニー入社(2001年) ドリームインキュベータ入社(2004年) 同社代表就任(2021年) |
デロイト・トーマツ・コンサルティング | 神山友佑*2、長川知太郎 | *222 | 【神山友佑】 慶応義塾大学院理工学研究科修了(2002年) デロイト・トーマツ・コンサルティング入社(2002年) 同社パートナー就任(2014年) 同社代表執行役日本代表就任(2024年) 【長川知太郎】 東京大学法学部卒(1998年) デロイト・トーマツ・コンサルティング入社(1998年) 同社パートナー就任(2008年) 同社代表執行役日本代表就任(コンサルテイティブ ビジネスリーダー等兼務) |
PwCコンサルティング | 安井正樹 | 28 | 慶応義塾大学商学部卒(1996年) トーマツコンサルティング入社(1996年) デロイトトーマツコンサルティング入社(1998年) (現アビームコンサルティングに転籍) プライスウォーターハウスクーパースにパートナーとして入社(2014年) PwCコンサルティング常務執行役就任(2017年) PwC JapanグループTMTリーダー就任(2020年) PwC財団代表理事就任(2020年) PwCコンサルティング専務執行役就任(2022年) 同社代表執行役社長就任(2024年) |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング | 近藤聡 | ‐ | 早稲田大学商学部卒 等松・トウシュロスコンサルティング入社(1988年) デロイトトーマツコンサルティング社長就任(2010年) デロイトトーマツグループ最高経営責任者代行就任 EYジャパン入社(2019年) EYストラテジー・アンド・コンサルティング日本代表就任(2020年) |
ベイカレント | 阿部義之 | 27(17) | 電気通信大学電気通信学部卒(1989年) 野村総合研究所入社(1989年) エックスエヌ入社 ユニバーサルシステムエンジニアリング(現インフォメーションサービスフォース)入社(2006年) 同社代表取締役就任(2006年) ベイカレント・コンサルティング入社(2008年) 同社執行役員就任(2008年) 同社コンサルティング&IT事業本部長就任(2015年) 同社代表取締役社長就任(2016年) |
KPMGコンサルティング | 関穣、田口篤*3、知野雅彦 | *325 | 【関穣】 外資系コンサルティング会社入社 日系コンサルティング会社入社 KPMGコンサルティング入社(2016年) 同社代表取締役就任(2025年) 【田口篤】 早稲田大学理工学部卒(1996年) 日本総研入社(1996年) KPMGビジネスアシュアランス(現KPMGコンサルティング)入社(2000年) 同社代表取締役就任(2025年) 【知野雅彦】 早稲田大学商学部卒 ピート・マーウィック・ミッチェル会計士事務所(現KPMG)入社 KPMGコンサルティング代表取締役就任(2025年) |
山田コンサルティング | 増田慶作 | 36(16) | 中央大学法学部卒(1984年) 相馬計二司法書士事務所入所(1989年) 公認会計士・税理士山田淳一郎事務所入所(1991年) ティーエフピー経営コンサルティング(現山田コンサルティンググループ)代表取締役社長就任(2000年) 東京エフピー保険パートナーズ(現山田フィナンシャルサービス)代表取締役社長就任(2004年) 山田コンサルティンググループ取締役副社長就任(2007年) キャピタルソリューション(現山田インベストメント)設立代表取締役社長就任(2008年) 山田コンサルティンググループ代表取締役副社長就任(2009年) 同社代表取締役社長就任(2016年) 日本マネジメント・アドバイザリー・カンパニー代表取締役就任(2020年) |
シグマクシス | 太田寛 | 30(28) | 大阪大学基礎工学部情報工学科卒(1993年) 日本航空入社(1993年) プライスウォーターハウスコンサルタント入社(1998年) IBMビジネスコンサルティングサービスパートナー(2006年) シグマクシス・ホールディングスパートナー就任(2009年) 同社マネージングディレクター就任(2015年) 同社常務執行役員就任(2019年) 同社執行役員就任(2021年) シグマクシス代表取締役共同代表就任(2021年) シグマクシス・ホールディングス取締役就任(2022年) 同社代表取締役社長就任(2022年) シグマクシス代表取締役社長就任(2023年) |
FIELD MANAGEMENT STRATEGY | 中村健太郎 | 21 | 中央大学卒(2002年) フューチャー入社(2002年) ローランド・ベルガー入社(2005年) ボストン・コンサルティング・グループ入社(2007年) アクセンチュア入社(2016年) FIELD MANAGEMENT STRATEGY入社(2022年) 同社代表取締役就任(2023年) |
キャップジェミニ | 殿村真一 | 26(14) | 東京大学経済学部経済学科卒(1987年) 新日本製鉄(現日本製鉄)入社(1987年) 米スタンフォード大学経営大学院修了 ジェームスマーチン&カンパニー・ジャパン(現ジェンパクトコンサルティング)入社(1999年) 同社代表取締役社長(2001年) 縄文アソシエイツ社外取締役就任(2011年) キャップジェミニ入社、アジアパシフィック金融サービス部門代表就任(2012年) キャップジェミニ・ジャパン設立代表取締役社長就任(2013年) 大日コーポレーション社外取締役就任(2020年) タカラトミー社外取締役就任(2020年) キャップジェミニ アジアパシフィック副代表就任(2021年) キャップジェミニ・ジャパン代表取締役会長就任(2021年) キャップジェミニ本社経営会議メンバー就任(2023年) |
日本アイ・ビー・エム | 山口明夫 | 32 | 大阪工業大学工学部卒(1987年) 日本 アイ・ビー・エム入社(1987年) 同社代表取締役就任(2019年) |
クニエ | 山口重樹 | 38 | 一橋大学経営学部卒(1984年) 日本電信電話公社入社(1984年) エヌ・ティ・ティ・データ通信(現エヌ・ティ・ティ・データ)執行役員就任(1988年) 同社常務執行役員就任(2013年) 同社代表取締役副社長就任(2014年) クニエ代表取締役社長就任(2023年) |
NTTデータ経営研究所 | 山口重樹 | 37 | 一橋大学経営学部卒(1984年) 日本電信電話公社入社(1984年) エヌ・ティ・ティ・データ通信(現エヌ・ティ・ティ・データ)執行役員就任(1988年) 同社常務執行役員就任(2013年) 同社代表取締役副社長就任 NTTデータ経営研究所代表取締役社長就任(2022年) |
経営共創基盤 | 村岡隆史 | 31 | 東京大学農学部卒(1989年) 三和銀行入社 モルガンスタンレー証券入社 産業再生機構入社(2003年) 経営共創基盤設立(2007年) 経営共創基盤代表取締役マネージングディレクター就任(2020年) |
まとめ
この表から、社長までのキャリアパスは大きく二つに分けることができます。
一つ目は、長期間同一企業でキャリアを築いた後に社長となる「同一企業型」(例: 日本IBM 山口明夫氏、アクセンチュア 江川昌史氏)。二つ目は、複数の企業を経験した後に社長になる「複数企業型」(例: ボストンコンサルティンググループ 秋池玲子氏、キャップジェミニ 殿村真一氏)です。
また、新卒から社長就任までの期間は、平均27.5年という結果になりました。一部、公表されていない方もいらっしゃいますので多少の前後はあるかと思いますが、目安として参考になるでしょう。「同一企業型」の中でも最短で社長に就任したのは、A.T.カーニー 関灘茂氏で、その期間はわずか17年でした。さらに、同社史上最年少でパートナーにも就任しています。
一方、「複数企業型」では、新卒で事業会社に入社後、MBA留学を経てコンサルに転職し社長就任というケースが目立ちました。「複数企業型」の中で異色のキャリアを歩むのは、EYSC 近藤聡氏です。DTCの社長、グループ最高経営責任者代行を歴任した後、EYジャパンに転じ、EYSCの日本代表に就任しており、この人事は、熾烈な人材獲得競争を象徴する動きとして、当時大きな話題を呼んだようです。
学歴の傾向を見ると、東京大学、慶應義塾大学、一橋大学、早稲田大学など、いわゆる有名大学の出身者が多く、文系・理系の偏りは特に見られませんでした。ちなみに、ローランドベルガー 大橋譲氏には、音楽大学にも合格しておりクラリネット奏者になる道もあったという逸話がありました。
なお、NTTデータ経営研究所とクニエについて調査したところ、どちらも親会社であるNTTデータ出身の山口重樹氏となっておりました。同様に日立コンサルティングも親会社の日立製作所出身の伊藤洋三氏となっておりました。コンサル出身と異なると捉え、本一覧には掲載しておりませんがご紹介だけさせていただきます。
このような傾向を掴んだところで、コンサルファームの社長になれる訳ではありませんが、成功するキャリアの共通点を学ぶことは、長期的な目標達成に役立つはずです。どなたかの参考になれば幸いです。
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執筆者
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コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
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