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グローバルと日本の社員数推移から考察!コンサル業界の採用トレンドと今後の見通し|コンサルのホンネ

グローバルと日本の社員数推移から考察!コンサル業界の採用トレンドと今後の見通し|コンサルのホンネ

グローバルで進むコンサル採用の鈍化。今後1年〜1年半で日本にも波及か

現役コンサルが徒然なるままに綴るコラム「コンサルのホンネ」では、ハードワークの合間に思いついたことを思いつくままに語ります。 第19回のテーマは「グローバルと国内の社員数増減差にみる業界考察」。ホッと一息つくも良し、同じテーマで考察してみるも良し、お気軽にお読みください。

当メディアでは、2017年以降毎年、大手コンサルファームのグローバルおよび日本国内の社員数を取りまとめ、その推移を追ってきました。2025年は、国内ではPwCコンサルティングが前年比14%増と好調な様子でした。その一方で、先日一部海外メディアによって、PwCが世界の従業員数を5,600名削減したことを報じました。

グローバルと日本国内で随分と差があるなと思い、当メディアでこれまで記録してきた社員数データから何か傾向が出てこないものかと考察してみました。筆者の興味によるものですので、Big4とアクセンチュアに絞り、コラムとして寄稿したいと思います。

*2022年以降の毎年の各社社員数増減数値については、本コラム最後に載せております。

全体的な人員増減の傾向

2022年→2023年:
グローバル、国内ともに、全社が非常に高い成長率を示しています。特に国内では、KPMG、EY、デロイトが20%以上の増加率を記録しており、ここ数年ではこの時期がコンサルティング業界にとって最大の拡大期であったことがわかります。

2023年→2024年:
グローバルでは、PwCが引き続き大幅な増加(+12.8%)を見せる一方、DeloitteやEYは成長が鈍化またはマイナスに転じ、成長にばらつきが出始めています。国内では、Deloitteのみがマイナス成長(-3%)となっていますが、他の4社は引き続き二桁成長を維持しており、グローバルに比べて日本では成長の勢いが持続していることがわかります。

2024年→2025年:
グローバルでは、PwCが唯一のマイナス成長(-1.6%)に転じ、他社も成長率が大きく鈍化しています。これは、世界的な景気後退やコンサルティングニーズの鈍化が、この時期に顕著になったことを示唆していると言えます。国内では、EYとDeloitteがマイナス成長(-4%)に転じ、他の3社はプラス成長ですが成長率は鈍化しています。グローバルでの減速が、国内にも波及し始めていることが明確に見られます。

仮説:グローバルの人員増減が、1年後に日本市場へ波及する

非常に単純な仮説ですが、グローバルでの経営判断やコンサルティングニーズに対するヘッドカウントの調整が、翌年に日本国内の人員計画にも影響を与えると考えられます。部分的ではありますがデータから顕著な傾向が読み取れます。これは、日本のコンサルティング部門がグローバル戦略の一部として、1年遅れでリソースの再配分や採用計画の調整を受けるためと考えられます。

ケース1: EYのグローバルでの調整
グローバル (2023年→2024年): -0.6%(マイナス成長)
国内 (2024年→2025年):-4%(マイナス成長)

グローバルでのマイナス成長の波が、1年後に国内のマイナス成長として現れています。

ケース2: Deloitteのグローバルでの極端な成長鈍化
グローバル (2023年→2024年): +0.7%(極端な成長鈍化)
国内 (2024年→2025年):-4%(マイナス成長、2年連続のマイナス成長)

グローバルでの成長鈍化・調整の動きが、1年遅れで国内のマイナス成長に繋がっています。

今後の予測される動き

前項に続く形で、ケース3のようなことになるかもしれません。

ケース3: 2024年以降の業界全体の減速
グローバル (2024年→2025年):全社的に成長率が大きく鈍化またはマイナス。
国内 (2025年→2026年):(当然まだデータはないですが)現在の動向から見て、さらなる成長の鈍化や、複数社でのマイナス成長が起きる。

グローバルでは2024→2025年ですでに鈍化が顕著です。この波が今後1年〜1年半で日本市場にも本格的に波及する可能性は大いにあります。

全体的な採用の抑制・減少が進むと思われますが、各社AI領域への投資は伸ばしており、人員に関してもAI領域だけは積極採用もしくは戦略的な人員シフトが加速していくのではないでしょうか。

2022年以降の毎年の各社社員数増減

本データは当メディアにて毎年同時期に集計した社員数から算出した増減率となります。Big4についてはグローバルの数字は、コンサルティングだけでなく監査や税務なども含む一方、国内の数字はコンサルティング事業を担う法人の社員数となっている点についてはご容赦下さい。

■グローバル
2024年 → 2025年
・EY +3.4% 
・Deloitte +2.2% 
・KPMG +0.8%
・Accenture +0.6%
・PwC -1.6%

2023年 → 2024年
・PwC  +12.8%
・Accenture  +5.6%
・KPMG  +3.0%
・Deloitte  +0.7%
・EY  -0.6%

2022年 → 2023年
・KPMG  +12.3%
・PwC  +11.0%
・Deloitte  +10.9%
・EY  +8.2%
・Accenture  +1.7%

2024年→2025年 2023年→2024年2022年→2023年
Deloitte+2.2%+0.7%+10.9%
EY+3.4%-0.6%+8.2%
KPMG+0.8%+3.0%+12.3%
PwC-1.6%+12.8%+11.0%
Accenture+0.6%+5.6%+1.7%

■国内
2024年 → 2025年
・PwCコンサルティング +14%
・アクセンチュア +8%
・KPMGコンサルティング +3%
・EYストラテジー・アンド・コンサルティング -4%
・デロイト トーマツ コンサルティング -4%

2023年 → 2024年
・アクセンチュア +19%
・PwCコンサルティング +17%
・KPMGコンサルティング +14%
・EYストラテジー・アンド・コンサルティング +12%
・デロイト トーマツ コンサルティング -3%

2022年 → 2023年
・KPMGコンサルティング +38%
・EYストラテジー・アンド・コンサルティング +27%
・デロイト トーマツ コンサルティング +23%
・PwCコンサルティング +18%
・アクセンチュア +11%

2024年→2025年2023年→2024年2022年→2023年
デロイト トーマツ コンサルティング-4%-3%+23%
EYストラテジー・アンド・コンサルティング-4%+12%+27%
KPMGコンサルティング+3%+14%+38%
PwCコンサルティング+14%+17%+18%
アクセンチュア+8%+19%+11%

[v325]

執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。

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