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コンサル市場2.3兆円に拡大の裏で、ファーム倒産件数は過去最多。その理由とは~後編~

コンサル市場2.3兆円に拡大の裏で、ファーム倒産件数は過去最多。その理由とは~後編~

コンサルバブルは終焉を迎え、選別のフェーズへ

近年、コンサルティング会社の倒産が増えています。「経営コンサルタント」の倒産件数は、2022年から4年連続で増加し、2025年には過去最多の170件に達しました(東京商工リサーチ TSRデータインサイト)。

コンサル業界の市場規模は拡大を続ける一方で、なぜ経営のプロであるはずのコンサルファームの倒産が増えているのでしょうか。その背景を紐解きます。前半では2022〜2025年の動向を解説しました。今回は、2026年以降の動向を考察します。

コンサルファームが倒産する理由

コンサル業界の市場規模は拡大を続けています。当メディアの推定では、2025年版の調査で2.3兆円(前年度比17%増)、2017年からの推移では約2.4倍に拡大しています。なぜ、成長市場でありながら、コンサルファームの倒産件数は増加しているのでしょうか。

背景には、2018年頃からの需要拡大があります。大手だけでなく中小企業にもデジタル化やクラウドソリューションの導入ニーズが急増。さらにコロナ禍を契機に、リモート業務体制の構築や各種補助金申請の支援など、新たな需要が拡大した結果、企業がコンサルに求める業務は、専門性の高い領域から比較的参入しやすい領域に広がり、市場には「コンサルファーム」を名乗る会社が急増しました。

しかし、DX特需やコロナ禍を背景とした一時的なニーズが落ち着くにつれ、特定の業務領域に依存するコンサルファームへの依頼は縮小していきました。例えば、SES(システムエンジニアリングサービス)や助成金・補助金申請支援を主力とするファームでは、案件の縮小とともに経営が立ち行かなくなるようになっていったのです。

では、AIが急速に進化する2026年以降、コンサルの倒産件数はどう変化するのでしょうか。その前に、近年増加しているブティックファームについて触れておきます。

ブティックファームの急増

コンサル市場の拡大に伴い、「コンサルファーム」と名乗る会社が急増していく中で、2018年以降「ブティック系コンサルファーム」の増加も目立つようになりました。

ブティック系コンサルファームとは、高い専門性と柔軟な対応力を備えた、少数精鋭のファームを指します。

コンサルニーズの拡大とともにコンサル人材も増加した結果、大手ファームから独立した創業者が次々とブティックファームを立ち上げる動きが相次ぎました。中にはDXやコロナ禍の特需を背景に創業したファームもあり、企業ニーズの変化に対応できず倒産に至ったケースもあるといいます。

しかし、大手ファームよりも小回りが利く点や専門性の高さに加え、クライアントのコンサル活用の成熟により、ブティックファームへのニーズは依然として高いといえます。

2026年以降のコンサルファーム

では、大手コンサルファームやブティックファームは今後も安泰なのか、というと違うと思います。2026年以降のコンサル業界を予測してみました。

コンサルの内製化

今後は、事業会社によるコンサル機能の内製化が進んでいく可能性があります。

背景にはいくつかの要因があります。

まず、DXのフェーズが戦略策定中心の段階から、実行・運用フェーズへと移行していることです。実行段階では、外部コンサルよりも社内人材の継続的な関与が求められる場面が増えていきます。

また、今後は大手ファームを中心としたAI投資に伴い、コンサル費用の高騰が予測されます。さらに、コンサル人材の大量採用でサービス品質のばらつきが拡大する一方で、クライアントはコンサル活用に成熟してきており、費用対効果に対する目線は厳しくなっています。そのような中、事業会社では、従来コンサルが担ってきた業務の一部がAIに代替されていくでしょう。

加えて、企業が意思決定のスピードや現場との連携といったアジリティを重視する傾向も強まっています。社内力学や現場ニーズを踏まえた即断即決が求められる場面では、外部コンサルよりも社内人材の方が機動力を発揮しやすいケースもあります。

コンサルタントが事業会社へ転職する動きも続いており、企業側にコンサル経験者が蓄積されつつあります。こうした人材の流入も、コンサル機能の内製化を後押ししていくと考えられます。

その結果、今後は2025年以前とは異なる理由で倒産が増加していくと考えられます。AIの浸透や内製化の進展に適応できないファームは、専門性を持つ経営コンサルであっても経営が立ち行かなくなるケースが出てくるでしょう。

採用の今後

これまでコンサルファームは、人月モデルを前提とした人員拡大によって事業規模を拡大してきました。

しかし今後は、AIの進化を背景に、採用戦略も変化していく可能性があります。従来のような量的拡大ではなく、より選抜的な採用へとシフトしていくと考えられます。

実際に、アクセンチュアでは、採用戦略の軸足を量的拡大から質の高い人材の強化へと移しています。

2026年以降の生き残り戦略

・実行フェーズにおける泥臭いプロジェクト推進
・M&Aや企業再建などの修羅場対応
・特定業界に深く入り込んだ専門知見

といった領域は、AIによる代替が難しいと考えられます。こうした分野は、今後もコンサルティングの重要な領域として残っていくでしょう。

また、ブティックファームが生き残るための戦略としては、以下のような方向性が考えられます。

・成果コミット型:成果報酬など結果に連動したモデル
・専門特化型:特定業界・テーマへの深い特化
・内製化支援型:企業のコンサル機能の構築・人材育成を支援
・アセット併用型:ツールやSaaSなど独自アセットを活用
・個人指名型:特定コンサルタントの実績・ブランドで受注

コンサルバブルからの浄化

経営のプロを掲げるコンサルファームが経営に失敗するというのは、どこか皮肉にも映ります。しかし、これはコンサル市場そのものが衰退しているわけではありません。むしろ、市場が拡大する中で、「量」から「質」へと競争の軸が移りつつあるといえるでしょう。

実際、コンサル市場は今後も拡大が見込まれています。一方で、企業がコンサルタントに求める役割は変化していくでしょう。

AIの普及や内製化の進展によって、従来の業務の一部はコモディティ化していくと思われます。その中で、コンサルタントに求められるのは、より高度な専門性や実行力、そして企業の変革を現場で推進する力です。

こうした環境の変化を踏まえ、これからのコンサルタントには、自身がどの領域で価値を発揮していくのか、キャリアを戦略的に考えていく視点がこれまで以上に重要になっていくのではないでしょうか。独立を検討している人も、キャリアを見直したい人も、市場環境が大きく変化する今は情報の質が重要です。納得感のあるキャリアを選択するためにも、コンサル業界の動向に詳しいエージェントに相談してみることをおすすめします。こちらからお気軽にお問い合わせください。

コンサルのキャリアをトータルサポート・フルサポート

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執筆者

大谷内 隆輔
大谷内 隆輔コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長
アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
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大谷内 隆輔
大谷内 隆輔コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長
アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。

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