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キャップジェミニの歴史|コンサルティングファームの歴史
買収や合併で世界有数のコンサルティングファームへと成長
ラグビーW杯フランス大会のワールドワイドパートナーとして、試合会場などいたるところで目にする機会があったキャップジェミニ(Capgemini SE)。日本国内ではアクセンチュアやBig4程の知名度はありませんが、グローバルでは約36万人もの社員数を誇る、フランスに拠点をおく世界有数の大手コンサルティングファームです。キャップジェミニは創設から今日まで、積極的な買収で会社規模や事業領域の範囲を広げてきておりますが、グローバルにおける歴史は然程複雑ではありません。一方で、国内における変遷は少々複雑であり、撤退と再参入の歴史を持っています。今回はそんなフランス発のコンサルティングファームであるキャップジェミニの歴史を紐解きます。
目次
1.キャップジェミニの歴史年表
グローバルにおける歴史
1967年 | Serge KampfがSogetiを設立 |
1974年 | 欧州における競合企業のCAPを買収 ニューヨークに本拠を置くGemini Computers Systemsを買収 |
1981年 | ミルウォーキーを本拠とするDASD Corporationを買収 |
1996年 | Capgeminiに社名変更 |
2000年 | Ernst & Youngのコンサルティング部門を買収 |
2006年 | シカゴに拠点を置くインドのグローバルITコンサルティングファームKanbay International,Inc.を買収 |
2008年 | ストックホルムを本拠とするIBX Groupを買収 |
2015年 | アメリカのITサービス企業であるIGATEを買収 |
2019年 | フランスの技術技術コンサルティング企業であるAltran Technologiesを買収 |
日本国内における歴史
現在の株式会社クニエ
1997年 | 日本アーンスト&ヤングコンサルティング株式会社設立 |
2000年 | 日本キャップジェミニ・アーンストアンドヤング株式会社に社名変更 |
2004年 | 日本キャップジェミニ株式会社に社名変更 |
2005年 | 日本キャップジェミニ株式会社をNTTデータが買収 |
2005年 | サガティコンサルティング株式会社に社名変更 |
2009年 | NTTデータビジネスコンサルティングとサガティが経営統合し、クニエに改称 |
現在のキャップジェミニ株式会社
2013年 | キャップジェミニ株式会社(Capgemini Japan K.K.)として日本事業開始。 |
2023年 | 日本の株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングを買収 |
2. キャップジェミニの歴史図説(沿革図)
3.グローバルでの歴史
Capgemin(キャップジェミニ)は、現在はIT及び製品開発領域における支援を得意とし、業界としては金融や製造業向けに強みを持つファームとして知られます
1967年にフランスのSerge Kampf(セルジュ・カンプ)が設立した、企業経営やデータ分析を行うSogeti(ソジエッティ)が現在のCapgeminの前身となります。その後CAP、Gemini Computers Systems、DASD Corporationの買収を経て、1996年にグループの再編により社名をCapgeminに変更しています。さらに2000年にはErnst & Young(EY)のコンサルティング部門も買収しています。
欧州のみならず北米での買収により事業拡大を成功させ、有数の大手コンサルティングファームへと成長していきます。以下に近年の買収の一例をご紹介します。
2000年 Ernst & Youngコンサルティング部門の買収
Ernst & Youngのコンサルティング部門を買収し、企業の拡大を図りました。これにより、Capgeminiは世界的に競争力のあるITコンサルティング企業の一つとなりました。
▶▶EYの歴史についてはこちらの記事をお読みください。
2015年 IGATE買収
北米市場強化を図るため、アメリカのITサービス企業であるIGATEを買収しました。
2019年 Altran Technologies買収
エンジニアリングサービス、R&Dサービスに強みを持つフランス大手Altran Technologiesを買収。IT技術や研究開発における知見を拡充し、企業のDX支援を強化しました
4.日本での歴史
日本における同社は、撤退と再参入の歴史があり、二つにわけることができます。
まず、最初に日本で同社の名を冠した法人は、変遷を経て現在では日系の総合系ファームとして知られるクニエとなっています。一方で現在、日本国内において事業を行っているキャップジェミニ株式会社は歴史的にもまだ若く、2013年に再参入した企業となります。
最初に同社の名を冠した法人の始まりは、1997年の日本アーンスト&ヤングコンサルティング設立に遡ります。2000年にグローバルでおきたEYのコンサルティング部門買収に伴い、日本キャップジェミニ・アーンストアンドヤングに社名が変更され、2004年には日本キャップジェミニへと変わります。ところが翌年にはNTTデータにより日本キャップジェミニが買収されたことにより、日本国内での同社の系譜は一旦途絶えることになります。本記事はキャップジェミニの歴史について説明しているので、クニエに至る変遷は割愛します。
現在の国内における同社は、2013年にキャップジェミニ株式会社として設立され日本に再参入した法人格となります。当初は、金融業界向けのサービス提供からコンサルティングをスタートをさせ、現在ではIT領域のコンサルティングを中心に金融と製造業向けに強みを持ちながらコンサルティング支援を行っています。記憶に新しいところでは、2023年にビックツリーテクノロジー&コンサルティングの買収を発表し、さらなる規模拡大が期待されるところとなっています。
4.まとめ
Capgeminiは1967年にフランスを拠点に企業経営とデータの分析を行う企業として創設されましたが、80年代にはアメリカ市場への進出を果たし、90年代にはITコンサルティング分野でリーディングカンパニーとしての地位を確立、2000年にはEYのコンサルティング部門の買収を通じて企業の拡大を図り、その後も積極的な買収や合併を重ねた歴史をご理解いただけたかと思います。また、日本国内では撤退と再参入の歴史があることを初めて認識された方も多かったのではないでしょうか。
現在、世界中に36万人以上の従業員を擁し、世界的なテクノロジーサービス企業として、人工知能、クラウド、IoTなどの先進技術を駆使して、デジタルトランスフォーメーションやクラウドコンピューティングなどの分野で顧客に革新的なソリューションを提供しているキャップジェミニ。歴史の系譜を知ると、今後も買収等の動向が気になるところではないでしょうか。
このシリーズでは、Big4やアクセンチュアの歴史も解説しています。コンサル業界への転職や就職に興味がある方は、ぜひ基礎知識として参考にしてみてください。
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執筆者
- 自動車アフターマーケット業界において約10年間身を置き、店舗経営から事業責任者まで歴任。生まれ持った商売センスで、担当する新規事業を数々収益化に転換。何にでも厳しく熱く部下育成が得意な趣味多き2児のパパ。
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