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そもそもコンサルファームは在宅勤務・リモートワークでこと済むのでは?メリット・デメリットを考察した上で対応策を検討する

そもそもコンサルファームは在宅勤務・リモートワークでこと済むのでは?メリット・デメリットを考察した上で対応策を検討する

リモートワークと相性が良いコンサル業界では、フルリモートも可能なのか?

コロナを経てリモートワークがすっかり定着しましたが、コンサルティング業界においても引き続きリモートワークが標準になっている印象です。そもそもコロナ以前よりリモートワーク推奨日を週1で設定するファームがあったように、コンサル×リモートワークの適合性は良いと思われます。定着していることからメリットの方が総じて大きいというのが結論でしょうか、メリデメと対応策をまとめてみました。

社員目線か企業目線かどの立ち位置で考えるべきか非常に悩んだ本記事ですが、今回は包括的に記載することとします。今回はコンサルファームとしての在宅勤務・テレワークに限定し、一般論は極力割愛します。

(1)コンサルタントとしての5つのメリット(長所)

考察1:生産性を高めるためにも適度に息抜きしている中で、【さぼってる】といわれるリスクが下がる(あいつはいつもトイレに行ってる、と言われない)
考察2:仕事のできるコンサルタントの場合、さっさと仕事を終わらせて暇にしているのがバレず、タスク集中が回避される傾向がある。仕事のできないコンサルタントの面倒を見るストレスから解放される傾向がある
考察3:実りないが参加しなければダメなリモート会議において内職がしやすい
考察4:プロジェクトルームでやりづらい知識吸収(書籍)や別プロジェクトのマネージャ等から振られた仕事や自社業務(採用面接やその評価取りまとめ等)がやりやすい
考察5:仕事の忙しさでごまかしていた家族サービスにもコミットメントできる(はず)
※一般論的な「仕事に集中しやすい」や「メリハリをつけて仕事できる」とかは割愛しております。

(2)コンサルタントとしての5つのデメリット(短所)

考察1:クライアント向け等を主とした高難度な説明・ヒアリング・ネゴシエーションがしづらい
考察2:ホワイトボードコミュニケーションがしづらい、ワークショップ等のアクティビティもやりづらい
考察3:プロジェクトの自身配下のタスク管理・状況が見えづらい(細かく確認するべきメンバに対してのフォロー工数が余計にかかる/評価の適切性の判断も難しくなる)
考察4:(スケジューラーで見える範囲外のところで)上長の空き時間が見えづらく、相談タイミングがつかみづらい
考察5:会社やプロジェクトへの愛着や目的意識を植え付けづらい、併せて人事評価がやりづらい
※一般的な「孤独になりやすい」や「間を読みづらい」といった点は割愛しております。

総じて、仕事のできるコンサルにはメリットが大きい様に思います。一方で若手コンサルや、イマイチコンサルにはデメリットが大きくなる印象です。デメリット要素については、作業環境(ツール等)で一定緩和されますが根本解決は難しく、「必要に応じて出社とする」、「対面Mtgをセットする」といった方法を取るしかありません。

コンサルファームによってはリモートを推奨しておらず自社への出社を基本とするところもあります。どういった意図があるのかは会社によって異なるはずですが、リモートのデメリットが大きすぎると考えているのか、コンサルタントが享受するメリットを看過できない(いくらバリューをだしていても自由過ぎるのはあかんという考え)、はたまた自社のコンサルタントを信用していないのか色々と考えてしまいます。

(3)結論

タイトルにもある「そもそもコンサルファームは在宅勤務・リモートワークで事済むのではないかという点について考える」において、営業(初回挨拶・初回課題抽出・提案)やクライアントを巻き込んでの強力な業務改革(特にチェンジマネジメントを伴うもの)ではオンラインのみで済ますのはどうしてもやりづらさがあると思っております。

最終的に、コロナが発生してからのここ数年を過ごしてみての筆者私見としては、タイトルレンジにもよりますが、8(オンライン):2(オフライン)あたりがちょうどいいのではないでしょうか。タイトルレンジによると書きましたが、アナリストやアソシエイトなどのランクではオフラインメインの方が、成長という観点や帰属意識という観点で良いとの考えです。

昨今クライアントに伴走するコンサルスタイルも数多く、この場合クライアントからすると、「相談したいときにいない」というのは結構なストレスかと思います。クライアント先常駐が復活しているのは当然のことかもしれません。いずれにせよ、クライアントの期待値や満足度も含めよりうまく動いていくのが問われることかと思います。

(4)余談

コンサルに限った話ではないと思いますが、リモートが働き方として浸透した結果、転職活動をする際に出社を一切しないフルリモートを条件にされている候補者の方をたまにお見かけします。Welcomeなコンサルファームもあるにはありますが、筆者の感覚としてフルリモート前提でOKという求人ポジションはなかなかありません。

企業側からすれば、長年在籍していて実績を残している社員であれば、フルリモートを認めることはあるものの、中途で入る人に対しては上述のリモートデメリットを危惧するのは当然です。「必要に応じてプロジェクトメンバーと対面で顔を合わせる、クライアント先に出向くことをしてくれないと」と思うわけです。「柔軟に出社もしますよ」位にアピールしておいた方がbetterかと思います。

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執筆者

大谷内 隆輔
大谷内 隆輔コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長
アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
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執筆者

大谷内 隆輔
大谷内 隆輔コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長
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