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コンサルがきつくてうつ病になりやすい理由と対策|今すぐできるセルフケア

コンサルがきつくてうつ病になりやすい理由と対策|今すぐできるセルフケア

就職先や転職先として根強い人気のコンサル業界。でもメンタルヘルスの維持が難しくなってしまう場合も…。

クライアントの経営支援を担うコンサルタントは、やりがいや華やかなイメージがある一方で、強いプレッシャーや長時間労働によってメンタル不調に陥りやすい職業でもあります。近年、働き方改革やリモートワークの普及により労働環境は改善されていますが、依然としてストレスを抱える人は少なくありません。

この記事では、「もしかしてうつ病かもしれない」と感じているコンサルタントが、自分の状況を見直し、適切な対応を取るためのヒントをご紹介します。

コンサルがうつ病になる6つの理由

1.激務が続く

コンサルタントがうつ病になりやすい背景には「激務」が挙げられます。プロジェクトチームでクライアントの課題解決に取り組む中で、情報収集や分析、資料作成に膨大な時間を費やし、その資料を基にしたミーティングや追加の臨時ミーティングが頻繁に行われます。また、多くのファームでは、アナリストやコンサルタントといったメンバレベルには残業規制がある一方、規制外のMupがメンバのタスクを巻き取らざるを得ないという状況が生じています。その結果、休日も仕事に追われる人が少なくありません。

2.クライアントや上長等からのプレッシャー

クライアントや上長等からのプレッシャーも、メンタルには大きく影響します。コンサルにとってクライアントとの信頼構築は不可欠ですが、常に緊張が伴い、ストレスを感じる場面が少なくありません。意見の対立や現場の理解不足、期待に応えられない場合の批判などがあれば、精神的負担はさらに増大します。近年は「パワハラ」といわれるほどの行為は減ったものの、上司から論理的に詰められ強いプレッシャーがかかる状況は存在します。

3.能力・スキル/上長とのミスマッチ

自身の能力やスキルが求められる水準に達していない場合、以下のような状況に直面しやすくなります。

● 業務の遅れを責められ、細かい進捗状況の報告を求められる
● 努力しても成果が出ず、認めてもらえない

さらに、プロジェクトで上長と相性が合わない場合には、以下のような問題が重なることもあります。

● 遅れを全て自分のせいにされる
● 何か発言するたびに厳しく詰められる

これらが日常化すると、自信を喪失し、適性に対する不安が増幅されます。特に、周囲に優秀な同僚が多い環境では、つい自分と比較してしまいがちです。その結果、コミュニケーションが円滑なチームメンバーとの差を感じることで、メンタルへの負担は一層大きくなるでしょう。

4.希望のプロジェクトにアサインされない

自分が楽しいと思える仕事であれば、長時間の勤務も精神的な負担になりにくいものですが、そうでない場合は大きなストレスを抱えることになります。例えば、戦略立案などの上流工程に携わりたいのにシステム構築などの下流工程を任された場合、資料作成やプレゼン準備に長時間費やす中で、「これが本当に自分のキャリアに役立つのか」や「何のためにやっているのか」と目的が見出せなくなり、精神的な負担を増大させます。

5.孤独を感じやすい

コンサルタントの仕事は、クライアントやチームとの連携が不可欠である一方、多くの時間を個人作業に費やします。また、近年、リモートワークから出社への回帰が進んでいますが、出社したからといって必ずしも孤独感が解消されるわけではありません。というのも、チームメンバー以外との交流は少なく、同じ会社でも誰だか分からない…といったケースもよくあります。さらに、プロジェクトが終わればチームは解散するため、距離感を保った付き合いにとどめる人も多く、ドライな人間関係から孤独を感じることがあるかもしれません。

6.真面目で頑張りすぎる/責任感が強い人が多い

コンサルタントには、真面目で責任感が強い性格の人が多く、これらの特性はコンサルとして重要な要素です。しかし、その強みが裏目に出ることもあります。仕事を頑張りすぎるあまり、自己犠牲やプレッシャーにつながりやすく、限界を超えて無理をしてしまうケースが少なくありません。また、高い目標や期待に応えようとする中で、自己否定感やストレスを抱え込んでしまい、うつ病リスクが高まるといったこともあります。

うつ病かも?コンサルのメンタルセルフチェック

メンタルの不調は、早めに気づいて適切に対処することが重要です。ここでは、よく見られる不調のサインとなる症状をいくつかご紹介します。

✓ 感情が乏しくなる
✓ 常に焦燥感を感じる
✓ いつも発想がネガティブ
✓ 気づくと涙が流れている
✓ 何を食べても味がしない
✓ 音や光が気になる
✓ 人が言っていることが理解できない
✓ おっくうで何日も風呂に入れない

これらの項目は診断を示すものではありませんが、セルフチェックの参考になります。もっと詳しく知りたい方は、国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所のこころの情報サイトもご参照ください。また、心配な場合は、産業医や心療内科、メンタルクリニック等への相談をおすすめします。

コンサルのためのメンタルヘルス対策

コンサルタントがうつ病になる前に、日頃から心掛けておきたい7つのポイントをご紹介します。

適切な休息と睡眠を確保する

長時間労働や不規則な生活はメンタルに大きな負担をかけます。「毎日」と言いたいところですが、プロジェクトの合間だけでも、質の良い睡眠と休息を意識して確保しましょう。

仕事の優先順位とタスク管理を徹底する

過度な業務負荷を避けるため、タスクの優先順位を明確にし、無理のないスケジュールを組むことが大切です。どうしても無理をしなければならない場面では、一人で抱え込まず上司に相談したり、代替策を検討したりする柔軟さも必要です。

こまめにコミュニケーションを取る

孤独感を減らすため、チームメンバーや上司と定期的に情報共有や相談を行いましょう。信頼関係がメンタルの支えになります。また、飲み会やカジュアルな集まりに参加して、チーム外の同僚と交流を深めることで、幅広い人間関係を築くのも効果的です。

限界を認識し、無理をしない

コンサルタントの仕事では、時に厳しいスケジュールや重い責任を伴う場面があります。そのような状況では一時的な負荷を受け入れることも必要ですが、自分の限界を正確に認識し、無理が続かないよう適切に調整することが重要です。必要に応じて上司やチームに相談し、リソースを再配分することで、長期的なパフォーマンスを維持しましょう。

制度を積極的に活用する

リモートワークやフレックス制度など、会社の支援制度を活用して働きやすい環境を整えましょう。主要コンサルファームの福利厚生をまとめたこちらの記事も参考にしてみてください。

自己理解と適性の見直しを行う

自分の得意・不得意や適性を見極め、業務内容やプロジェクトの希望を上司に伝え、できるだけ適した仕事にアサインされるよう努めることも大切です。日頃から上司やチームメンバーとのコミュニケーションを意識しておくと良いでしょう。

限界を感じたコンサルが試すべきステップ

限界を感じたときにアクションを起こすことは、自分を守り、長くキャリアを続けるための賢明な選択です。まずは「今、自分に必要なことは何か」を見つめ直し、適切な行動を取りましょう。

信頼できる上司に相談する

上司が信頼できるなら、まずは相談しましょう。人間関係が原因の場合は、チーム変更や関わり方の調整、話し合いの場の設定を依頼します。その際、自分も改善に向けた行動を心がけることが大切です。それでも改善しなければ上司の介入を求めましょう。仕事内容が合わず精神的に辛い場合は、スケジュール調整や別プロジェクトへの異動を率直に相談してください。

信頼できる友人・知人に相談する

「上司が対応してくれそうもない」「そもそもメンタルにくる原因が上司にある」という場合、信頼できる友人や知人に話を聞いてもらいましょう。第三者の視点から新たな対処法を教えてもらえることもあります。話すことでストレスが軽減され、胸の内を打ち明けたあとは楽しい会話で気分転換も!

公的サービスに相談する

相談できる方が周りにいない場合、外部の公的機関で相談するという方法もあります。厚生労働省では、LINEやFacebookなどのSNSやWebを使い、年齢や性別を問わず相談に応じる機関を紹介しています。これらの機関はさまざまな案件に対応して解決してきた実績があるため、何か良い対策を考えてもらえる可能性が高いでしょう。

参考:厚生労働省「SNS相談」

プロジェクトから離れる

プロジェクトから離れて休養を取ることも重要です。うつ病の兆候がある場合は無理をせず、自分の体調管理を最優先にしましょう。「上司や同僚が頑張っているから、自分の不調を言い出せない」と、周囲への遠慮から不調を隠すと、結果的に大きな迷惑をかけてしまうため、早めに適切な対策を取ることが大切です。

転職を考える

「相談しても解決できない」「もうこの職場では頑張れない」という場合は、早めに転職を考えましょう。また、退職してからゆっくり次の進路を考えるのもよいでしょう。同じコンサル業界でもファームによってカルチャーは様々です。

まずは、コンサルタント専門のキャリア支援サービスに相談してみるとよいでしょう。「TOTAL SUPPORT(トータルサポート)」なら、コンサルタント出身の担当者がご希望をお伺いした上で適性に合ったキャリアをご提案します。

うつ病になりやすい理由を知ってメンタルヘルス対策をしよう

コンサルファームの仕事はハードでストレスが溜まることがあり、人によってはメンタルに影響を受ける場合もあります。うつ病を疑う症状があったらすぐに対策を立てるようにしましょう。どうしても仕事が合わないようであれば、転職するのもひとつの方法です。無理はせず、自分にとって最善の方法を選択しましょう。

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執筆者

白木 美智子コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルティングカンパニー 営業
大手製鉄所協力会社の営業職、経理総務職を経験。別事業会社では採用マネージャーとして新卒および中途採用業務などを経験。
コダワリ・ビジネス・コンサルティングへ入社後は営業メンバとして現場を経験し、現在は営業部長として従事している。
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白木 美智子コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルティングカンパニー 営業
大手製鉄所協力会社の営業職、経理総務職を経験。別事業会社では採用マネージャーとして新卒および中途採用業務などを経験。
コダワリ・ビジネス・コンサルティングへ入社後は営業メンバとして現場を経験し、現在は営業部長として従事している。

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