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フリーランスのコンサルタントになるために知っておきたい年収や案件内容
フリーランスのコンサルタントは高単価?気になる年収や安定性を解説
クライアントに請求する高額なコンサルティングフィーを見て、独立を意識するコンサルタントは多いのではないでしょうか。実際にフリーランスで案件に参画した場合の年収や、具体的な案件の内容はどのようなものでしょうか。本記事では、Big4やアクセンチュア等大手コンサルファームから独立し、フリーランスとして案件に参画した場合の想定年収について解説します。
目次
フリーランスコンサルタントの役職別の想定単価
アナリストレベル | 経験年数2年以上レベル | 単価70~120万円 |
コンサルタントレベル | 経験年数3年以上レベル | 単価100~150万円 |
マネージャレベル | 経験年数6年以上レベル | 単価150万円~ |
シニマネレベル | 経験年数9年以上レベル | 単価180万円~ |
パートナー・MD・ディレクターレベル | 経験年数12年以上レベル | 単価250万円~ |
案件紹介サービスやこれまでのコネクションでコンサル案件に参画するなど、いわゆる外注ケースの単価例です。ただし、スキル等によってマチマチですので、一概に言えるものでもありませんし、保証できるものでもないことはご理解の上お読みください。
もっとも、高額案件に上手くアサインされればこの限りではありません。特にSAP人材は跳ね上がっているため、上記の年収×1.2程度が見込まれます。また、グローバル案件も増えているため、英語ができる方も単価が上がる傾向にあります。
弊社(コダワリ・ビジネス・コンサルティング)でも、シニアマネージャクラスで250万円のケースもあれば、逆に150万円程度で入ってもらっているケース(案件難易度や未経験領域への参画、クライアント予算都合等)もあります。
なお、パートナーレンジも記載はしているものの、このレベルの業務を外注することは実態としてはあまりありません。
フリーランスコンサルタントの役職別の想定年収
上記に基づいて、年間でのアベイラビリティを2ヵ月(83%稼働)として算出。併せてフル稼働の場合の想定年収も記載しました。(レンジ毎の単価平均値を採用)
アナリストレベル | 年収850万円(フル稼働:年収1,020万円) |
コンサルタントレベル | 年収1,250万円(フル稼働:年収1,500万円) |
マネージャレベル | 年収1,500万円(フル稼働:年収1,800万円) |
シニマネレベル | 年収1,800万円(フル稼働:年収2,160万円) |
パートナー・MD・ディレクターレベル | 年収2,500万円(フル稼働:年収3,000万円) |
狙ったわけでもないのに、シニアマネージャアッパーはファームの給料レンジに近いような気がします。ただし、パートナー以上になるとインセンティブ等が出てくるため、ファームのほうが結果的に収入は高いと思われます。もっともこのレンジになってくると、単価もあってないようなものなので、適宜ご相談させていただいているのが実態です。
逆にアナリストやマネージャレベルだと、フリーランスのほうが手取りも良いものの、フリーランスとしてのリスクがあるため(案件が無い際の収入が0、支払いサイトが1ヵ月以上先など)、この点は評価しづらいところです。
また注意したいのが、同じ給与でも会社員かフリーランスかによって手取り額に差が出てしまう点です。仮に年収(売上)1,500万円のケースで試算してみると以下のようになります。
■年収(売上)1,500万円のケース
コンサルファーム勤務 | フリーコンサル | |
年収(売上)額面 | 1,500万円 | 1,500万円 |
税金 | 約334万円 | 約476.5万円 |
社会保険 | 約148.8万円 | 約84万円 |
手取り額 | 約1017.2万円 | 約939.5万円 |
会社員であってもフリーランスであっても所得税と住民税を納めなくてはならないのは共通していますが、フリーランスの場合は追加で個人事業税※と消費税※を支払わなければなりません。
※売上金額等の適用条件があります。
また、社会保障の支払いに関しては会社員の場合、厚生年金保険と健康保険は会社と折半、雇用保険は会社が会社員より多く負担、労災保険は会社が全額負担と会社からのサポートが充実しています。しかし、フリーランスの場合では国民健康保険、国民年金保険、介護保険の保険料を全額自己負担で支払わなければなりません。
このように、同じ年収であっても納税額が異なるため手取り額に差が出てしまいます。どのくらいの差が生じるのかは給与レンジにもよるため、詳しくは以下の記事をご確認ください。
そもそもフリーランスコンサルタントになるには?
そもそもフリーランスコンサルタントになるには、どうしたらいいのでしょうか。
フリーランスのコンサルタントとして生きるということは、参画した案件ではチームメンバーとともに仕事をするものの、個人単位で仕事を請け、自分の責任で仕事を回すということです。
独立を決めたなら、あらかじめコミュニティを広げておくことが大切です。最初は勤務していたコンサルファームの人脈を活用するのが、もっともやりやすいでしょう。
しかし、広い人脈を持っていなくても案件獲得は可能です。コンサル案件の紹介サービスに登録すれば自身のキャリアやスキルに合った案件を選ぶことができます。また、多忙を極めるコンサルタントにとってタイムマネジメントも重要なスキルの一つ。案件獲得までの手間や時間を省けることも、紹介サービス活用のメリットです。
また、事業会社での経験を活かし、コンサルタントとして独立を目指すケースもよくあります。例えば、SIerでのSE経験を活かしてフリーランスのコンサルタントになる場合は、総合系やIT系などのコンサルティングファームへの転職というステップを踏んだ後に独立するルートが一般的です。未経験でコンサル会社へ転職する方法について、詳しくはこちらのページをチェックしてみてください。
フリーランスは、経理面のやりくりも自分で管理する必要があります。クラウドサービスを利用したり、専門家にサポートを依頼したりして、経理体制を整えましょう。
そして、フリーランスになるための法的な手続きも忘れてはいけません。各種税金や社会保険の申請を行わなければ、うっかり法令違反をしてしまったなんて事態になりかねません。
フリーランスとして独立するために必要な手続きについては、こちらのページにまとめています。
フリーランスコンサルタントのメリット
まず、コンサルファームからフリーランスとして独立した場合、コンサルタントレベルやマネージャレベルであれば月収が大きくアップすることが期待できます。
例えば、ファーム勤務の場合は案件の単価にかかわらず、基本的に受け取る給与は毎月固定ですが、コンサルファームが月300万円ほどで受注している案件をフリーランスとして引き受ける場合、月140万円~180万円ほどが収入になります。
このように身入りがよくなるのが、最大のメリットです。ただし、ここから国民保険料(社会保険料)や所得税等が差し引かれるため、その点はご注意ください。
さらにフリーランスになると、どのプロジェクトに参画するか、自由に選ぶことができます。スケジュールの組み方も自分次第のため好きなタイミングで休めるのもメリットでしょう。収入が高くなることが多いため「半年稼働し、半年休む」というライフスタイルを作ることも可能です。
フリーランスコンサルタントのデメリット
一方、デメリットはどうでしょうか。
まず挙げられるのが、不安定な収入のリスクです。スキルが低いままでフリーランスになれば、当然、単価は低く提示されます。また、これまでのアベイラブル期間が長かったり、アサイン期間が短かったりする場合も同様です。
たとえ初回契約時の単価が高くても、結果次第では更新(継続)時に下げられることもあるほか、パフォーマンスがよくても不景気でアベイラブルになることもあり、最悪の場合、収入がゼロになるリスクもあります。
また、プロジェクトや案件を選べるからといって、過度に選り好みするのも危険です。選り好みしすぎると、エージェント間で悪い噂がたってしまうこともあり得ます。
例えば、何件もの案件に対して平行でアプライし、全ての結果が出てから比較検討して決めようとする様なケースです。エージェントサイドとしては、クライアント側からOKをもらっても、保留にせざるを得ず、あげく最後は辞退となってしまうとクライアントとの関係に影響が出てしまいます。
信頼・人脈をこれまで以上に意識しなくては、思わぬしっぺ返しを受ける可能性があることを念頭に置いておかなければなりません。
独立前に知っておきたいフリーランスのコンサルタントになるメリットとデメリットは、こちらの記事で詳しく解説しています。
フリーランスコンサルタントの仕事内容や案件例
フリーランスコンサルタントになった場合、実際にどのような仕事内容を、どのくらいの契約期間で行なうことになるのでしょうか。実際の例をあげながら紹介していきます。
デジタル化を支援するITコンサル
既存のシステムをデジタル化するにあたって、業務支援を行うITコンサルの案件です。
まずはデジタル系の要件定義のために、顧客とやり取りをします。要件定義までは出張ベースですが、その後の業務は、リモートワークを基本として作業可能です。システム・業務に関するデジタル化支援の経験や、PMO、PMOサポートの経験が求められます。稼働期間は、9カ月です。
大手電機メーカーの営業を支援する業務コンサル
大手電機メーカーにおける業務コンサルの案件です。
IFRS対応(収益認識基準)による新制度適用後の改善フェーズとして、業務改革を求めています。営業プロセスの業務効率およびデータ精度の向上を支援する業務です。コンサルタントとしてのベーススキルが求められ、さらに営業領域(CRM含む)の経験、会計制度対応の経験があるとより良いでしょう。稼働期間は、6カ月です。
PLSQLの開発経験を活かしたPMO支援
PMO支援です。
ベンダーが作成した資料をユーザー向けに作成するための支援や、ベンダーの進捗管理、課題管理を行います。パッチが適切にあたっているかの確認後、パッチで適用できないところには、調査、修正作業も一部発生します。パワーポイントでの資料作成経験、ベンダーコントロール、進捗管理の経験のほか、PLSQLの開発経験も求められます。稼働期間は、6カ月です。
上記のような案件は、コンサルパートナーズで紹介可能です。以下サイトで最新の案件情報を見ることができます。
フリーのコンサルタントの案件等をご支援 | コンサルパートナーズ
~コラム~「単価の最大化と安定化」
単価を最大化させるには、クライアントとの直取引が早いです。
ただし、強みや人脈が無い場合、単価交渉力といった点での優位性があるかと言うとそう言えませんし、自分で案件を取りに行くと当然、受注できるか分からないものに対する営業コスト(期間)が掛かってくるため、数か月無給という事態も考えられます。
これは、弊社も約15年前の起業当初はそうなり、苦労しておりました。ここら辺はフリーランスのコンサルタントとなるか、法人化してブティック系コンサルを立ち上げるかで話は大分違い、別途記事を書きたいと思っております。
次に安定・単価に重要な点として、年齢が50歳ぐらいをピークに単価は下がる傾向があります。無論下がらない人材もおり、この手の人材はニーズのある専門性(かつ市場としてブルーオーシャンな人材)に長けていることが大きいです。
例えば、○○業界における多大な事業開発・再生経験や、製造業種におけるグローバルでのPLM導入経験や、大規模SAPの統括経験やそのスキルといったところが挙げられます。
また、この50歳以上になってくると、紹介会社の営業にも寄せられる質問・指摘が、「手が動くのか?」や「我が強すぎないか?」や「年齢がいっているので…」といったところです。年齢は周りのメンバーとの兼ね合いを考慮されてしまうのが実態ですが、安定というキーワードはフリーランスコンサルタントにとって死活問題のため、記載しました。
なお、これまでの記事でも案件獲得を安定化させるための記事は書いておりますので、お時間ある方はこちらご参照ください。
フリーランスコンサルタントになる人のキャリアパスの傾向
フリーランスになることを検討する中で、様々な選択肢で迷うかも知れません。
「もう1社ファームを経験するべきか」「経験するなら、大手ファームかブティック系か」「事業会社の経営企画やメガベンチャーも経験しておくべきか」
実際、どんなキャリアパスの人が、フリーランスのコンサルタントになっているのでしょうか。
フリーランスとして独立する人の年齢層は20代後半~30代前半、大手ファームを2~3社経験というキャリアの方が多いようです。なお、20代後半での独立が増加傾向にありますが、経験が浅いうちに独立してスキルが追いつかず苦しい思いをするケースもよくあります。
また、ITコンサルの場合は、大手SIerでSEとしてキャリアを積んだ後、ファームを経てフリーランスになるという経歴が典型的です。
フリーランスになる動機はそれぞれですが、キャリア・スキルアップに高い意欲を持っている方が多く見られます。例えば、大手ファームでは、担当セクションが細かく分かれており、ある程度今後のキャリアが見通せます。「この先も同業界のクライアントだけを見て、業務内容もほとんど変わらないのでは」といった不安を感じる中で、様々な案件に参画できるフリーランスに魅力を感じるようです。
特に昨今では、働き方改革により勤務時間が制限されており、ファームでの成長機会が減っているのが現実です。そこで、副業としてフリーランス案件に参画し得意領域を広げてから、ファームの枠を出てフリーランスにチャレンジされる方もいます。
また、コロナ禍によるリモートワークの浸透も、フリーランスの増加を後押ししました。フルリモート案件やハイブリッド(週2~3出社とリモート併用)案件が増えたことで、ライフステージに合わせた働き方を実現する方も多くなりました。
フリーランスコンサルタントとして活動する上での注意点
高単価で攻めすぎると、入った後に期待値・ロールが高すぎて、長続きしないというケースが良く見受けられます。
特に最近は人材不足から、背伸びしたロール案件(高単価)への参画ハードルが数年前に比べても低くなっているのも事実ですが、案件参画後のパフォーマンスには、依然シビアです。
狭い世界で良くない評判が立ってしまうことを避けるためにも、自身のマインドやスキルセットに合致した案件に参画し、クライアント・ご自身双方にとって最適な稼働を心がけていただければ幸いです。
まとめ
フリーランスコンサルタントは月収が大きくアップする可能性を秘めている反面、収入が不安定になるリスクを抱えています。収入がゼロになるリスクもあるため、自身でスキルアップを欠かさず、クライアントにとって魅力的なコンサルタントとして映るように、一層の努力と工夫が必要でしょう。
案件の獲得にエネルギーを割きたくない場合や、人脈が頼るのが難しいという場合には、エージェントや案件紹介サービスの利用がおすすめです。ぜひ検討してみてください。
▶▶▶お問い合わせはこちらからお気軽に。
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執筆者
- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
著書紹介
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執筆者
- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。