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コンサルティングファームの売上と利益ランキング |NRIやシグマクシスなど上場ファームの決算状況(2024年版)

コンサルティングファームの売上と利益ランキング |NRIやシグマクシスなど上場ファームの決算状況(2024年版)

上場ファームの最新通期IR情報からコンサル業界トレンドを考察。売上高ランキングもまとめています。

日本国内で上場しているコンサルティングファームの最新の通期決算情報をもとに、売上や利益及び成長率からコンサルティング業界の状況を考察します。「国内ファームの売上ランキング」記事は毎年度まとめており、今回は2024年度版を公開します。

戦略、ビジネス、IT、リサーチ、事業再生、FASの各領域に渡って上場しているコンサルファームはありますが、やはり拡大傾向が強いIT領域を手掛けるファームが多くなっております。なお、本記事では、カオスマップ記事に掲載のファーム各社の中で上場しているファームを取り上げておりますが、決算情報においてコンサルティング事業として切り出して数字を公開していない会社は載せておりません。

*本記事は2024年6月に公開したものとなりますが、2024年11月に、三菱総合研究所及びイントループの2024年期の決算情報を反映させリライトしております。

今回取り上げた各社の状況を見てみると多くの会社が二桁増の増収増益を示しており、コンサルティングに係るセグメントに関しても成長を続け、コンサルティングビジネスが引き続き堅調に伸びていることが表れています。

対前年マイナス成長の数字を示す会社もありますが、投資事業の影響による減収や、株式売却等による一時的な要因によるものとなっており、コンサルティング自体は堅調であることがうかがえます。また、決算書を読み込んでも各社必ずDX(デジタルトランスフォーメーション)については言及をしており、DX支援などがファームの成長における最大要因になっていることは間違いなさそうです。

<図1>2024年 各社年次決算売上高と昨対比増減率

各社の決算情報を基にグラフ化しております。

連結決算売上は、各社が発表しているコンサルティングセグメントとそれ以外のセグメントに構成を分けております。また、昨対比増減率については、連結決算売上高のものとしております。

<表1> 最新通期決算
会社全体売上高順に掲載。数値における上段は、会社全体としての数値表記となります。下段括弧書きは、発表している会社のみとなりますが、コンサルティング事業のみの数値表記となっております。
*単位百万円 *%は前年比 

社名 売上 営業利益 経常利益
株式会社野村総合研究所(NRI) 
2024年3月期(2024年4月25日発表) 
736,556 
(53,690)

120,411 
(13,929) 

117,224 
(NA) 

6.4%
(12.3%)
7.7%
(13.0%)
8.0%
(NA)
 株式会社電通総研
2023年12月期(2024年2月14日発表) 

142,608 
(86,11) 

21,028 
(NA) 

21,244 
(NA) 

10.5% 
(16.1%) 
13.1% 
(NA) 
15.7% 
(NA) 
株式会社三菱総合研究所(MRI)
2024年9月期(2024年10月30日発表) 

115,362
(45,419)

7,060
(3,402

8,147
(4,237)

△5.5%
(△10.0%
△18.7%
(△1.2%)
△18.5%
(△4.3%)
株式会社ベイカレント・コンサルティング
2024年2月期(2023年4月12日発表)
93,909 34,219  34,160 
23.4% 14.4% 14.3%
フューチャー株式会社
2023年12月期(2024年2月6日発表) 

59,324
(50,817)

13,700
(13,705) 

14,087 
(NA)

10.4%
(11.5%) 
12.1%
(6.2%)
12.1% 
(NA) 
シンプレックス・ホールディングス株式会社 
2024年3月期(2024年4月25日発表)
40,708 
(4,206)
8,850 
(NA) 
8,744
(NA) 
16.5% 
(93.7%)
18.8% 
(NA) 
19.8% 
(NA) 
株式会社ビジネスブレイン太田昭和(BBS) 
2024年3月期(2024年5月8日発表)
34,218 
(25,876)
20,697 
(NA
20,582 
(NA) 
△7.7% 
(NA
545.2% 
(NA) 
535.0% 
(NA) 
株式会社船井総研ホールディングス 
2023年12月期(2024年2月8日発表) 
28,238
(20,284)
7,247
(6,757)
7,343
(NA)
10.2%
(11.0%) 
2.1%
(8.3%) 
2.0%
(NA) 
INTLOOP株式会社
2024年7月期(2024年9月13日発表)
27,077 1,506 1,535
51.9% 36.3% 38.7%
株式会社シグマクシス・ホールディングス (SX) 
2024年3月期(2024年5月8日発表) 
 
22,410
(22,204) 
4,232 
(NA) 
4,338
(NA)
29.3% 
(28.6%) 
30.8%
 (NA)
32.9%
(NA)
山田コンサルティンググループ株式会社
2024年3月期(2024年5月8日発表) 
22,177
(17,370)
3,662
(2,959)
3,724
(NA)
34.8%
(8.1%)
27.5%
(5.2%)
27.5%
(NA)
YCPホールディングス(グローバル)リミテッド 
2023年12月期(2024年2月14日発表) 
17,271
(6,283)
1,293
(1,261) 
1,267
(NA) 
42.3% 
(NA) 
△27.8%
(NA) 
△27.6%
(NA) 
株式会社コアコンセプト・テクノロジー 
2023年12月期(2024年2月13日発表) 

15,921

1,744

1,765

31.4% 55.6% 54.9%
株式会社タナベコンサルティンググループ 
2024年3月期(2024年5月13日発表) 
12,739 1,009 1,012
8.3%  △12.3%  △12.9% 
株式会社エル・ティー・エス(LTS) 
2023年12月期(2024年2月13日発表) 

12,242
(10,979) 

717
(652) 

753
(NA) 

27.0%
(29.5%) 
43.0%
(34.8%) 
53.9%
(NA) 
フロンティア・マネジメント株式会社 
2023年12月期(2024年2月14日発表) 

10,025 

1,251

1,238

26.6 %  37.8%  34.4%
株式会社ドリームインキュベータ (DI) 
2024年3月期(2024年5月13日発表) 
5,378 
(5,034) 
△1,966
(955

△1,992
(NA)

△82.2%
(31.1%)
NA
(NA)
NA
(NA)

*野村総合研究所、ベイカレント、ビジネスブレイン太田昭和、シンプレックス、YCPについては、経常利益の項目は税引き前利益となっています。 
*株式会社電通総研のコンサルティング事業の数値は、決算補足資料におけるサービス品目別連結売上高に記載のある、コンサルティングサービスの数値としております。 
*YCPに関しては、連結財務書類は米ドルで表示されています。円で表示している金額は、決算短信に記載の通りとし、2023年12月29日現在の株式会社みずほ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値に基づき1米ドル=141.82円で換算された金額
*YCPのコンサルティング事業はマネジメントサービス事業
*ドリームインキュベータのコンサルティング事業はビジネスプロデュース事業

各社経営成績概

一部抜粋する形でいくつかの会社のコンサルティングセグメントの概況を決算短信から抜粋引用し、ご紹介します。

株式会社野村総合研究所(NRI)

顧客のDXを支援するコンサルティングを強化し、顧客ニーズへの的確な対応に努めています。また、実行支援型コンサルティングサービスの提供により顧客の変革を継続的に支援するとともに、コンサル ティングとITソリューションの連携をさらに強化することで事業領域の拡大を目指しています。加えて、脱炭素等の社会課題の解決や生成AIに関する新たなコンサルティングサービスの創出に向けた取組みを推進しています。 当年度の売上収益は、DX関連や公共案件を中心に国内事業が好調であったことにより、53,690百万円(前年度 比12.3%増)となりました。営業利益は、良好な受注環境を背景に収益性が向上し、13,929百万円(同13.0%増)となりました。

株式会社三菱総合研究所(MRI)

当連結会計年度は、官公庁のアナログ規制見直しやデジタル化関連案件、エネルギー・運輸関連の民間企業向けのシステム、事業戦略支援関連業務等が貢献し、売上高(外部売上高)は45,419百万円(前年度比10.0%減)となりました。前期比減収は前連結会計年度に計上した複数の通信関連の大型実証案件等の終了によるものですが、減収による利益影響は限定的でした。経常利益は、持分法による投資利益(営業外収益)の減少により4,237百万円(同4.3%減)となりました。

株式会社ベイカレント・コンサルティング

当社は当事業年度も引き続き優秀な人材の積極採用を行い、その結果、期末時点におけるコンサルタント数は3,837名(対前年29.6%増)となりました。また、クライアントの経営課題を解決するコンサルティングサービスや、DX領域を中心に事業企画から実装まで包括的に支援するプロジェクトの実績を積み上げ、稼働率(注)は年間を通じて平均80%台後半で推移し、コンサルティングフィーの水準は前年同水準となりました。 この結果、当事業年度における売上収益は前年同期比23.4%の増収、営業利益は前年同期比14.4%の増益となりました。

株式会社ドリーム・インキュベータ(DI)

クライアントの事業創造ニーズの高まりに加え、積極的なマーケティング活動に取り組んだ結果、新規プロジェクトの受注高は引き続き伸長しております。一方で、新プラクティスの立ち上げなどの業容拡大に対応するため採用を積極化したことにより人件費等も増加いたしました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は5,034百万円(前年同期は3,838百万円)で、セグメント利益(営業利 益)は955百万円(前年同期は1,314百万円)となりました。

株式会社シグマクシス・ホールディングス(SX)

コンサルティング事業の当連結会計年度の業績は、売上高22,203,735千円(前連結会計年度比28.6%増)、セグメント利益6,109,964千円(前連結会計年度比21.4%増)となりました。産業別では運輸、金融、情報通信、商社、小売、製造業を中心とした顧客への基幹システムのSaaS化支援、デジタル・トランスフォーメーション推進支援、新規サービス立上げ支援、各種規制対応支援などのプロジェクトが事業を牽引しました。 人財採用につきましては、当連結会計年度において経験者73名、新卒61名が入社しました。新卒社員は10月から稼働を開始しております。2024年3月末時点のコンサルタント数は571名となっております。プロジェクト満足度は93ポイントと高い水準を維持しております。

最後に、数値表記等含めまして細心の注意を払っておりますが、間違い等ございましたらお手数をお掛けしますが、ご指摘のほどお願い致します。

【典拠】 

◆株式会社野村総合研究所 2024年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
◆株式会社電通総研 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆株式会社三菱総合研究所 2024年9月期決算短信〔日本基準〕(連結)
◆株式会社ベイカレント・コンサルティング 2024年2月期 決算短信〔IFRS〕(非連結)
◆フューチャー株式会社 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 決算説明会プレゼンテーション資料
◆株式会社ビジネスブレイン太田昭和 2024年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
◆シンプレクス・ホールディングス株式会社 2024年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結
◆株式会社ドリームインキュベータ 2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆株式会社船井総研ホールディングス 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 
◆株式会社シグマクシス・ホールディングス 2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 
◆山田コンサルティンググループ株式会社 2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 
◆INTLOOP株式会社 2024年7月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆株式会社コアコンセプト・テクノロジー 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 
◆株式会社タナベコンサルティンググループ 2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 
◆YCPホールディングス(グローバル)リミテッド 2023年12月期 決算短信〔SFRS(I)及びIFRS〕(連結)
◆株式会社エル・ティー・エス 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 
◆フロンティア・マネジメント株式会社 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 

執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。

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