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コンサルティングファームの売上と利益ランキング |NRIやシグマクシスなど上場ファームの決算状況(2025年版)

コンサルティングファームの売上と利益ランキング |NRIやシグマクシスなど上場ファームの決算状況(2025年版)

上場ファームの最新通期IR情報からコンサル業界トレンドを考察。売上高ランキングもまとめています。

日本国内で上場しているコンサルティングファームの最新の通期決算情報をもとに、売上や利益、及び成長率からコンサルティング業界の状況を考察します。「国内ファームの売上ランキング」記事は毎年度まとめており、今回は2025年度版を公開します。戦略、ビジネス、IT、リサーチ、事業再生、FASの各領域に渡って上場しているコンサルファームはありますが、伸び率をみると、IT領域を中心に事業を展開しているファームが高い成長率を示しています。

今回取り上げた各社の状況を見てみると、2025年度も多くの会社が二桁成長の増収増益を示しており、引き続きコンサルティングセグメントが堅調に拡大していることがうかがえます。 一方で、業績が前年を下回る企業は三菱総合研究所(MRI)とフロンティア・マネジメントの2社確認されましたが、前社は大型の実証案件が終了したこと、後者はM&A事業の不振といった一時的・特定事業領域に起因しています。

こうした点を踏まえる、コンサルティング事業自体は総じて安定した成長を維持しているといえます。

また、決算書を読み込むと生成AIについて言及をしているファームが多く、コンサルティング業界においても生成AIが与える影響は大きいことは間違いなさそうです。

<図1>2025年 各社年次決算売上高と昨対比増減率
各社の決算情報を基にグラフ化しております。
連結決算売上は、各社が発表しているコンサルティングセグメントとそれ以外のセグメントに構成を分けております。また、昨対比増減率については、連結決算売上高のものとしております。

<表1> 最新通期決算
会社全体売上高順に掲載。数値における上段は、会社全体としての数値表記となります。下段括弧書きは、発表している会社のみとなりますが、コンサルティング事業のみの数値表記となっております。
*単位百万円 *%は前年比 

社名 売上 営業利益 経常利益
株式会社野村総合研究所(NRI) 
2025年3月期(2025年4月24日発表)  
764,813 
 (65,376)

134,907 
(18,398)

134,161 
(NA) 

3.8%
(19.2%)
12.0%
32.1%)
14.4%
(NA)
 株式会社電通総研
2024年12月期(2025年2月12日発表)

152,642 
(10,480) 

21,039
(NA) 

21,093  
(NA) 

7.0% 
(21.7%) 
0.1% 
(NA) 
△0.7%  
(NA) 
株式会社ベイカレント
2025年2月期(2025年4月10日発表) 

116,056

42,615

42,546

23.6% 24.5% 24.5%

株式会社三菱総合研究所
2024年9月期(2024年10月30日発表)

115,362
(45,419)
7,060
(NA) 
8,147
(4,237)
△5.5%
(△10.0%)
△18.7%
(NA)
△18.5%
(△4.3%)
フューチャー株式会社
2024年12月期(2025年2月4日発表) 

69,878
(60,881)

14,667
(14,538)

14,951  
(NA)

17.8%
(19.8%) 
7.1%
(6.1%) 
6.1% 
(NA) 
シンプレクス・ホールディングス株式会社 
2025年3月期(2025年4月30日発表) 
47,394
(7,510) 
10,804 
(NA) 
10,729
(NA) 
16.4% 
 (78.6%) 
22.1% 
(NA) 
22.7% 
(NA) 
株式会社ビジネスブレイン太田昭和(BBS) 
2025年3月期(2025年5月13日発表) 
38,804 
(27,705) 
2,872  
(NA
3,352  
(NA) 
13.4% 
 (7.1%) 
△86.1% 
(NA) 
△83.7% 
(NA) 
株式会社船井総研ホールディングス 
2024年12月期(2025年2月7日発表) 
30,645
(22,375) 
8,324
(7,508) 
8,411
(NA)
8.5%
 (10.3%) 
14.9%
 (11.1%)
14.5%
(NA) 
INTLOOP株式会社
2024年7月期(2024年9月13日発表)
27,077 1,506 1,535
51.9% 36.3% 38.7%
株式会社シグマクシス・ホールディングス (SX) 
2025年3月期(2025年5月8日発表)  
 
26,293
(26,209) 
5,638  
(NA) 
5,876
(NA)
17.3% 
(18.0%) 
33.2%
 (NA)
35.5% 
(NA)
山田コンサルティンググループ株式会社
2025年3月期(2024年5月8日発表) 
22,761 
(20,356) 
 4,132
(3,177) 
4,099
(NA)
2.6% 
(17.1%) 
12.8% 
(7.3%) 
10.0% 
(NA)
株式会社コアコンセプト・テクノロジー 
2024年12月期(2025年2月13日発表)  
19,166
2,007
2,046
20.4%
15.1%  15.9%
株式会社エル・ティー・エス(LTS)
2024年12月期(2025年2月13日発表) 

16,592
(14,883) 

1,107
(1,031) 

1,069
(NA)

35.5%
(35.6%)
55.5%
(59.3%)
42.8%
(NA) 
株式会社タナベコンサルティンググループ 
2025年3月期(2025年5月14日発表)  
14,543 1,500 1,589
14.2% 48.6%  56.9%
YCPホールディングス(グローバル)リミテッド 
2024年12月期(2025年2月14日発表)

13,648
(6,383)  

56
(NA)

△13
(NA) 

2.0% 
(NA)
△94.3%
(NA) 
NA
(NA) 
フロンティア・マネジメント株式会社 
2024年12月期(2025年2月13日発表)  

9,265
(9,174) 

△632
(NA)

△710
(NA)

△7.6%
(△8.3%)
NA
(NA) 
NA
(NA)
株式会社ドリームインキュベータ (DI) 
2025年3月期(2025年5月15日発表) 
6,183  
(5,455)
257
(1,054) 

297
(NA)

15.0% 
(NA) 
NA
(NA)
NA
(NA)

*野村総合研究所、ベイカレント、ビジネスブレイン太田昭和、シンプレクス、YCPについては、経常利益の項目は税引き前利益となっています。 
*株式会社電通総研のコンサルティング事業の数値は、決算補足資料におけるサービス品目別連結売上高に記載のある、コンサルティングサービスの数値としております。 
*YCPに関しては、連結財務書類は米ドルで表示されています。円で表示している金額は、決算短信に記載の通りとし、2024年12月30日現在の株式会社みずほ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値に基づき1米ドル=158.17円で換算された金額
*YCPのコンサルティング事業はマネジメントサービス事業としてカウントしております。

各社経営成績概況

一部抜粋する形でいくつかの会社のコンサルティングセグメントの概況を決算短信から抜粋引用し、ご紹介します。

株式会社野村総合研究所(NRI)

顧客のDXを支援するコンサルティングを強化し、顧客ニーズへの的確な対応に努めています。また、実行支援型コンサルティングサービスの提供により顧客の変革を継続的に支援するとともに、コンサルティングとITソリューションの連携をさらに強化することで事業領域の拡大を目指しています。加えて、脱炭素 やリスキリング等の社会課題の解決や生成AIに関する新たなコンサルティングサービスの創出に向けた取組みを 推進しています。 当年度の売上収益は、公共、民間向けともに案件活況であったことにより、65,376百万円(前年度比19.2%増)と なりました。営業利益は、良好な受注環境を背景に収益性が向上し、18,398百万円(同32.1%増)となりました

株式会社ベイカレント

当連結会計年度においては優秀な人材の採用・育成、コアクライアント戦略の推進、クライアントの経営課題を多面的に解決するサービスの強化を実施してまいりました。 以上の結果、当連結会計年度において、売上収益は前年同期に比べ23.6%の増収、EBITDAは前年同期に比べ 23.2%の増益、EBITDAマージンは計画の範囲内である37.5%となりました。

株式会社ドリーム・インキュベータ(DI)

クライアントの事業創造ニーズの高まりに加え、積極的なマーケティング活動に取り組んだ結果、顧客の裾野拡大は順調に進んでおります。これらを下期以降の受注拡大につなげることができ、売上高の伸長は業容拡大に伴う費用増加を上回る結果となりました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は5,455百万円(前年同期は5,034百万円)、セグメント利益(営業利益)は1,054百万円(前年同期は955百万円)となりました。

株式会社シグマクシス・ホールディングス(SX)

当連結会計年度の業績は、顧客の旺盛な需要を背景に売上高26,209,427千円(前連結会 計年度比18.0%増)、セグメント利益7,728,562千円(前連結会計年度比26.5%増)となりました。産業別では運輸、金融、情報通信、小売、商社、製造業を中心とした顧客への基幹システムのSaaS化支援、デジタル・トランス フォーメーション推進支援、新規サービス立上げ支援、各種規制対応支援などのプロジェクトが事業を牽引しました。プロジェクト満足度は97ポイントと高い水準を維持しております。

最後に、数値表記等含めまして細心の注意を払っておりますが、間違い等ございましたらお手数をお掛けしますが、ご指摘のほどお願い致します。

【典拠】 
◆株式会社野村総合研究所 2025年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
◆株式会社電通総研 2024年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) /決算短信説明資料
◆株式会社三菱総合研究所 2024年9月期決算短信〔日本基準〕(連結)
◆株式会社ベイカレント 2025年2月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
◆フューチャー株式会社 2024年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)決算説明会プレゼンテーション資料
◆株式会社ビジネスブレイン太田昭和 2025年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
◆シンプレクス・ホールディングス株式会社 2025年3月期 決算説明会資料
◆株式会社ドリームインキュベータ 2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆株式会社船井総研ホールディングス 2024年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆株式会社シグマクシス・ホールディングス 2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆山田コンサルティンググループ株式会社 2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)  
◆INTLOOP株式会社 2024年7月期 決算短信〔日本基準〕(連結)/2024年7月期 決算短信説明資料
◆株式会社コアコンセプト・テクノロジー 2024年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆株式会社タナベコンサルティンググループ 2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 
◆YCPホールディングス(グローバル)リミテッド 2024年12月期 決算短信〔SFRS(I)及びIFRS〕(連結)
◆株式会社エル・ティー・エス 2024年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
◆フロンティア・マネジメント株式会社 2024年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 

執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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執筆者

山中 悠太郎
山中 悠太郎コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルキャリアカンパニー
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。

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