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コンサル業界、なぜ横文字だらけなのか?|ビジネス語彙力を高める用語集

コンサル業界、なぜ横文字だらけなのか?|ビジネス語彙力を高める用語集

コンサル業界に横文字が飛び交っている理由は?海外出身の若手コンサルが業界用語を解説

当メディアの運営企業で活躍する外国籍の若手コンサルが、コンサル業界特有のカタカナ語について考察しました。日本語堪能な彼女が現場で出会った単語とは?広くビジネスで使える単語からコンサル特有の業界用語まで、フレッシュな視点で解説しています。

コンサル業界では当然のようにカタカナ語が多用されていますが、それはなぜでしょうか?また、相手を混乱させてしまわないために、使う上の注意ポイントに触れていきます。尚、ここにもコンサル用語集を紹介します。

横文字だらけのコンサル業界の現状

コンサル業界では、会話の中にカタカナ語を盛り込むことがかなり身近です。「コンサルファーム」に始まり、「プロジェクト」「アサイン」「クライアント」はまだしも、「リストラクチャリング」「デューデリジェンス」「デジタルトランスフォーメーション」「ITインフラ」など盛りだくさんあります。コンサルタントの中には、日常会話の中でも業界特有の単語を乱用する方も多くいます。私も気づいたら多用してしまいます。

私たちコンサルタントは、クライアント案件でのキックオフミーティング時などもこれらの業界特有の単語や難しい表現を使わないように注意しています。

しかし、先輩によると、少なくしたつもりでもやはり出てしまっているようで、総務の方などからは宇宙人と言われたりするそうです。尚、変に噛み砕いた日本語にし、逆に意味がわからなくなることもしばしばあるという現状です。

コンサル業界でカタカナ語がよく使われている理由

そもそもコンサル業界には、なぜこのように英単語から派生した横文字単語が多いのでしょうか。主に二つの理由が考えられます。

一つ目の理由として、コンサル業界では、やはり外資ファームが強く、グローバルなメンバーと協業する機会が多数あることです。また、フレームワークなども海外で提唱されたものが多く、グローバルのベストプラクティスなども取り上げることが多々あるため、名称や表現をそのまま使用することが多くあります。

二つ目の理由は、バリバリと働く上司ががんがん英単語や英単語の略語を使うため、それが普通になった背景があるからです。私のような若手コンサルは、上司の指示や話を一言一句漏らさずに理解する必要があります。単語の意味がわからないと漏れが生じるので、必死でキャッチアップするようにしています。

その結果、いつのまにか自分も業界特有の言葉の魅力にとりつかれてしまうのです。恐るべきインフルエンサーのように感じています。

【コンサル業界でよく使われるカタカナ語4選】

コンサル業界では、一度慣れてしまえば便利な単語が日常会話にも多く出てきます。すでに共通認識となっており、一々説明しなくても端的に表現できるため、多用されております。

コンサル業界で日常的に多用されるカタカナ語とその意味、使用例をここに5つ、挙げてみました。なお、以下はコンサル業界に限って使われるわけではなく、外資系企業などでも一般的に使用されるケースがあります。

カタカナ語 意味 使用例
エスカレ エスカレーションの略。上司や自分より上の立場にあたる人への報連相や引継ぎ、指示を仰ぐこと。 上司にはエスカレ済みです。
ケイパビリティ 1.高品質やスピード感などのような競合他社よりも優位に立てる能力(自社の強み)。
2.組織内における、個人のものごとを実行する能力や個人のスキル・強み、パフォーマンス。社内の活動だけではなく、どう外部と連携して業務を遂行するかも重要となる。
1.ケイパビリティを考慮した経営戦略を立てます。
2.メンバークラスのヘッドカウントは充足してきた一方で、ケイパビリティの向上は急務です。
フィジビリティ(フィジビリ) 実現可能性、実行可能性。
また、フィジビリティスタディとは実現可能性の調査。
新規事業を実行する前に、フィジビリティを検討する必要があります。
スコープ プロジェクトの目標や成果物、またそれに伴う作業範囲を定めたもの。一般でも同様の使われ方をするが、クライアントとの契約の範囲を指す場合もある。 プロジェクトマネジメントでは、スコープを決めることが最重要ではないでしょうか。

【コンサル業界特有のカタカナ語4選偏】

コンサル業界で使われるカタカナ語の中には、本来の単語の意味と異なる意味合いで使われる単語が存在します。

場合によっては、定義が曖昧なままで使うと、相手を混乱させるかもしれません。ここに特にコンサル業界では当たり前に使われますが、一般的な単語の意味合いと異なる意味で使用される単語の例を挙げています。

カタカナ語 一般的な意味 コンサル業界での意味 使用例
パートナー     相手、配偶者など コンサルファームにおける職位の1つで、ファームの共同経営者のこと。 パートナーの承認が得られない。
デリバリー 配達すること 課題の抽出や課題解決提案、報告資料の作成などを行いプロジェクトを遂行すること。 自部門のデリバリーは戦略・システム化構想がメインで、要件定義や開発以降は別部門が主導しています。
リリース 抑えてきた状況から解放されること プロジェクト期間の終了などにより任命されていた役割から解放されること。また、パフォーマンスの不足やプロジェクト内での人間関係などを理由として、そのプロジェクトから外されること。 1.プロジェクトからリリースになったら休息を取るべきです。
2.彼のスキルや仕事のスピードなど、総合的に見た結果、今回のプロジェクトからリリースさせていただきます。
アベラブル 利用できる、在庫がある どの案件にも参加しておらず、次の案件にアサインされるまでの待機期間。コンサル業界では、ネガティブな印象のワード。尚、「アベる」という動詞で用いることが多い。 彼は、前回のプロジェクトでパフォーマンスが急激に落ちたため、今どの案件にもアサインされず、半年ぐらいアベっています。

ビジネスでカタカナ語を使う上の注意点

ビジネスでこれらの単語を使う上の注意点としては、相手がだれか、相手に自分が言いたいことをどう伝えれば伝わるかというところです。

なぜなら、コミュニケーションには相手=受け手がいるからです。また、コミュニケーションの目的は自分と相手との認識のズレをなくし、お互いの狙い・方向性を合わせることです。

自分にとって快適だからといって、相手や状況を見分けず、業界特有の表現を乱用すると、コミュニケーションの本来の目的を達成できないでしょう。特に、異業界間や初対面で会う人と話し合う時に、これらの単語ばかり使用しているか、気を付けた方が良いでしょう。

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執筆者

T.P.
海外出身の新卒コンサル。堪能な日本語と高いパワポ作成スキルでインターン時のプレゼンでは社員を圧倒し、現在は即戦力として活躍中。大学時代の専攻はファイナンス。回遊魚のように動き続けるパワフルウーマンです。
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