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業務コンサルとは?を事例を交えて徹底解説!| 事業会社からの転職で活躍可能な「業務(ビジネス)領域」 ‐コンサル7つの領域シリーズ‐

業務コンサルとは?を事例を交えて徹底解説!| 事業会社からの転職で活躍可能な「業務(ビジネス)領域」 ‐コンサル7つの領域シリーズ‐

コンサルティングファームが手掛ける「7つの領域」を解説するシリーズ。第二弾は、企業に見える効果をもたらす<業務(ビジネス)領域>を解説します。

コンサルの仕事内容はクライアントの課題を解決に導くことですが、得意とするコンサルティングテーマや対象によって、その領域は大きく7つに分類することができます。

今回は、企業に見える効果をもたらす「業務(ビジネス)」領域について、事例を交えて詳しく解説していきます。

= コンサル全7領域について、詳しくはこちら =
コンサルティングファームが手掛けるテーマを分類|コンサル7つの領域

業務(ビジネス)コンサルとは

業務(ビジネス)領域では、特定の業界や業務の深い知識を活かし、クライアントの業務に対して第三者視点で改革の役割を担っていきます。幅広いテーマをカバーすることから、解釈にも幅があり、話者によって呼称や定義が異なる場合がありますが、ここでは「業務(ビジネス)領域」とします。

「売上向上」「コスト削減」「品質向上」等に直結するコンサルティングを行うため、上流工程を扱う「戦略領域」と比較すると、より具体的な業務内容にフォーカスします。

たとえば、「もっと売上を伸ばすために、営業プロセスや仕組みを見直したい」「タイムリーな決算報告がされていないから、会計業務全般を見直したい」「最近、輸出業務の人的ミスが絶えない。品質向上に向けて業務フローを整備したい」のような課題に対し、業務改善を促します。

同領域を扱うコンサルタントは、「業務コンサルタント」「ビジネスコンサルタント」等と呼ばれ、業務に関する相当な知識と経験を備えているほか、実際に作業を行う人にヒアリングしたり実地調査を行ったりするなど、現場をよく知ることが重要です。

また、近年は業務とITが密接に絡んでおり、ITコンサル領域の知見も必要となるうえ、人員配置や役割分担といった人事・組織コンサル領域の知見も要するため、幅広い領域に対応するのが特徴です。

「業務コンサルはつまらない?」
業務(ビジネス)コンサルは、扱う領域が幅広く定義も不明瞭な領域です。華やかな戦略コンサルと比較すると相対的には地味にも見られ、「業務コンサルってつまらなそう」とか「ビジネスコンサルって怪しい職業?」など不名誉な印象を持たれることもあるようです。
しかし、業務(ビジネス)コンサルタントは、企業の根幹である「現場」の課題を解決に導く業務改善のスペシャリスト。案件によっては売上増加や品質・生産性の向上といった数値に直結する結果をもたらすほか、現場をリアルに感じられる職種です。
効果の出現が長期的であり検証自体が難しい戦略コンサルにはない面白さを味わえる領域だといえます。

業務(ビジネス)コンサル ピクトグラム

【業務(ビジネス)領域ピクトグラム】「プロセス(1本の矢)に一撃を加える空手家」
業務(ビジネス)領域では、業務のプロセスに直接手を加えて課題を解決に導きます。
様々な知識や手法を活かして、まるで空手家が一撃を加えるように改善を推進します。

業務(ビジネス)コンサルの活用メリット

自社で業務改善を進めようとしても、社員からは本質的な課題が見えにくかったり、そもそもリソースが足りなかったりして、思うように改善できないケースがよくあります。

そのようなとき、高い専門性を備えた業務(ビジネス)コンサルタントが、第三者視点で改革を推進します。

業界の専門知識だけでなく、人事・総務・IT・営業・生産など企業のさまざまな部門の業務にアプローチしていくので、現場の社員だけでは見出しづらい課題を明確化し、効果的な改善策を提示します。また、スピーディに実行から定着までの支援も行います。

次に、業務(ビジネス)領域で扱う代表的な支援テーマとその活用シーンをみていきましょう。原則的には企業側の課題や依頼には極力なんでも対応しますが、今回は大きく5つに分けてご紹介します。

業務(ビジネス)領域の代表的なテーマと活用シーン

1.売上(トップライン)向上支援

└営業プロセス改革
└顧客接点改革
└マーケティング改革
└CRM構想策定

企業成長や事業拡大のため、トップラインを伸ばす支援を行います。市場動向を考慮したマーケティング戦略のデザインや営業プロセス改革の策定などにより、PL・キャッシュフローから見た早期成長を促します。

<支援活用シーン>
例えば、メディアやeコマースをメイン事業とするクライアントの売上が伸び悩んでいるとします。

業務(ビジネス)コンサルは、現状のKPIの確認やボトルネックを検証し、マーケットシェア拡大のための方法論の洗い出しやDXに代表される新たな販路ビジネスモデルの創出を行います。また、マーケットニーズを踏まえた商品開発にも携わります。

このケースでは、デジタルマーケティング施策強化によるリードジェネレーションの改善、CRM活用によるリピーター客の確保、コロナ禍による消費者動向の変化を踏まえた新たな市場の開拓などが挙げられます。

2.コスト削減支援

└調達プロセス改革
└シェアドサービス検討

既存事業やバックオフィスの出費を見直して、適切な費用投資へ導きます。販売費および一般管理費に対するコスト削減の色合いが強く、一斉購買や仕入業者間のコンペといった手段も含めコストの低減を図ります。単にコストを下げるだけではなく、業務品質を担保することが重要です。

<支援活用シーン>
業務(ビジネス)コンサルは、製品・サービスを生み出す「直接費」だけでなく、付随的に発生する間接費を見直します。定性面と定量面で分析し、削減余地のあるコストに対して、プロセス改善や人員配置、外部業者との調整といった策を実行します。

このケースでは、物流コストの最適化などだけでなく、広告宣伝費の削減なども挙げられ、費用対効果の高い広告ポートフォリオの検討・提案なども行います。また、契約書など紙書類のペーパーレス化もコスト削減の一手としてシステム導入を支援することもあります。

3.業務効率化/品質向上に向けた支援

└BPR
└BPO
└IT活用
└人材育成

既存の業務構造を抜本的に見直し、業務の流れ(ビジネスプロセス)の最適化や品質改善に導きます。その結果、企業価値を向上させることがコンサルタントの役割となります。
「1.売上向上支援」や「2.コスト削減支援」と同時に実施されることがあります。

<支援活用シーン>

例えば化学メーカーが、「製造ラインで“待ち”になってしまうプロセスが複数存在している」や「輸出関連法の改正により業務品質の向上が急務」という課題を抱えているとします。

業務(ビジネス)コンサルは、業務フローや役割を再構築する「BPR」や、業務プロセスをまとまった単位で外部企業に委託する「BPO」を使って業務効率化を推進します。

このケースでは、実地調査などで製造プロセスを可視化し、人員配置の見直しや業務の最適化を行います。また、貿易業務の標準化を行った上でBPOや輸出管理システムの導入などを検討し、業務品質の向上と効率化を支援します。

4.ITに関わる改善支援

└BPR
└BPO
└SCM
└CRM
└ERP

「売上向上」や「コスト削減」「業務効率化」を実施する上で、ITに関する知見は不可欠です。業務コンサルにもITの知見は求められ、その必要性は高まる一方ですので、当記事(業務(ビジネス)領域)でも取り上げております。なお、業務(ビジネス)領域でシステムが大いに関係する代表的なテーマにSCM・CRM・ERPが挙げられます。

<支援活用シーン>
例えば、訪問営業を主力とする住宅メーカーがあるとします。顧客情報は各担当者のPCにエクセルでまとまっており、一元管理されていません。このようなケースでCRMを活用します。ドキュメント管理サーバの導入や営業管理ツールの導入を推進し、これまで属人的だった営業スタイルを効率的で標準化された業務へと改善していくほか、顧客情報の収集・分析により売上やリピート率向上を推進していきます。

5.業界・業種・テーマに特化した支援

└業界特有の商習慣に関わる支援
└内部統制支援

特定の業界や業種に専門的な支援を行います。深い専門性と特有の課題に長けたコンサルティングが求められます。

例えば、医療やヘルスケア業界では、エンドクライアントが医者・病院・介護施設・大学等と一般企業ではないこともあり、特有の商習慣や専門知識、業界特有の課題が多くあります。医療・ヘルスケア業界のクライアントには深い知見と経験を有している専門性の高いコンサルタントが必要とされます。

また、内部統制に係るテーマについても専門性を持った業務(ビジネス)コンサルタントが必要とされます。内部統制とは、企業の信用を守るために、会社の仕組みを整え、それに準拠しているかをチェックすること。粉飾決算や経理担当の着服等の不正はもちろんのこと、故意ではない人為的ミスの統制も図ります。上場企業等は法的な実施が定められており、特にこれから上場する企業や企業買収のタイミングで、専門知識を持ったコンサルタントが活用される傾向にあります。

 

ここまで、業務(ビジネス)領域について詳しく解説しました。さまざまな支援テーマをご紹介しましたが、すべてに共通するのは、現場をより良くすること。仮説やデータをもとに効果的な業務フローを構築することで、売上・品質の向上を実感できるほか、クライアントの現場に入り込むことで肌感のある仕事に携われることが魅力だといえます。

本記事では、コンサル業界用語や略語が頻出します。もし、分からない単語や気になる単語がある場合は、「コンサル用語集」を参考にしてみてください。

「コンサル7つの領域」シリーズでは、
戦略
・業務(ビジネス)
IT
人事/組織
FAS/事業再生
シンクタンク
の7つの領域について解説していきます。

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執筆者

大谷内 隆輔
大谷内 隆輔コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長
アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
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