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組織人事コンサルとは?を活用シーンと共に徹底解説!|企業の経営資源「ヒト」を通して課題解決に導く「組織人事領域」 ‐コンサル7つの領域シリーズ‐
コンサルティングファームが手掛ける「7つの領域」を解説するシリーズ。第四弾は「ヒト」を通して課題を解決に導く「組織人事領域」を解説します。
コンサルの仕事内容はクライアントの課題を解決に導くことですが、得意とするコンサルティングテーマや対象によって、その領域は大きく7つに分類することができます。
今回は、「組織人事」領域について、事例を交えて詳しく解説していきます。
= コンサル全7領域について、詳しくはこちら =
コンサルティングファームが手掛けるテーマを分類|コンサル7つの領域
目次
組織人事コンサルとは
組織人事領域では、企業の経営資源であるヒト・モノ・カネのうち、「ヒト」に特化したコンサルティングを行います。
現在、日本はもちろん多くの先進国では、少子化や人材の海外流出、流動化等により、これまで以上に経営において「ヒト」が重要視されています。
多くの企業が「優秀な人材に入社してもらえるか」「人材獲得に成功したものの、辞めないでもらえるか」「高い成果を上げながら、さらに成長してくれるか」「優秀な人材をどこに配置するか」等に悩んでいるのです。
その中で、組織人事コンサルタントは、クライアントの抱える「ヒト」に関する課題を分析・明確化した上で、解決策を検討・提案し、場合によっては実行支援までを行います。
したがって、主にクライアントのCEO/COO、CHO、CHRO、人事部長、人事部署等をカウンターパートとして、プロジェクトを推進します。時には人事部以外の部門と協力してプロジェクトを推進したり、制度の運用を支援したりすることもあります。
「組織コンサルタント」と「人事コンサルタント」の違い
組織人事領域のコンサルタントは、プロジェクトの特性や専門性から大きく「組織コンサルタント」と「人事コンサルタント」に分かれます。
「組織コンサルタント」の使命は、企業の価値向上やビジョン達成に寄与する「組織」を構築・再編すること。組織に関わる多くの経営課題に対峙し、社内外の経営環境の変化を的確に捉える能力が求められます。
例えば、組織戦略の立案においては「どうすれば従業員が最もパフォーマンスを発揮し、成長できる組織になるか」という観点で5年後10年後を見据えた提案を行います。
ほかにも、組織風土改革、組織・人材アセスメント、M&Aによる組織統廃合、グローバル組織再編、急成長したベンチャー企業の組織設計・機能再構築等といったプロジェクトを推進します。
一方、「人事コンサルタント」の使命は「ヒト」に関する課題の解決を支援することです。採用・育成・管理といった人事領域におけるプロフェッショナルとして課題解決に対峙します。
具体的には、評価制度の見直しや、給与テーブルの見直し、次世代に対応できる人材を確保・育成するために人事制度を見直すほか、高度化・効率化を目的としてタレントマネジメントシステムの導入やAIの検討提案等も行います。
さらに、グローバル戦略人事制度の策定、人事機能の高度化、デジタルを活用した多様な働き方の実現(働き方改革)、人材採用支援、次世代リーダー育成研修など多岐のプロジェクトに取り組みます。
【組織人事ピクトグラム】「人々を背に工具を持つ人」
工具(=深い専門的な知識)を使って、組織を改善・強化する姿を表しています。
スパナの特徴は横からネジにアクセスすること。
「人」が関わる課題は、上(内部)から押さえるのではなく、
第三者が横から支援することでうまくいくケースが多いのです。
組織人事領域の代表的なテーマと活用シーン
1.組織戦略・改革支援
└組織戦略策定
└人材戦略策定
└チェンジマネジメント
組織戦略・改革支援では、経営戦略や経営環境に応じて、組織戦略策定(機能戦略と呼ぶこともあり)はもとより運営体制の見直しや組織風土のあるべき姿の定義などを支援していきます。
数ある課題の中でも、組織に関する課題は特に複雑なことが多く、経営戦略に直結するケースも多くあります。
<支援活用シーン>
中長期的な事業ポートフォリオの見直しにともない、組織及び運営体制を変革するケースで活用されます。
例えば、多角的に事業を展開するホールディングス企業が、事業ポートフォリオ見直しを行った結果、収益性の低い事業の切り出しや新分野への集中的な投資を決定したとします。
しかし、十分なビジョンが描かれていなければ、社内に強い抵抗感を生み出してしまうでしょう。
そのような状況で、組織コンサルタントは組織のあるべき姿を提案するだけではなく、変革の必要性やプロセスについて明確化し、経営層だけでなく関連部署への説明と合意形成も行います。
また、組織変革に合わせる形で、制度や業務の変革に係るロードマップを策定していくこともあります。
2.人材マネジメント・制度設計支援
└人事制度設計・見直し
└グローバル人材マネジメント
└人事システム構築
人材マネジメント・制度設計支援では、企業の人事制度そのものに踏み込んだコンサルティングを行います。
具体的には、等級制度、評価制度、年金制度、役員報酬制度に対して、制度設計(あるいは見直し)や、場合によっては運用支援まで行うこともあります。
<支援活用シーン>
大企業では経営戦略に紐づく形で、数年後の会社・組織のあるべき形を人材視点から明確化していくことが必要です。
例えば、ある日系グローバル企業が経営戦略としてフィンテック事業への新規参入を掲げたとします。
コンサルタントは、数年後、長い場合には10年後に会社や事業をリードする人材の要件や構成を定め人事制度に落とし込むほか、具体的な要員配置計画の支援も行います。
さらに、グローバルを含めた全社での人材マネジメントの仕組み作りを支援します。この場合、海外子会社向けに現地の法制度や慣習を踏まえ、現地社員のモチベーションやワークフォースの最大化が図れる人事制度の設計を検討するなど、極めて高い専門性が求められます。
3.人材開発・育成支援
└人材育成プログラム構築
└教育コンテンツ作成
└研修実施
人材開発・育成支援では、人材育成や教育研修プログラムの企画から実施までの支援を行います。単なる研修サービスの提供ではなく、「何のために、だれに対して、どのような研修を行うことで、どういった能力を身に付けてもらうか」ということを整理し、それに沿った育成企画を支援します。
昨今は、スキルや知識向上以外の目的も求められるようになっています。「意識改革」や「RPA/AI導入効果の最大化」「組織戦略に基づく人材開発」など、様々なテーマに基づいたカリキュラムへのニーズが増えています。
成功事例を数多く把握しているコンサルタントに依頼することで、自社で内製するよりも効果的な取り組みを期待できるためです。
<支援活用シーン>
例えば、国際競争力強化を目指す企業が、戦略的な人材育成プログラムを依頼したとします。
コンサルタントは、グローバルな視野で事業を牽引できる人材を育成するため、現状や課題感を把握し、総合的に育成企画を立案します。コンテンツ作成、実施方法の検討など具体的なプログラムに落とし込み、グローバル人材の育成を支援します。
4.人事・採用支援
└採用戦略・人材要件策定
└採用活動BRP
└リテンション(離職防止)
人事・採用支援では、求める人材の定義や採用手段・プロセスを最適化します。また、離職防止のためのリテンションも支援。戦略的な育成プログラムなどにより人材の流出を防ぎます。
特に、競合企業と同じ土俵に乗る採用マーケットでは、マーケット全体を把握している人事コンサルタントが有用とされます。求める人材がマーケットにいるのか、給与含めた条件面は競合と比較して現実的か、数ある採用サービスの中で何を選択すべきかなど様々な知見が求められます。
<支援活用シーン>
例えば、AIなどの先端技術による事業を展開する企業が、事業拡大のために大幅な人員強化を目指しているとします。
コンサルタントは、クライアントの採用課題を見極めた上で、採用戦略を策定します。組織の目指す姿を想定し、ターゲットを具体化。売手市場のIT人材採用において、ターゲットにとって魅力となる企業価値を適切に発信し、求める人材の獲得を支援します。
ここまで、組織人事領域について詳しく解説しました。さまざまな支援テーマをご紹介しましたが、すべてに共通するのは、企業で働く「ヒト」が最大限に活躍できる場を作ること。経営陣から現場の社員まで様々な立場の「ヒト」と関わり、企業が描くビジョンの具現化に貢献できることが魅力だといえるでしょう。
「コンサル7つの領域」シリーズでは、
・戦略
・業務(ビジネス)
・IT
・人事/組織
・FAS/事業再生
・シンクタンク
の7つの領域について解説していきます。
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執筆者
- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
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- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。