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アクセンチュアの歴史|コンサルティングファームの歴史
エンロン事件の影響を寸前で回避。世界最大級ファームへと急躍進を遂げたACの歴史
2023年現在、世界49か国に73万3000人の社員数を有し、世界最大級のコンサルティングファームであるアクセンチュア(Accenture PLC)の歴史をまとめております。分離や社名変更、吸収合併、兄弟会社との関係悪化や巨額不正会計が明るみとなったエンロン事件など数々のターニングポイントを経て急成長を遂げた同社の歴史について紐解きます。
目次
1.アクセンチュアの歴史年表
(■グローバル ●日本/◇アンダーセン・コンサルティング(後のアクセンチュア)の系譜 △アーサー・アンダーセンの系譜
1913年 | ■アーサー・アンダーセンとクラレンス・デレーニーにより「Andersen,Delany &Co.」として創業 |
1918年 | ■アーサー・アンダーセン(Arthur Andersen & Co.)に社名変更 |
1962年 | ●東京オフィスを開設。日本業務を開始 |
1989年 | ■◇△会計サービスを担うアーサー・アンダーセンと、コンサルティングサービスを担うアンダーセン・コンサルティング(Andersen Consulting)に分離。 ●◇アンダーセン・コンサルティング東京事務所を開設 ■△アンダーセン・コンサルティング設立からしばらくの後、アーサー・アンダーセンが、コンサルティング部門としてアーサー・アンダーセン・ビジネスコンサルティングを設立 |
1995年 | ●◇アンダーセン・コンサルティングが日本において株式会社を設立 |
2001年6月 | ■●◇アンダーセン・コンサルティングの社名をアクセンチュアに変更。日本法人もアクセンチュア株式会社となる。 |
2001年7月 | ■アクセンチュアのIPOが行われニューヨーク証券取引所で取引が開始 |
2001年10月 | ■△アーサー・アンダーセンが会計粉飾やその証拠隠蔽に関与していたことが発覚(エンロン事件) |
2002年 | ■△アーサー・アンダーセンはエンロン事件での信用失墜により解散 |
2002年 | ■△アーサー・アンダーセンのコンサルティング部門であったアーサー・アンダーセン・ビジネスコンサルティングを当時のKPMGコンサルティングが吸収合併し、ベリングポイント(BearingPoint,Inc.)に社名を変更 |
2002年 | ●関連会社として、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社を設立(2012年 アクセンチュア株式会社に全ての事業を譲渡する) |
2005年 | ■キャップ・ジェミニの北米ヘルス事業を買収 |
2012年 | ●アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社がアクセンチュア株式会社に全ての事業を譲渡 |
2.アクセンチュアの歴史図説(沿革図)
3.アクセンチュアとは
アクセンチュア(Accenture PLC)は、アイルランドのダブリンに登記上の本拠を置く、世界最大級の総合コンサルティングファームです。アイルランドに登記されていますが実際の本社機能は、アメリカのシカゴとニューヨークの二大拠点が担っているとされています。FY2023決算時点で、世界49か国に73万3,000人の社員数を有しており、売上高は641億ドルと業界トップクラスの規模・売上となっています。
なお、社名の「アクセンチュア」は、“accent”と“future”を合わせた造語で、「未来にアクセントや重点を置く」ことを意味しています。社内公募において、ノルウェーのコンサルタントが提案したアイディアが採用されたそうです。
アクセンチュアの起源と兄弟会社との関係悪化
アクセンチュアの起源は、アーサー・アンダーセンとクラレンス・デレーニーにより1913年に創設された「Andersen,Delany &Co.」に遡ります。1918年にはアーサー・アンダーセンへと社名を変更し、長く世界5大会計事務所の1つとして位置づけられることになります。
1989年に、監査・税務・コンサルティングの3事業を展開していたアーサー・アンダーセンからコンサルティングサービスが分離され、アンダーセン・コンサルティング(Andersen Consulting)となります。分離に際し、アーサー・アンダーセンはコンサルティング業務を行わないこと、二者間で利益の多かった方が利益の15%を一方に対し毎年払うことになどの合意がなされました。しかし、しばらくしてアーサー・アンダーセンが合意を破り「アーサー・アンダーセン・ビジネスコンサルティング」を設立しました。そのため、1990年代を通して両者は対立し関係も悪化していきます。
国際商工会議所を介した調停の結果、ついに両者の関係は清算。2001年6月、アーサーアンダーセン・コンサルティングは現在のアクセンチュアに社名変更し、同年7月にはニューヨーク証券取引所に上場しています。
エンロン事件の影響
2001年、アクセンチュアに社名変更をしてほどなく、エンロン社のメイン会計監査を担当していたアーサー・アンダーセンが会計粉飾やその証拠隠蔽に関与していたことがウォールストリートジャーナルにより発覚しました(世に言うエンロン事件)。
この事件で、一時アメリカ5大監査法人の1つと言われた名門法人のアーサー・アンダーセンの信用は失墜。顧客離れが次々と起き2002年に解散へと追い込まれることになります。しかし、袂を分かち分社独立したアクセンチュアはこれによるイメージ低下は一切ありませんでした。アンダーセンと決別し新社名をアクセンチュアとしたことが吉と出たのでしょう。
4.まとめ
アクセンチュアはBig4の各社と比較してもそこまで古い歴史は無いように見られることがありますが、系譜は1913年に設立されたAndersen,Delany &Co.まで遡ることができます。また、分社した謂わば兄弟企業の不正発覚の影響も受けることなく現在の規模まで成長を続け、世界的な大企業となっています。
現在のアクセンチュアは「テクノロジーと人間の創意工夫で、 まだ見ぬ未来を実現する」というキャッチフレーズを掲げています。同社が求める人材においても『私たちが求めるのは、アクセンチュアによって自らを進化させ、予測不可能な未来のアクセンチュアを造ることができるDNAです。「未来のアクセンチュアに必要なDNA」をお持ちの方/持とうと心掛けている方のご応募をお待ちしています。』と公表しており、社名の由来でもある“future”が同社のキーワードと言えるでしょう。
このシリーズでは、コンサル業界のBig4の歴史も解説しています。コンサル業界への転職や就職に興味がある方は、ぜひ基礎知識として参考にしてみてください。
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執筆者
-
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。