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「ファームの多様化から考える、これからのコンサル選び」|コンサルのホンネ
多様化するコンサル会社。選ぶ際に注目すべきポイントとは?
現役コンサルが徒然なるままに綴るコラム「コンサルのホンネ」では、ハードワークの合間に思いついたことを思いつくままに語ります。第四回のテーマは「ファームの多様化から考える、これからのコンサル選び」。ホッと一息つくも良し、同じテーマで考察してみるも良し、お気軽にお読みください。
前回のコラム(コンサルタント大量採用が与える影響)で、「クライアント側が広い選択肢の中から質を見極めてコンサルティングファームを選定する流れがくるかもしれない」と書かせていただきました。昨今、企業が抱える課題やテーマが複雑化する中、企業を支援するコンサルファームも多様化しております。特に、少数精鋭で柔軟性が高いブティック系コンサルファームが次々と立ち上がっており、選択肢の広がりと共に自社に適したコンサルファームの選び方に迷うケースも増えているようです。
そこで今回のコラムでは、コンサルファームを選ぶ際に注目すべきポイントについてコンサルタントの視点からお伝えしたいと思います。
ブティック系コンサルティングファームとは何かについて知りたい方は、当メディア記事(ブティック系コンサルティングファームって何やねん?)を読んでいただければと思います。
目次
コンサル選びに迷った時に注目すべきポイントとは
数あるコンサルティングファームの中から自社に適した1社を選ぶ際、候補を絞るだけでも一苦労かと思います。Big4や国内系の大手コンサルファームもあれば、ブティック系コンサルファームも多数あります。
大きな違いとしては、ブランド力、グローバル展開の有無、業界知見の深さ、人数等があげられます。
大手コンサルファームは数多くの実績を有し、ブランド力は確固たるものを持っていますし、コンサルが10名以上必要な大規模PJTや後続フェーズでIT開発を伴うPJTであれば一気通貫でサービス提供が出来る点を強みにしています。しかし、昨今のコンサル業界の規模拡大に伴う大量採用の影響により、一部ではコンサルの若手層を中心にサービスの質が低下していると言われるのも事実です。
そのような中、ブティック系コンサルティングファームが数を増やしています。当メディア記事(ブティック系コンサルファームカオスマップ2023)でも昨年から新たに17社を追加し、40社近くのファームを掲載するに至りました。
ブティックファームは少数精鋭でクライアントニーズに応じた高度な支援や、特定領域もしくは特定業界に特化した支援を得意とし、大手ファームと同等もしくはそれ以上のサービス提供をしています。(創業者の出身ファームによって、そのブティックファームの雰囲気も決まるという特徴もあります)
そのようなファームが増えることでクライアントの選択の幅は広がりますが、一方でどう選んだらいいかという悩みが生まれているのが実情です。
つい先日「ファーム数十社に相談しているが、似たような提案も多く、最終的に何で選んだらよいか迷っていた」という声を聞きました。(さすがに相談先が多すぎるのではという声もあるとは思います)最終的な決め手を聞いてみたところ「我々(クライアント)に寄り添い、こちらのニーズに応じつつも、本質を捉えた提言をしてくれたところ」とのことでした。
至極当たり前のように聞こえますが、この「本質」という言葉は、コンサル選びに迷った際に注目すべき観点だと言えるでしょう。
コンサルファームを選ぶ際、”そのファームが本当に自社のことを考えてくれているか”を見て欲しいと筆者は考えます。クライアントは、フレームワークの型にはめた提案や、他社事例を基にした提案なんかではなく、自社を本当に理解した上での“血の通ったコンサルティング”の提案を本来求めているのではないでしょうか。自社の企業文化や風土、事業運営の苦労や泥臭さを理解し、自社が抱える課題に対してより当事者意識を持った提案をするファームを選ぶべきだと考えます。ちなみに、弊社では提案書はクライアントへのラブレターだと例えたりもします(笑)。
もちろんコンサルタントの質やコストも選ぶ上で重要です。しかし、最終的に判断すべきポイントは、コンサルファームの提案スタンスだと言えるでしょう。本当にクライアントのことを理解しようとしているか(そのためのアクションを起こしているか)、本質を捉えているか、クライアントファーストで考えているかなどを確認してみてください。
それは、公開されている数字等の情報からは判断できないものです。まずは、気になるコンサルファームを見つけたら相談をしてみてください。そのコンサルファームのスタンスをご自身の肌で感じ取ることができるでしょう。
▶主要なブティックファーム一覧はこちら
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このコラムが多くの企業様にとって、より良いファームを選ぶための手助けになればと思います。
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執筆者
- コダワリブランニュー第1号。入社後、IT・セキュリティにおける大規模PJの全体PMOや業務改革、DX戦略の案件に従事し、現場との関係構築からステークホルダーの巻き込み、クライアントからの突発的な要望への柔軟な対応に強みを持つ。
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- コダワリブランニュー第1号。入社後、IT・セキュリティにおける大規模PJの全体PMOや業務改革、DX戦略の案件に従事し、現場との関係構築からステークホルダーの巻き込み、クライアントからの突発的な要望への柔軟な対応に強みを持つ。