主要コンサルファームの社名の由来についてまとめてみた
Big4や戦略など主要コンサルティングファームの社名の由来を一覧形式で紹介
今回、当メディア運営会社でインターンをする学生が寄稿を致します。コンサルティングファームの名前はユニークで目を引くものも多く、中には「どうしてこの名前なのだろう?」と疑問に思う名前もあります。会社名には、創業者の想いや企業の理念が反映されていることが多く、その背景を知るとファームの個性や価値観をより深く理解することができます。また、合併や分裂を繰り返し現在の形に至るコンサルファームも多く、名前の由来を知ることでファームの歴史を垣間見ることもできます。
今回は、「コンサル業界カオスマップ」から、Big4・戦略のほか、筆者が気になったコンサルティングファームをピックアップし、社名の由来を調査・整理して、一覧形式でまとめてみました。
目次
主要コンサルティングファームの名前の由来
アルファベット順、続いてあいうえお順に各社の由来を紹介していきます。また、社名が創業者や前身企業の名前に由来するのか、それとも企業の想いや決意を反映しているのか等、由来の分類も試みました。
ファーム名 | 名前の由来 | 分類 |
---|---|---|
A.T.カーニー | 創業者であるアンドリュー・トーマス・カーニーに由来。 *詳しくは「A.T. カーニーって何やねん」記事を参照 | 創業者 |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング | Ernst & WhinneyとArthur Young & Co.が合併したことが由来。 *詳しくは「EYの歴史」記事を参照 | 会社統合 |
KPMGコンサルティング | 主な創設メンバーであるピエト・クリンヴェルド、ウィリアム・バークレイ・ピート、ジェームズ・マーウィック、ラインハルト・ゲルデラー博士のイニシャルが由来。 *詳しくは「KPMGの歴史」記事を参照 | 会社統合 |
PwCコンサルティング | プライス・ウオーターハウスとクーパース&ライブランドが合併し、プライスウォーターハウスクーパースを組成したことが由来。 *詳しくは「PwCの歴史」記事を参照 | 会社統合 |
Ridgelinez | 富士通がDX企業として設立。山の峰から峰へと続く線である「稜線(ridgeline)」にちなんでつけられる。「お客様と共に、変革の稜線を最初から最後まで登り抜く」という決意を表す。 | 想い・決意 |
YCP | 前身は「ニッポンが胸を張れるニッポンへ」をビジョンに創業したヤマトキャピタルパートナーズ。アジアを牽引するファームを目指し、海外拠点の展開を機に頭文字で構成されたYCPに社名変更。 | 想い・決意 |
アーサー・ディ・リトル | 創業者であるアーサー・D・リトル博士に由来。 | 創業者 |
アイ・ビー・エム | 前身はComputing-Tabulating-Recording Company(C-T-R)。単なるコンピューターと記録機器を示す社名から、ビジネスを支える機器のメーカーであるInternational Business Machines Corporationの頭文字をとってIBMという社名に変更。 | 想い・決意 |
アクセンチュア | 前身のアンダーセンから社内公募で社名変更。ノルウェーのコンサルタントが提案した「accent」と「future」を掛け合わせた造語で、「未来にアクセントや重点を置く」ことを意味する社名を採用。 *詳しくは「アクセンチュアの歴史」記事を参照 | 想い・決意 |
アビームコンサルティング | セーリング用語で「横風を力に変えて進む」という意味を持つ「abeam」に象徴される推進力と、アジア発のグローバルコンサルティングファームを目指す「Asian Beam(アジアの光線・力)」の2つの意味が込められている。 | 想い・決意 |
キャップジェミニ | 前身となるSogetiが欧州における競合企業のCAPとニューヨークに本拠を置くGemini Computers Systemsを買収したことが由来。 *詳しくは「キャップジェミニの歴史」記事を参照 | 会社統合 |
クニエ | Quality Unites Enthusiasms(品質と熱意の融合)という理念から”Q”,”Uni”,”E”の文字を抜き出し名付けられる。 | 想い・決意 |
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ | 元々、本社は米国マサチューセッツ州ケンブリッジ市に所在していた。日本進出後、Novell社による買収を経て、現在では日本法人のみが同社名を使用。 | 創業地 |
シグマクシス | 「XYZ」はクライアント、パートナー、自社を意味し、未知数の意味で無限の可能性も表す。それらを「Σ(シグマ=総和)」して、MAXの価値を生み出すという想いが込められている。 | 想い・決意 |
デロイト トーマツ コンサルティング | ウィリアム・W・デロイトがロンドンで設立した事務所と等松・青木監査法人が合併したことが由来。 *詳しくは「DTCの歴史」記事を参照 | 会社統合 |
ドリームインキュベータ | BCGの日本支社長を務めた堀紘一氏が創業。社名のIncubatorは「孵化器」を意味し、ビジネスにおいては「事業創出をサポートする者」を意味する。社名にはクライアントの夢はもちろん、創業者の「未来のソニーやホンダを100社育てたい」という壮大な夢への想いが込められている。 | 想い・決意 |
ベインアンドカンパニー | 創業者であるベインとその仲間たちという意味。 | 創業者 |
マッキンゼー・アンド・カンパニー | 創業者であるマッキンゼーとその仲間たちという意味。 *詳しくは「マッキンゼーって何やねん」記事を参照 | 創業者 |
レイヤーズ・コンサルティング | 『戦略の階層』、『マネジメントの階層』、『プロセスの階層』、『リソースの階層』の4つの階層(レイヤ―)で、クライアントファーストのコンサルティングを提供するという想い。 | 想い・決意 |
ローランド・ベルガー | 現在も様々な業界でアドバイザリーボードを務める、創業者であるローランド・ベルガー氏に由来。 | 創業者 |
まとめ
ここまでコンサルティングファームの名前の由来について紹介してまいりました。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのように長い歴史を持つファームでは、創業者の名前を取り入れたシンプルな名前が多い一方で、2000年代に社名を変更したアクセンチュアのような比較的歴史の浅いファームでは、企業理念やコンサルティングにおける「こだわり」を反映した名前が採用されるケースが増えています。特に、日本発のコンサルティングファームでは、理念をもとに独自性のある名前を付けているファームが多いです。また、合併を経て誕生したファームでは、合併前の名前を組み合わせたファーム名が多く見られる点も特徴的です。
社名の由来について気になったファームとして、ベイカレントもあるのですが、確かな情報を調べることができませんでした。ご存じの方いらっしゃいましたら教えてもらえると嬉しいです。
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これから登場する新たなファームの名前にも注目し、それぞれの背景や意味を探っていきたいと思います。
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執筆者
-
コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
インターン
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