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PwCの歴史|コンサルティングファームの歴史
IBMに買収された後、KPMGを買収?!複雑に絡み合うコンサルファームの歴史~PwC編~
コンサルティング業界の中でもBig4の存在感は大きなものですが、今回はその中の1つであるPwCの歴史についてまとめております。PwCもその他Big4と同じく沿革は複雑であり、様々な変遷を経て現在の様になっています。特に日本におけるPwCのコンサルティング部門の変遷は、2000年代初頭にIBM・KPMGが絡む買収が重なり一筋縄では語れません。本記事では、その複雑な歴史を紐解きます。
目次
PwCの歴史年表
(■グローバル ●日本/◇プライス・ウオーターハウス △クーパース&ライブランド)
1849年 | ■◇ロンドンでSamuel Lowell Price(プライス)が会計事務所を設立 |
1854年 | ■△ロンドンでWilliam Cooperが会計事務所を設立、7年後の1861年にクーパー・ブラザーズに名称変更 |
1865年 | ■◇プライスがウィリアム・ホーリーランドとエドウィン・ウォーターハウスとパートナーシップを締結、ホーリーランドは後に独立 |
1874年 | ■◇プライス・ウオーターハウス&Co.に名称変更 |
1898年 | ■△アメリカでライブランド・ロス・ブラザーズ&モンゴメリー設立 |
1949年 | ●日本におけるPwCの源流であるロー・ビンガム・アンド・トムソンズ会計事務所が東京と神戸に事務所を開設 |
1957年 | ■△クーパー・ブラザーズと、カナダのマクドナルド・クーリエ&Co、ライブランド・ロス・ブラザーズ&モンゴメリーが合併し、クーパース&ライブランドを設立 |
1997年 | ●現在のPwCコンサルティングの前身となるKPMGグローバルソリューションズ設立、5年後の2002年にベリングポイントに社名変更 |
1998年 | ■●◇△プライス・ウオーターハウス&Coとクーパース&ライブランドが合併し、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が誕生、コンサルティングを行う部門はプライスウォーターハウスクーパースコンサルタントとなり、その後PwCコンサルティングに名称変更 |
2002年 | ■●IBMがPwCコンサルティングを買収し、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社 (IBCS)となる *ここで一旦PwCのコンサルの系譜は途切れる |
2009年 | ■●PwCがベリングポイントを買収、社名をプライスウォーターハウスクーパースコンサルタント株式会社とする |
2014年 | ■●ブーズ・アンド・カンパニーがPwCグループに参画し、ブランド名称をStrategy&に変更 |
2016年 | ●PwC Japan内の組織再編により、現在のPwCコンサルティング合同会社が誕生 |
PwCの歴史の図説
PwCの歴史やその他のコンサルティングファームの歴史については、当社が発行している『図解即戦力 コンサルティング業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』という本でも解説しています。
こちらもぜひ参考にしてください。
PwCとは
PwCは、戦略策定から実行までを手掛ける総合系コンサルティングファームで、「ピーダブリュシー」と読みます。PwCの歴史は、約170年前の1849年にロンドンで設立された会計事務所を起源としています。その後、さまざまなコンサルティングファームを統合し、現在のPwCとなりました。
PwCの起源や名前の由来、日本におけるコンサルティング部門の歴史について、以下より解説します。
PwCは何の略?
PwCの歴史の起源は、約170年前にさかのぼります。1849年、サミュエル L. プライスがロンドンで会計事務所を設立しました。1874年には、名前をプライス・ウオーターハウス&Co(Price Waterhouse)に変更しました。
1854年に同じくロンドンでウイリアム・クーパーが事業を開始し、1957年にはクーパース&ライブランド(Coopers&Lybrand)に名称を変更しています。
プライス・ウオーターハウス&Coとクーパース&ライブランドは1998年に合併し、名称をプライスウォーターハウスクーパース(PricewaterhouseCoopers)としました。これがPwCの名前の由来です。
日本におけるPwCコンサルティングの歴史
日本におけるPwCの起源は、1949年に東京と神戸に設立されたロー・ビンガム・アンド・トムソンズ会計事務所となります。1962年に当時のプライス・ウオーターハウスに吸収され、プライス・ウオーターハウスの日本事務所となりました。
1998年にPwCが誕生し、コンサルティング部隊はプライスウォーターハウクーパースコンサルタントとなりました。その後PwCコンサルティングに名称変更し活動しますが、2002年にIBMに買収されたことで、PwCコンサルティングの系譜はここで一度途切れています。
現在のPwCコンサルティングの源流は1997年に設立されたKPMGグローバルソリューションズとなります。同社は2002年に朝日アーサー・アンダーセンとの統合を経て、ベリングポイント株式会社となります。その後、ベリングポイントアメリカ本社の破産をきっかけに、日本法人をPwCが買収して傘下に収め、プライスウオーターハウスクーパースコンサルタント株式会社に社名を変更しました。
2014年には、ブーズ・アンド・カンパニーがPwCグループに参画し、経営戦略コンサルティング部門としてStrategy&(ストラテジーアンド)にブランド名を変更しています。なお、ブーズ・アンド・カンパニーは、1914年にシカゴに設立された経営コンサルティングファームで、経営コンサルの元祖とも呼べる存在です。
2016年には、PwCグループ内のコンサルティング部隊を集結させ、日本法人であるPwCコンサルティング合同会社が誕生しました。
現在のPwCコンサルティングは、2022年6月時点で社員数3,850名を超える巨大ファームに発展しています。
現在のPwCが求める人材
PwCで求められているのは、常に新しい情報を吸収して成長し、自分の力で考えて戦略を立てられる人材です。
デジタルコンサルタント職やITソリューションコンサルタント職では、テクノロジーで問題解決することに関心がある人材を求めています。
また、PwCグループ傘下のStrategy&では、戦略コンサルタントとして以下のような人物像が求められています。
・多様性:様々な分野における最高の人材
・チームワーク:専門性を統合し、付加価値を最大化
・共通の価値観:顧客サービスとプロフェッショナルとしての自負
(引用:Strategy& 求める人物像)
まとめ
PwCグループは、約170年前にロンドンで設立された会計事務所が起源です。その後、同じ時期にロンドンで設立された会計事務所と統合し、ほかのコンサルティングファームと統合を繰り返して現在のPwCグループとなりました。
PwC Japanの起源は、1949年に設立された会計事務所です。2016年には、コンサルティング部隊を集結させたPwCコンサルティング合同会社が設立されました。
このシリーズでは、コンサル業界におけるBig4の起源や歴史について解説しています。コンサル業界やBig4への転職・就職を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
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執筆者
-
外資自動車メーカー2社を経験した後、コダワリにジョイン。
コンサルティングワークもこなす傍ら、人材紹介事業の事業責任者やコダワリの人材開発業務や採用統括業務など含めて幅広に従事。
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