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コンサルに資格は必要?AI時代に本当に役立つ資格を優先度順に一覧化【2026年版】
資格で仕事は取れない。それでもコンサルが資格を取るべき理由
「コンサルタントに資格は必要ですか?」——転職相談や学生からの質問で、よく聞かれる質問の一つです。
結論から言えば、コンサルは無資格でも名乗れますし、資格で案件が取れることもほぼありません。
一方で、資格取得を通じて専門知識を体系的に身につけたり、自身の専門性を示したりすることには一定のメリットがあります。また、生成AIが調べ物や資料作成を担うようになる中、AIの出力を鵜呑みにせず、その正しさや妥当性を判断するための専門知識も重要になっています。
本記事では、「コンサルに資格は必要か」に結論を出したうえで、AI・データ領域の新資格から定番の国家資格までを優先度順の比較表に整理。2026〜2027年の試験制度の変更点やFAQもあわせて解説します。
目次
結論:資格は「仕事を取る道具」ではなく「体系知の裏付けと学習手段」
コンサルタントに資格は必須ではありません。ただし、幅広く体系だった正しい知見を必要とする職種であるため、その知見を裏付け、効率よく学ぶ手段として資格は有効です。
本記事の結論は、この一文に尽きます。まず前提として、コンサルタントは医師や弁護士のような「業務独占資格」ではありません。誰でも名乗れますし、無資格でコンサルティングを行っても罰則はありません。実際、Big4や戦略ファームの募集要項に必須資格は書かれておらず、採用で見られるのは職務経歴・地頭・コミュニケーションです。
では資格は無意味かというと、そうではありません。コンサルの仕事は、戦略・業務・IT・会計・人事といった広い領域で「正しい前提」を置き、クライアントに説明することです。 資格の学習は、その前提となる体系知を最短で頭に入れる仕組みとして、よくできています。
資格の使いどころを整理すると、以下の3つです。
・学習手段としての資格:テキストと出題範囲が体系化されており、独学よりも抜け漏れなく短期間で領域の全体像を押さえられる
・裏付けとしての資格:クライアントや転職先に「この領域は一定水準で理解している」と一言で伝えられる(提案の説得力・書類選考の通過率に効く)
・共通言語としての資格:クライアント側の担当者や専門家(会計士・SEなど)と同じ用語・フレームで会話できる
逆に、「資格があれば案件が取れる」「資格の数が評価される」と考えるのは間違いです。評価されるのは資格そのものではなく、資格で身につけた知見を実務で使えるかどうか。 ここを取り違えると、いわゆる資格コレクターになってしまいます。
AI時代にコンサルの資格の意味はどう変わったか
生成AIの普及で、コンサルの資格をめぐる状況はここ数年で大きく変わりました。ポイントは3つあります。
1つ目は、「知っている」だけの価値が下がったことです。
用語の定義や制度の概要はAIに聞けば数秒で出てきます。ジュニアが担ってきたリサーチや資料のたたき台作成もAIが代替し、コンサルは「AIの出力が正しいか」「クライアントの状況に当てはまるか」を判断する側に回りました。判断には、断片的な知識ではなく体系だった知見が要ります。
2つ目は、AIリテラシーを証明する資格が急速に普及したことです。
JDLAの「G検定」は累計受験者数が21万9,761名、累計合格者数は15万6,562名に達しました(2026年7月時点)。
直近回の合格者の職種は情報システム・営業・企画・研究開発と、エンジニア以外が大半です*1)。GUGAの「生成AIパスポート」も2023年10月の初回から約2年8ヶ月で累計受験者数11万名を突破しました*2)。クライアント企業の担当者がこれらの資格を持っている前提で会話が始まる、という場面はすでに珍しくありません。
3つ目は、国家試験そのものがAI時代に合わせて作り直されていることです。
IPAの情報処理技術者試験は、2026年度から応用情報・高度試験・情報処理安全確保支援士試験がCBT方式に移行。さらに2027年度には、応用情報と高度試験(ITストラテジスト、プロジェクトマネージャ等)が「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」として「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3領域に再編されます。あわせて「データマネジメント試験(仮称)」が新設され、ITパスポートもAI時代のセキュリティ・倫理を強化した出題分野に改められる予定です*3)。
つまり、「AIを使える」は前提スキルになり、「AIの結果を評価できる体系知」を持つ人が差別化される時代です。次章からは、この観点で資格を優先度順に整理していきます。
【優先度順】コンサルにおすすめの資格 比較表
以下は、コンサルタントの汎用性(どの領域でも効くか)、取りやすさ(費用・学習時間)、2026年時点の需要の3軸で筆者が優先度を付けた一覧です。
まずはSランクの「AIリテラシー+データの読み方」を押さえ、自分の領域が定まったらAランク以降を選ぶのが、現在の王道ルートです。
【優先度の見方】
・S:領域を問わず、全コンサルが早めに取る価値がある
・A:進む領域が決まったら取るべき定番
・B:専門特化・上級者向け(前提資格や実務経験が必要なものを含む)
・C:特定インダストリーで効く
【優先度別 コンサルおすすめ資格一覧(2026年9月時点)】
| 優先度 | 資格名 | 領域 | 主催 | 形式・費用(税込目安) | 難易度の目安 | コンサルにとっての使いどころ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| S | G検定 | AI・データ | 日本ディープラーニング協会(JDLA) | オンライン100分145問/一般13,200円・学生5,500円/年6回 | 合格率78〜85%(2026年) | AIで「何ができて何ができないか」の共通言語。AI案件・DX案件の前提知識。 |
| S | 統計検定2級 | AI・データ | 日本統計学会/統計質保証推進協会 | CBT90分35問程度/7,000円・学生5,000円/随時 | 大学基礎課程レベル | AIの予測結果やデータの偏りを読み解く基礎体力。仮説検証の説得力が上がる。 |
| A | 生成AIパスポート | AI・データ | 生成AI活用普及協会(GUGA) | IBT60分60問/11,000円・学生5,500円/隔月開催 | 合格率約80% | 生成AIの活用と情報漏洩・著作権リスクを体系的に押さえる入門資格。クライアント企業の担当者と同じ目線に立てる。 |
| A | DS検定★ (データサイエンティスト検定 リテラシーレベル) | AI・データ | データサイエンティスト協会 | CBT100分100問/10,000円(税抜)・学生5,000円/年3回 | 合格率42〜45% | ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニアリング力の見習いレベルを証明。G検定・ITパスポートと合わせて「DX推進パスポート」バッジ。 |
| A | 中小企業診断士 | 経営 | 中小企業診断協会(国家資格) | 一次17,200円+二次15,100円/年1回/2026年度から口述試験廃止 | 一次・二次合わせて合格率約4〜8% | 経営全般を体系的に学べる代表的な国家資格。経営コンサル・事業会社向け提案の共通言語。 |
| A | PMP | IT・PM | PMI(米国) | 180問・約4時間/要36ヶ月の実務経験+35時間の研修 | 前提条件が厳しい | プロジェクトマネジメントのグローバル標準。PMO・実行支援案件の信頼性。 |
| A | 応用情報技術者/ITストラテジスト | IT | IPA(国家試験) | 2026年度からCBT/7,500円 | ITストラテジストは高度区分で難関 | IT戦略・構想策定の体系知識。※2027年度から新試験に再編(本文参照)。 |
| A | AWS Certified AI Practitioner | AI・クラウド | Amazon Web Services | 65問/100米ドル/日本語対応 | 入門レベル | 生成AI・基盤モデル・責任あるAI・ガバナンスの実践知識。IT系コンサルの「絵に描いた餅」回避に効く。 |
| A | Google Cloud Generative AI Leader | AI・クラウド | Google Cloud | 50〜60問/99米ドル/日本語対応/有効3年 | 入門レベル(技術経験不問) | 生成AIをビジネスにどう組み込むかを非エンジニア向けに体系化。戦略・業務系コンサルにお取り寄せしやすい。 |
| A | 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ) | IT・セキュリティ | IPA(国家資格) | 2026年からCBT/7,500円+登録・講習費 | 高度区分で難関 | セキュリティ・AIガバナンス案件の前提知識。国家資格として社外への説明力が高い。 |
| A | CISA(公認情報システム監査人) | IT・監査 | ISACA | 英語・日本語/USD建て | 実務経験5年(免除規定あり) | IT統制・システム監査。ISACAのAI最上級資格(AAIA等)の前提にもなる。 |
| B | USCPA(米国公認会計士) | FAS・会計 | AICPA/NASBA | 4科目・USD建て/2024年から新制度 | 難関(合格まで1〜2年) | FAS・M&A・経営管理のグローバル共通言語。外資系FASで評価が高い |
| B | 証券アナリスト(CMA)/CFA | FAS・金融 | 日本証券アナリスト協会/CFA Institute | 講座受講+試験/CFAは3レベル | 難関(CFAは特に) | 企業価値評価・投資判断。事業再生・M&A・PEファンド案件 |
| B | 社会保険労務士 | 組織人事 | 全国社会保険労務士会連合会(国家資格) | 年1回 | 合格率は例年5〜7%台 | 人事制度設計・労務リスクの体系知。組織人事コンサルの説得力 |
| B | ISACA AAIA/AAISM/AAIR | AIガバナンス | ISACA | 英語中心/前提資格(CISA・CISM・CRISC・CISSP等)が必要 | 上級者向け | AI監査・AIセキュリティ・AIリスク管理の国際資格。AIガバナンス案件で差別化 |
| B | E資格 | AI(実装) | JDLA | 120分100問/33,000円/JDLA認定プログラム修了が必須 | 合格率約70%だが前提が重い | 実装まで語れるAIコンサル向け。文系コンサルには優先度低 |
| B | MBA(経営学修士) | 経営 | 各ビジネススクール(学位) | 1〜2年・学費数百万円 | ー | 戦略系・外資系で一定の評価。費用対効果は個人差が大きい |
| C | 医療情報技師、不動産鑑定士、宅建士、不動産証券化マスター、安全保障輸出管理 実務能力認定 など | 特定インダストリー | 各団体 | ー | ー | 医療・不動産・製造(輸出)など業界特化型コンサルの深掘り用 |
(表注)費用・回数は2026年9月時点の各主催団体の公式情報に基づく。合格率は直近公表回の参考値。USD建ての試験は為替により円換算額が変動する。

AI・データ領域|2026年に押さえたい資格
AI・データ領域の資格は、文系コンサルにこそ効きます。
実装スキルの証明ではなく、「AIに何を任せ、何を任せてはいけないか」を判断するための体系知だからです。2026年時点で、コンサルが押さえておきたい資格を整理します。
【G検定(ジェネラリスト検定)】
・主催:一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)
・形式・費用:オンライン(自宅受験)100分・145問程度/一般13,200円、学生5,500円/2026年は年6回開催
・実績:2026年第4回は9,241名が受験し合格率83.08%。累計受験者21万9,761名、累計合格者15万6,562名*1)
・使いどころ:機械学習・ディープラーニングの基礎から、AIプロジェクトの進め方、AIに関する法律・契約、AI倫理・AIガバナンスまでを一通り学べます。AI案件で「技術的に何が可能か/どこに限界があるか」を考えるための土台になり、クライアント側のDX推進担当とも同じ言葉で話せるのが強みです。
・注意点:試験範囲が広く、出題も年々更新されるのが特徴。合格率は高めですが、暗記ではなく「AIで何ができて何ができないか」を説明できる状態を目標にしましょう。
【生成AIパスポート】
・主催:一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)
・形式・費用:オンライン(IBT)60分・60問/11,000円、学生5,500円/2026年から隔月開催
・実績:2026年6月試験は21,752名が受験し合格率79.90%。累計受験者11万5,062名、累計有資格者9万789名(2026年6月時点)*2)
・使いどころ:生成AIの仕組みや活用法に加え、情報漏洩・権利侵害・ハルシネーションといったリスクと社内ルールの作り方を体系的に学べます。「生成AIを業務に入れたいが何に気を付ければよいか」というクライアントの相談に答える最低限の知識として、コスパの高い資格です。
・注意点:入門資格なので、これ単体で専門性を主張できるものではありません。G検定や統計検定とセットで「AIリテラシー一式」として押さえるのが現実的です。
【統計検定2級】
・主催:日本統計学会(統計質保証推進協会)
・形式・費用:CBT(随時)90分・35問程度/一般7,000円、学生5,000円/100点満点中60点で合格
・使いどころ:仮説検定・推定・回帰といった大学基礎課程レベルの統計を扱います。AIが出した予測やダッシュボードの数字を「それは有意なのか」「サンプルは偏っていないか」と読み解く力は、AI時代のコンサルの基礎体力です。定量分析の説得力が一段上がります。
【DS検定★(データサイエンティスト検定 リテラシーレベル)】
・主催:一般社団法人データサイエンティスト協会
・形式・費用:CBT(全国会場)100分・100問/一般10,000円(税抜)、学生5,000円/年3回(3月・6月・11月)
・実績:合格率は直近5回で約42〜45%(第12回・2026年3月は約2,400名受験、合格率約42%)*4)
・使いどころ:ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニアリング力の3軸を問う検定で、「データ分析プロジェクトを企画・推進する側」の知識が体系化されています。合格率はAI系入門資格の中では低めで、取得すればデータ案件での説得力も一段上。G検定・ITパスポートとあわせて3つに合格すると、デジタルリテラシー協議会の「DX推進パスポート3」バッジが発行されます*1)。
【クラウド系AI資格:AWS/Microsoft/Google】
・AWS Certified AI Practitioner(AIF-C01):AWSが提供する入門レベルのAI資格。65問構成で、出題領域は生成AIの基礎(24%)、基盤モデルの応用(28%)、責任あるAI(14%)、セキュリティ・コンプライアンス・ガバナンス(14%)など。コンサルが提案書に書く論点がそのまま試験範囲です。受験料は100米ドル、日本語で受験可能*5)。
・Microsoft Azure AI Fundamentals:2026年6月末で試験「AI-900」が終了し、後継の「AI-901」に移行しました。上位の「AI-102(Azure AI Engineer Associate)」も「AI-103(Azure AI App and Agent Developer Associate)」に置き換わっており、AIエージェント開発を前提とした体系に再編されています*6)。
・Google Cloud Generative AI Leader:技術経験を問わない生成AIのビジネス活用資格。90分・50〜60問、受験料99米ドル、日本語対応、有効期間3年。戦略・業務系コンサルが「生成AIを事業にどう組み込むか」を語るための最短ルートです*7)。
・使いどころ:IT・業務系コンサルが「自社のシステム基盤にどうAIを組み込むか」を語るとき、ベンダー資格の知識があると提案が「絵に描いた餅」になりません。どれか1つ、クライアントの利用クラウドに合わせて取るのが現実的です。
【AIガバナンス・リスク系:ISACA AAIA/AAISM/AAIR】
・国際的なITガバナンス団体ISACAが2025年から順次提供している、AI監査(AAIA)、AIセキュリティマネジメント(AAISM)、AIリスク(AAIR)の3資格です。AAISMはCISMまたはCISSPの保有者が対象。AAIRはCISA・CISM・CRISC・CISSPなど指定資格の保有と実務経験が前提で、2026年4月15日に開始されました*8)。
・使いどころ:大企業のAIガバナンス整備、AIリスク管理体制の構築といった案件で、経営層に「安全なAI導入ロードマップ」を示す際の裏付けになります。前提資格が必要なため、IT監査・セキュリティ領域で経験を積んだコンサルの差別化資格という位置付けです。
【参考:E資格、生成AIアドバイザー認定試験】
・E資格(JDLA):ディープラーニングを実装する能力を認定する資格で、受験にはJDLA認定プログラムの修了が必須、受験料は33,000円です。実装まで語れるAIコンサルには有効ですが、文系コンサルの優先度は高くありません。
・生成AIアドバイザー認定試験(全日本情報学習振興協会):プロンプト設計や社内展開までを問う2025年開始の資格で、1級11,000円・2級8,800円。認知度はまだこれからですが、「社内の生成AI活用を推進する担当者」向けの実務寄りの内容です
IT・PM領域の資格|2027年のIPA試験刷新に注意
IT領域の資格は、AI時代でも「システムをどう作り、どう運用するか」を語る土台として重要です。 ただし、国家試験の体系が2027年度に大きく変わるため、受験計画には注意が必要です。
【情報処理技術者試験(IPA・国家試験)】
・現行区分:ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者、応用情報技術者、ITストラテジスト、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、エンベデッドシステムスペシャリスト、ITサービスマネージャ、システム監査技術者の12区分と、情報処理安全確保支援士試験*9)
・2026年度の変更:応用情報・高度試験・情報処理安全確保支援士試験がCBT方式に移行
・2027年度の変更:応用情報と高度試験が「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」として「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3領域に再編され、「データマネジメント試験(仮称)」が新設。ITパスポートは「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」の出題分野に再整理*3)
・コンサルにとっての意味:ITストラテジストやプロジェクトマネージャといった現行区分は2026年度が最後です。
現行区分で取りたい人は2026年度内に、AI時代の新体系で取りたい人は2027年度以降の新試験を待つという判断が要ります。
【PMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)】
・主催:PMI(米国)
・要件:学士号以上なら36ヶ月のプロジェクト管理経験に加え、35時間の研修受講が必要。試験は180問・約4時間*10)
・使いどころ:PMO案件や実行支援フェーズで、クライアントのIT部門やベンダーと共通言語で話せます。前提条件が厳しい分、保有者は「実務経験の裏付けがある」と見なされます。
【情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)】
・国家資格でありながら、試験合格後に登録と定期講習が必要な「登録制」資格です。セキュリティは生成AI導入の論点に直結するため、AIガバナンス案件を狙うコンサルにとって価値が上がっています。
【CISA、CISSP、ITIL】
・CISA(ISACA):情報システム監査・統制の国際資格。IT統制やSOX対応案件に強く、ISACAのAI系上級資格の前提資格にもなります。
・CISSP(ISC2):情報セキュリティ全般の上級資格。セキュリティ戦略・組織設計の案件で評価されます。
・ITIL(PeopleCert):ITサービスマネジメントの共通フレームワーク。現在は「ITIL 4」体系で、運用改善・IT組織改革の案件で役立ちます。
経営・FAS・会計領域の資格|診断士は2026年度から口述試験廃止
経営・財務領域は、資格が専門知識の体系的な習得や専門性の裏付けとして活用されやすい領域です。どの企業にも常に課題がある分野で、資格保有者はクライアントから「その道に明るい」と見なされやすくなります。
【中小企業診断士(国家資格)】
・2026年度からの変更:第二次試験の口述試験が廃止され、受験手数料が一次17,200円・二次15,100円に改定されました(総額は据え置き)*11)
・使いどころ:企業経営理論・財務会計・運営管理・経済学・法務・情報システムと、コンサルに必要な経営知識を体系的に学べる代表的な国家資格です。「経営を体系的に学ぶ」という目的なら、コンサルにとって費用対効果が最も高い資格の一つです。診断士とコンサルの関係は以下の記事で詳しく考察しています。
【会計・財務系:USCPA、公認会計士、税理士】
・USCPA(米国公認会計士):2024年から新試験制度(コア3科目+選択1科目)に移行。会計・IT・ファイナンスを英語で体系的に学べ、外資系FASやグローバル案件で評価されます。
・公認会計士:監査業務を行える唯一の国家資格。FAS・事業再生・IPO支援では最強の裏付けですが、コンサル目的で新規取得するには重い資格です。
・税理士:税務の国家資格。事業承継・組織再編案件で強みになります。
【金融・投資系:証券アナリスト(CMA)、CFA】
・企業価値評価、財務分析、投資判断の体系知。M&A・PEファンド向け案件、事業再生案件で役立ちます。CFAは3レベル構成の難関資格で、グローバルで通用します。
【不正・監査・法務系:CFE(公認不正検査士)、公認内部監査人(CIA)、弁護士、弁理士、知的財産アナリスト、CBCI】
・フォレンジック、クライシスマネジメント、内部統制、知財戦略、事業継続(BCP)といった専門性の高い領域で提案の質を高めます。生成AI時代は著作権・知財の論点が増えており、知財系資格の使いどころも拡大中です。
【MBA(経営学修士)】
・資格ではなく学位ですが、戦略系・外資系ファームでは一定の評価につながるもの。費用対効果は個人差が大きいため、以下の記事もあわせてご覧ください。
組織人事・特定インダストリー領域の資格
組織人事領域では社会保険労務士、特定インダストリーでは業界固有の国家資格が、案件の入口を広げます。
【組織人事領域】
・社会保険労務士(国家資格):労働基準法、雇用保険、社会保険、労務管理の体系知。人事制度設計や人的資本経営の案件で、制度の実現可能性を担保する裏付けになります。合格率は例年5〜7%台の難関です。
【特定インダストリー領域】
・医療・介護:医療情報技師、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)、介護福祉士
・不動産:不動産鑑定士、宅地建物取引士、不動産証券化マスター
・製造・商社:実務能力認定試験(安全保障輸出管理)
・使いどころ:業界特有の規制や現場知識を深めることで、ニッチだが単価の高いインダストリー特化案件に参画しやすくなります。すでに事業会社で業界経験がある人は、その経験を「見える化」する資格として検討する価値があります。
資格取得のメリットと、資格より大切なこと
ここまで資格を紹介してきましたが、あらためて「資格の何が効くのか」と「資格で代替できないもの」を整理します。
【資格取得の3つのメリット】
・体系化された知識が最短で身につく:出題範囲とテキストが整理されており、独学より抜け漏れが少ない
・クライアントへの説明力が上がる:初対面で「この領域は一定水準で理解している」と一言で伝えられる
・転職の書類選考で一定の評価になる:合否を分けるものではないが、専門領域の理解度を示す材料になる
【資格では代替できない3つのこと】
・対クライアント・社内でのコミュニケーション:クライアントが課題だと思っていることの奥に真の課題があるケースは多く、仮説を立てて引き出す力は資格では測れません
・信頼関係と人脈:レスポンスの速さ、約束を守る姿勢、こまめな報告の積み重ねが信頼をつくり、信頼が次の案件と人脈を生みます
・なんとしてもやり遂げるマインド:クライアントは自社で解決できないことを持ち込みます。想定の「上」や「奥」を行くために、持てるものを総動員する姿勢が求められます
AIが知識の検索を肩代わりする分、コンサルの評価はこの3つにますます集中していきます。
資格は、この3つを発揮するための前提知識を効率よく整える道具と考えてください。
資格なし・未経験でもコンサルタントへの転職は可能
資格がなくても、未経験でも、コンサルティングファームへの転職は可能です。
採用で見られるのは、これまでどんな課題にどう取り組んできたか、論理的に考え伝えられるか、クライアントに向き合い続けられるかです。すべてのコンサルタントが未経験から始めていますし、資格なしで活躍している人も数多くいます。
ただし、未経験者ほど「体系知の裏付け」が書類で見えにくいのも事実です。転職活動と並行して、Sランクの資格(G検定・生成AIパスポート・統計検定2級)を1〜2つ押さえておくと、面接で「AI時代の学習姿勢」を具体的に語れます。 未経験からの転職ポイントは以下の記事にまとめています。
コンサルの資格に関するよくある質問(FAQ)
【Q1. コンサルタントになるのに必須の資格はありますか?】
A. ありません。コンサルタントは業務独占資格ではなく、誰でも名乗れます。採用や案件獲得で必須とされる資格も基本的にありません。ただし、体系だった知見を裏付け、効率よく学ぶ手段として資格は有効です。
【Q2. AI時代のコンサルが最初に取るべき資格は?】
A. G検定と生成AIパスポートで「AIに何ができて何ができないか」「生成AIのリスク」を押さえ、統計検定2級かDS検定★で「数字を読む力」を足す組み合わせがおすすめです。いずれも1〜3ヶ月の学習で取得でき、費用も2万円前後に収まります。
【Q3. G検定と生成AIパスポートはどちらを取るべきですか?】
A. 目的で選びます。AI全般(機械学習・ディープラーニング・法律・ガバナンス)を体系的に学ぶならG検定、生成AIの業務活用とリスク管理に絞るなら生成AIパスポートです。両方取る人も増えており、G検定はITパスポート・DS検定★と合わせて「DX推進パスポート」のバッジ発行対象にもなっています。
【Q4. 資格を持っていると転職で有利になりますか?】
A. 書類選考で「この領域を理解している」と示す材料にはなりますが、合否を分けるのは職務経歴と面接での思考力です。資格の数ではなく、「なぜその資格を取り、実務でどう使ったか」を語れることが評価につながります。
【Q5. 中小企業診断士はコンサルに必要ですか?】
A. 必須ではありませんが、経営全般を体系的に学べる唯一の国家資格として、経営コンサル志望者には費用対効果が高い資格です。2026年度からは口述試験が廃止され、手数料も一次17,200円・二次15,100円に改定されています。
【Q6. ITストラテジストなどIPAの高度試験は今から受けても大丈夫ですか?】
A. 現行区分は2026年度が最後で、2027年度から「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」に再編されます。現行の名称で取得したい人は2026年度内の受験を、AI時代の新体系で取りたい人は2027年度以降の新試験を検討してください。取得済みの資格が無効になるわけではありません。
まとめ
コンサルタントにとって資格は「なくてもできる」「あったほうがよい」ものです。この結論は変わりませんが、AI時代にはその意味合いが変わりました。
知識の検索はAIが担い、コンサルには「AIの出力が正しいかを判断できる、幅広く体系だった知見」が求められます。資格は、その知見を最短で身につけ、対外的に裏付ける手段として有効です。
まずはG検定・生成AIパスポート・統計検定2級といったSランクの資格でAIリテラシーとデータの読み方を押さえ、進む領域が決まったら中小企業診断士やPMP、クラウド系AI資格などを選ぶ。
そして、資格の裏にある知見を実務で使い、クライアントに実利をもたらすこと。資格コレクターではなく、資格を使いこなすコンサルタントを目指してください。
当社では、コンサルタントのキャリア支援サービス/コンサルへの転職サービス「Consul Career」を提供しています。あなたの経歴やスキル、ご希望のキャリアパスや働き方にマッチするコンサルファームや事業会社への転職、フリーランスへの独立をサポートしていますので、ぜひお気軽にお問合せください。
▶▶転職先やコンサル案件をお探しの方は是非こちらよりお問い合わせください。

*出典一覧(2026年9月2日時点)
*1)日本ディープラーニング協会「2026年 第4回 G検定 開催結果」https://www.jdla.org/news/20260721001/ / G検定公式ページ https://www.jdla.org/certificate/general/
*2)生成AI活用普及協会「生成AIパスポート、累計受験者数が11万名を突破。2026年6月試験の結果を発表」https://guga.or.jp/2026-07-17-1100
*3)IPA プレス発表「情報処理技術者試験における試験区分の見直しについて」(2026年3月31日)https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20260331.html / 試験制度の見直しについて https://www.ipa.go.jp/shiken/minaoshi/index.html
*4)データサイエンティスト協会 DS検定★公式ページ https://www.datascientist.or.jp/dskentei/ / 過去の実施結果 https://www.datascientist.or.jp/dscertification/results/
*5)AWS Certified AI Practitioner 試験ガイド(AIF-C01)https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/aws-certification/latest/ai-practitioner-01/ai-practitioner-01.html
*6)Microsoft Learn 認定資格(AI-901/AI-103)https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/
*7)Google Cloud「Generative AI Leader」https://cloud.google.com/learn/certification/generative-ai-leader
*8)ISACA プレスリリース「ISACA Launches Advanced in AI Risk (AAIR) Certification」(2026年4月)https://www.isaca.org/about-us/newsroom/press-releases/2026/isaca-launches-advanced-in-ai-risk-aair-certification-to-equip-it-risk-professionals /「Advanced in AI Security Management (AAISM)」(2025年8月)
*9)IPA「試験区分一覧」https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/list.html
*10)PMI「PMP Certification」https://www.pmi.org/certifications/project-management-pmp
*11)中小企業庁「令和8年度からの中小企業診断士試験における改正について」https://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/2026/260205shindanshi.html
*12)統計検定「統計検定2級」https://www.toukei-kentei.jp/grade/grade2/
*13)全日本情報学習振興協会「生成AIアドバイザー認定試験」https://www.joho-gakushu.or.jp/seisei-ai-advisor// JDLA「E資格とは」https://www.jdla.org/certificate/engineer/
[v192]
執筆者
-
前職ではコダワリ・ビジネス・コンサルティング社にて社長秘書・営業部長を歴任。退職後は海外を拠点に多国籍企業のコンサルティングに特化したフリーランスコンサルタントとして、IT戦略、ビジネスプロセス改善、組織再編に関する専門知識を活かし、クライアントに対してデジタル変革と効率化の推進を支援している。
最新のグローバルトレンドと戦略的思考を強みにコダワリ社の理念であるGNH量産に奔走している。
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前職ではコダワリ・ビジネス・コンサルティング社にて社長秘書・営業部長を歴任。退職後は海外を拠点に多国籍企業のコンサルティングに特化したフリーランスコンサルタントとして、IT戦略、ビジネスプロセス改善、組織再編に関する専門知識を活かし、クライアントに対してデジタル変革と効率化の推進を支援している。
最新のグローバルトレンドと戦略的思考を強みにコダワリ社の理念であるGNH量産に奔走している。





















