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「課題」の定義が色々あってよくわからないという課題|コンサルのホンネ

「課題」の定義が色々あってよくわからないという課題|コンサルのホンネ

「何を会話したいんだっけ?」を回避する課題の定義と現場を動かすコツ

現役コンサルが徒然なるままに綴るコラム「コンサルのホンネ」では、ハードワークの合間に思いついたことを思いつくままに語ります。 第22回のテーマは「『課題』の定義が色々あってよくわからないという課題」。ホッと一息つくも良し、同じテーマで考察してみるも良し、お気軽にお読みください。

「課題感があります」「課題を整理しましょう」という会話が、なんとなく噛み合っていないという場面に出くわしたことはないですか。「課題」という言葉は、ビジネスの現場で毎日のように使われています。にもかかわらず、場面に応じて「課題」の定義を意識して使いわけている人は意外と少ないはずです。今回はそんな「『課題』とは何か?」について、徒然なるままに執筆していきます。

まず、辞書を引いてみた

「取り組むべきこと」というのが「課題」の辞書的な意味です。一見シンプルですが、定義が広すぎるが故に、文脈によって具体的に何を指しているかが変わってきます。

「課題」の利用シーン例「課題」の意味
「課題を提出してください」「与えたお題」
「まず課題を整理しましょう」「解決すべき問題」
「課題の対応方針を決めたい」「未決事項」

上記は、いずれも「取り組むべきこと」ではあるのですが、各シーンでニュアンスが微妙に違います。そのため定義が曖昧なまま議論を進めると、話が噛み合わず、「何を会話したいんだっけ?」という状態に陥りがちです。そういった場面で「課題」の定義をきちんと使い分けられると仕事を円滑に進められます。

問題解決における「課題」

ビジネスでは、主に問題解決やプロジェクト管理の文脈で「課題」という言葉が使われるケースが多いです。そこで、まずは、問題解決で使われる「課題」について解説します。

前提として、企業における問題解決とは「ネガティブな状態(問題)に手を打って解消すること」です。問題の原因を分析して打ち手を検討・実行していきます。この問題解決における「課題」の意味は、「優先的に解決すべきこと」です。

問題は、「売上が減少している」「離職率が高い」といった、企業や組織で発生しているネガティブな事象を指します。企業では多くの問題が発生しますが、解決に向けての予算や人員には限りがあるため、全てに対処することは不可能です。また、問題はさまざまな事象に起因して発生していることが多いですが、すべての原因に手を打つことも同様に現実的ではなく、優先順位付けが必要です。このように優先的に解決すべきと判断された問題や原因を「課題」といいます。取り組むべき優先順位は、「経営的に効果がどれくらいあるのか?」や「解消するために実現可能な打ち手があるのか?」等の観点で見極めていきます。

プロジェクト管理における「課題」

一方で、プロジェクト管理で利用される「課題」は、「プロジェクト推進を停滞させる未決事項」という意味で使われています。一般的には、エクセルの課題管理表や課題管理ツールで扱われる「課題」がこれに該当します。「課題」が解消されれば、後続タスクを設計してWBSやToDoとしてタスク管理できる状態になるのが特徴です。例えば、開発プロジェクトでは、要件が決まらないと後続の開発スケジュールが立てられません。そのため、「要件が予定通りに確定しない」ということは、後続タスクに着手できず、最終的には全体スケジュールに影響が出てしまうため、「課題」として扱われます。

プロジェクト管理における「課題」は、「何が課題か?」や「誰がいつまでに解決するか?」が管理されます。加えて、「プロジェクトに及ぼす影響」や「課題解消の完了条件」も明確にして、円滑に解決できるように管理することがポイントです。これらを適切に管理できないと「これって何で課題なんだっけ?」や「この課題ってどうなれば解消したといえるんだっけ?」というように、謎の「課題」が増殖していくことになります。

例)課題管理

課題内容X機能の要件が予定通りに決まっていない
プロジェクト影響後続タスクに着手できずスケジュールが遅延する
完了基準X機能の要件をユーザー企業から提示してもらうこと
期限MM/DD
担当拘流 太郎

「課題」を定義するだけでは無意味?

ここまで2つの定義を解説してきました。しかし、実際は「課題」を定義付けて周知だけすれば、円滑に仕事が進むというわけでもありません。我々はコンサルタントという仕事柄、「課題」に慣れていますが、クライアントなどの仕事相手が同じ状況とは限らないからです。

問題解決では、「対処すべき問題は…」「根本原因は…」など、「課題」という言葉を使わない方が、混乱なく会話できるシーンがあります。また、プロジェクト管理においては、PMOなどが課題管理の様式を定義したり、課題管理を主導したりすることで「こういうものが課題」という共通認識をプロジェクト内で形成することも有効です。

結局のところ、大事なのは、定義そのものよりも相手に合わせたコミュニケーションです。「課題」の定義は理解しつつ、相手に合わせて必要なアクションをすることが、プロジェクトを円滑に進める近道なのだと思います。

[v359]

執筆者

H.M.
H.M.コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルタント
ITやBPR領域でのコンサルティングを得意とする。新規領域でコンサルとしてのキャッチアップ能力の速さと無駄なことをしないスタンスで、周りを巻き込みながら最適なアプローチで課題解決をはかる。
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