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「コンサルはすぐ辞める」は本当?主要コンサルファーム22社の平均勤続年数を調査してみた
野村総合研究所13.7年、ベイカレント3.8年 なぜ平均勤続年数に大きな差が生まれるのか
昨今の採用市場にて、人気の高い職業として挙げられるコンサルタント。高い報酬や若手のうちから成長できる環境が人気を博す一方で、ハードワークのイメージからか、「すぐに辞めていく」「3年いれば長い方だ」という声も聞かれます。しかし、そういった言説は果たして事実なのでしょうか?
国内のコンサルティング市場は年々成長しており、近年は上場するコンサルティングファームも増えています。上場企業が開示する有価証券報告書には、平均勤続年数や平均年齢などの「人的資本」に関するデータが掲載されています。本記事では、本当にコンサルはすぐ辞めるのか、国内の主要なコンサルファーム22社が公表するデータをもとに分析してみました。
目次
国内主要コンサルファーム22社平均勤続年数一覧
今回取り上げた22社のデータを見ると、平均勤続年数は6.2年となり、「コンサルはすぐ辞める」というイメージとは少し異なる結果となりました。一方で、最短1.3年、最長13.7年と、各社でかなり大きなばらつきがあることから、勤続年数はファームのタイプやビジネスモデルから大きく3つのパターンに区分できると考えました。
| 会社名 | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年収(千円) |
|---|---|---|---|
| 株式会社野村総合研究所 | 39.7 | 13.7 | 13,326 |
| 株式会社電通総研 | 39.9 | 10.7 | 11,250 |
| 株式会社ベイカレント | 31.3 | 3.8 | 13,310 |
| 株式会社三菱総合研究所 | 40.4 | 11.8 | 10,817 |
| フューチャー株式会社 | 36.5 | 6.0 | 7,945 |
| シンプレクス・ホールディングス株式会社 | 31.3 | 4.3 | 9,925 |
| 株式会社ビジネスブレイン太田昭和 | 38.3 | 7.4 | 7,306 |
| 株式会社リンクアンドモチベーション | 32.5 | 6.4 | 6,969 |
| INTLOOP株式会社 | 35.5 | 2.1 | 6,108 |
| 株式会社船井総研ホールディングス | 40.1 | 9.8 | 7,390 |
| 山田コンサルティンググループ株式会社 | 38.1 | 7.2 | 9,750 |
| 株式会社シグマクシス・ホールディングス | 45.4 | 8.8 | 10,329 |
| 株式会社マネジメントソリューションズ | 37.4 | 2.7 | 7,023 |
| 株式会社コアコンセプト・テクノロジー | 35.4 | 3.8 | 6,873 |
| 株式会社エル・ティー・エス | 34.8 | 4.9 | 6,711 |
| YCPホールディングス(グローバル)リミテッド | 35.0 | 4.4 | 15,199 |
| 株式会社タナベコンサルティンググループ | 38.5 | 8.7 | 7,905 |
| フロンティア・マネジメント株式会社 | 37.2 | 3.2 | 11,709 |
| 株式会社ライズ・コンサルティング・グループ | 33.2 | 2.3 | 11,079 |
| 株式会社ドリームインキュベータ | 34.6 | 3.8 | 12,208 |
| グロービング株式会社 | 34.7 | 1.3 | 15,206 |
| 株式会社コーチ・エイ | 39.9 | 7.6 | 8,677 |
グループ1:超高流動・短期ブティック型(平均勤続年数1~2年程度)
主なファーム
グロービング(1.3年)、INTLOOP(2.1年)、ライズ・コンサルティング・グループ(2.3年)
なぜ短いのか
これらのファームは、事業拡大・急成長に伴う採用人数の多さから、入社1~2年目の社員が占める割合が高くなっていると考えられます。また、比較的新興系のファームが多く、いわゆるベンチャー企業的な成長志向の風土を持つことから、高い年収を得る代わりにハイスピードで成果を求められる環境でキャリアを磨き、ステップアップを志向する人材が集まっているのではないでしょうか。
本グループのファームの勤続年数の短さは、会社への引き留めができていないわけではなく、起業・独立、大手ファームの上位クラスへのキャリアアップに向けた退職が多いと考えられるでしょう。
グループ2:適度な定着型(平均勤続年数3~8年程度)
主なファーム
ベイカレント(3.8年)、ドリームインキュベータ(3.8年)、シンプレクス(4.3年)、シグマクシス(8.8年)
なぜこの長さか
若手層(平均31歳前後)を数多く採用・育成しつつ、数年のプロジェクト経験を経てマネージャへと昇格していくというコンサル業界の標準的な採用・育成サイクルを持つファームが属するグループです。
特に好待遇で知られるベイカレントは、平均年収1300万円という高い報酬水準に加え、これまでの支援実績に基づく多様なプロジェクトプールからアサイン先を選択できる「ワンプール制」が、一定の定着率を高める要因として考えられます。
グループ3:長期安定・定着型(平均勤続年数9年~)
主なファーム
電通総研(10.7年)、三菱総合研究所(11.8年)、野村総合研究所(13.7年)
なぜここまで長いか
一般的な日系大手企業と同等レベルの長期雇用が見られるグループです。このグループの特徴として、戦略策定からシステム実装・運用に至るまでの超長期デリバリや、国・官公庁、中小企業といった、そのクライアントならではの慣習や風土、制限に対する理解が求められるデリバリに強みを持っていることが挙げられます。
長期的な支援案件では、専門知識やノウハウの蓄積、豊富な案件経験を持つ人材こそ各社の競争優位性となります。そのため高い給与水準と、手厚い福利厚生によって、「辞める必要性がない」環境が構築されていることが読み取れます。
タイプ別コンサル就職・転職戦略
「コンサルはすぐ辞める」というひとくくりのイメージでキャリアパスを描くことは、入社後のミスマッチにつながる原因の一つです。各ファームの有価証券報告書から見えた定着度合いを踏まえて、コンサルへの就職・転職活動は以下のような戦略を取るべきと考えます。
1.「短期間で市場価値を上げたい」なら、新興ブティック型へ
グロービングやライズ・コンサルティング・グループのように、平均勤続年数が短くとも平均年収が1,100万~1,500万あるファームは、圧倒的なスピード感が求められる一方、早い段階から裁量が与えられる環境です。2~3年でスキルを身につけ、その後起業・独立や大手ファームへのステップアップを目指すことができます。
2.「一定の期間を使って、多種多様な経験をしたい」なら、定着型へ
ベイカレントやシンプレクスのように、コンサル業界においては平均的な勤続年数と、一定の高収入が狙えるファームは、様々な選択肢を取ることができる環境にあると言えます。プロジェクト経験を積みながらそのままマネージャへのステップアップを図るもよし、プロジェクト経験を活かしながら更なる裁量や高い専門性を求めて他ファームへ移るもよし。収入が安定している分、余裕を持って自身のキャリアを考えながら成長できるでしょう。
3.中長期の専門性を求めるなら、シンクタンク・SIer系へ
野村総合研究所や電通総研のように、平均勤続年数が10年以上あり、年収も平均1,000万を超えるようなファームは、「日系大手企業の安定性」と「コンサル業界の収入の高さ」を両立できる環境です。腰を据えて、特定の業界や領域の専門性を磨き、市場価値を高めていきたい方には最適な選択肢となります。
また、生成AIの進化も今後のコンサルでのキャリアを考える上では避けて通れません。例に漏れず、コンサル業界も生成AIの活用が進んでいます。これにより、スライドのたたき台の作成やリサーチ、議事録の作成といった、若手コンサルがこれまで担ってきたような定型的な業務は急速に生成AIに代替されるようになりました。
平均年齢が若く、勤続年数の短いファームに入る場合は、単なる「生成AI作業要員」として消費されるのではなく、生成AIを使いこなしながらクライアントの意思決定を支援できるような高度なスキルを短期間で身に着けることが必要となってきます。
まとめ
今回の分析で見えてきたのは、「コンサル=すぐ辞める」という単純な話ではなく、各ファームが持つ採用・育成・キャリア形成の仕組みの違いでした。コンサル業界に限らず、就職・転職先を検討する際は、提示された年収だけで判断するのではなく、その会社の平均勤続年数が自身の望むキャリアパスと合致するか、一度立ち止まって考える必要があります。各ファームが公開している有価証券報告書は、皆さんの望むキャリアを描けるか判断するための重要なデータと言えるでしょう。
当社では、コンサルタントのキャリア支援サービス/コンサルへの転職サービス「Consul Career」を提供しています。あなたの経歴やスキル、ご希望のキャリアパスや働き方にマッチするコンサルファームや事業会社への転職、フリーランスへの独立をサポートしていますので、ぜひお気軽にお問合せください。

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執筆者

- コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
-
日々の疲れを室温100度、水温15度のサウナで癒すアナリスト。最近、音楽フェス・ライブ熱が再燃。
強みであるドキュメント能力を武器に、論理力・分析力に磨きをかけて一流のコンサルを目指し日々奮闘中。
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