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コンサル部門売却からの復活、EYの正体|売上・社員数等の推移が示すコンサルファームの変遷

コンサル部門売却からの復活、EYの正体|売上・社員数等の推移が示すコンサルファームの変遷

数字が示すEYの成長と次なるステージ

EY(アーンスト・アンド・ヤング)は、世界150カ国以上に拠点を持ち、デロイト、PwC、KPMGと並び「Big4」の一角を占める世界最大級のプロフェッショナルサービスファームです。

本記事では、EYの歴史から、近年のグローバルおよび国内における社員数・売上高の推移までを振り返り、同社がどのような成長を遂げてきたのかを見ていきます。 

EY(アーンスト・アンド・ヤング) とは

EYとは、アーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young)の略称で、読み方は「イーワイ」です。

ロンドンに拠点を置くアーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、世界150以上の国と地域における各メンバーファームは法的に独立した組織として事業を行っています。日本では、EY Japanとしてコンサルティング・監査・会計等のサービスを提供しています。

■EYの歴史

EYの起源は、前身となった会計事務所をたどると1849年までさかのぼることになりますが、その名の由来となるアーンストとヤングの名前が出てくるのは、1900年代初頭となります。

1903年、米国でA.C.アーンストが兄とともにアーンスト・アンド・アーンスト(Ernst & Ernst )を、1906年にアーサー・ヤングがアーサー・ヤング(Arthur Young & Company )を設立しました。

1924年には、アーンスト・アンド・アーンストがイギリスのウイニー・スミス・アンド・ウイニー(Whinney, Smith & Whinney)と提携し、その後1979年にはアーンスト・アンド・ウイニー(Ernst & Whinney)へと改称しました。一方、アーサー・ヤングも1924年にイギリスのブローズ・パターソン(Broads Paterson & Co.)と提携しています。1989年、アーンスト・アンド・ウイニーとアーサー・ヤングが合併し、アーンスト・アンド・ヤング(EY)が誕生しました。

なお、2000年には監査部門との利益相反を懸念し、コンサルティング部門をキャップジェミニに売却しています。

その後、各国法人においてさまざまなタイミングでコンサル部門が復活していきます。日本では2010年にその歴史が始まりました。次に、日本におけるコンサル部門の歴史を見ていきましょう。

■日本におけるEYのコンサルティングの歴史

現在EYにおいてコンサルティングを担うのは、EYストラテジー・アンド・コンサルティングですが、その前身は2010年に設立されたEYアドバイザリー株式会社です。

2017年には、EYアドバイザリー株式会社、EYフィナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社、新日本有限責任監査法人のアドバイザリー事業のサービスが集約されEYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社が設立されました。

2020年に、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社とEYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社が統合されて、現在のEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社が誕生しています。これにより、戦略立案から業務変革、M&A支援までを一体で提供する体制が整えられています。

売上の変遷

グローバル売上高の推移(2018-2025)

売上高においても、EYは長期的な成長トレンドを維持しています。特に近年のコンサルティング需要の取り込みが奏功しています。

20182019202020212022202320242025
全社売上 (億USD)348364372400454494512532
コンサル事業売上 (億USD)96102105111139161156164
全社売上増加率 (%)7.4%4.6%2.3%7.3%13.7%9.3%3.9%4.0%
コンサル事業売上増加率 (%)10.1%6.3%2.9%6.4%25.2%15.8%-3.1%5.1%

DX特需や経営課題の多様化を背景に急成長(2021-2023年)

2021年から2023年にかけては高い成長率を維持し、特に2022年には前年比+13.7%という2桁成長を記録しました。コロナ禍を経て企業のDX投資が本格化したことに加え、ESG対応やサイバーセキュリティ強化など経営アジェンダが多様化したことで、EYが強みを持つコンサルティング・アドバイザリー領域への需要が拡大したとみられます。

安定成長への移行(2024年以降)

2024年以降は成長率が3〜4%台となり、それまでの成長局面から安定成長フェーズへ移行しています。これは、不透明な経済環境(インフレや経済停滞懸念)や企業の投資判断の慎重化により、コンサルティング需要の伸びが鈍化したことが背景にあるとみられます。しかし、500億ドルを超える規模を維持しており、AI・テクノロジー領域での需要を背景に底堅い推移を見せています。

社員数の変遷

EYのグローバルにおける社員数の変遷(2018年~2025年)

20182019202020212022202320242025
グローバル社員数(人)248K284K299K312K365K395K393K406K
グローバル社員数増加率(%)7.2%14.7%5.3%4.4%17.0%8.2%-0.6%3.4%

EYの国内における社員数の変遷(2018年~2025年)

20182019202020212022202320242025
国内社員数(人)1,3001,5001,8002,6743,1544,0034,5014,310
国内社員数増加率(%)44.4%15.4%20.0%48.6%18.0%26.9%12.4%-4.2%
*2017年の数値はEYA/EYTASの合算となるため推定値となります

グローバルは一時落ち込むも増加傾向、国内は採用方針の変化

グローバルは一時的な調整を経て再成長へ 

2019年の+14.7%や2022年の+17.0%など、過去には高い成長率で人員を拡大してきました。2024年には前年比-0.6%と一時的な調整局面となりましたが、2025年には再び+3.4%の増加に転じ、40万人を超える規模となっています。急拡大フェーズから適正化を経て、再び成長軌道へ回帰したことがうかがえます。

日本国内は急拡大から質的向上への転換 

2018年から2024年にかけて社員数が約3.5倍(1,300人→4,501人)に拡大しました。特に2021年には前年比+48.6%、2023年にも+26.9%と高い成長率を記録しており、コンサルティング需要の拡大を背景に積極的な採用を進めてきたことがうかがえます。しかし2025年は前年比-4.2%の減少に転じています。採用市場の動向を見る限り、人材要件は以前より厳格化しているとみられます。こうした変化も背景に、組織規模の適正化が進んでいると考えられます。

EYの変遷まとめ

EYは1989年の巨大合併で誕生し、2000年のコンサル部門売却という大きな決断を経て、日本でも複数の統合を繰り返し現在の体制を築きました 。 グローバル売上はDX特需を捉え2022年に2桁成長を達成し、現在はAI需要を背景に500億ドル超の規模で安定成長を続けています。

一方、日本国内は2018年から2024年にかけて、社員数が約3.5倍(1,300人→4,501人)となる驚異的な急拡大を遂げました。しかし足元では、採用市場において人材要件の高度化も見られており、EY Japanも量的拡大から質的向上を重視するフェーズへ移行していると考えられます。グローバルの安定成長と、日本の量から質への転換という異なる局面が、現在のEYの姿を象徴していると言えるでしょう。

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