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グローバルの盤石な成長と日本で勢いを増すPwC|売上・社員数等の推移が示すコンサルファームの変遷

グローバルの盤石な成長と日本で勢いを増すPwC|売上・社員数等の推移が示すコンサルファームの変遷

世界は横ばい、日本は倍増。データが示すPwCの「特異な成長」と組織の正体

世界150カ国以上に展開し、デロイト、EY、KPMGと並ぶBig4の一角、PwC(プライスウォーターハウスクーパース)。2025年度にはグローバル売上569億ドルを達成し、過去最高益を更新しました。世界経済が減速傾向にある中で、なぜPwCは堅調な成長曲線を維持できるのか?

本記事では、創業170年を超える歴史から、近年の驚異的な社員数・売上の推移までをデータに基づき分析。「Trust and Transformation(信頼と変革)」を掲げる巨大ファームの歩みを紐解くとともに、日本市場における躍進の軌跡を辿ります。

PwCとは

PwCの歴史:名前の由来と170年の系譜、そして日本での「復活」

PwC(プライスウォーターハウスクーパース)は、戦略策定から実行までを総合的に支援する世界最大級のコンサルティングファームです。その歴史は古く、起源は約170年前にまで遡ります。

■ 名前の由来と2つの名門の統合
「PwC」という名称は、1998年に合併した2つの歴史あるファーム、「プライス・ウオーターハウス(Price Waterhouse)」と「クーパース&ライブランド(Coopers & Lybrand)」の頭文字に由来します。

  • プライス・ウオーターハウス:1849年にサミュエル・L・プライスがロンドンで設立した会計事務所が起源。
  • クーパース&ライブランド:1854年にウィリアム・クーパーがロンドンで開始した事業が起源。

この19世紀から続く2つの名門が統合して「プライスウォーターハウスクーパース」が誕生し、現在のグローバルブランドである「PwC」へと繋がっています。さらに2014年には、経営コンサルティングの元祖であるブーズ・アンド・カンパニーを統合し、「Strategy&」としてブランド化するなど、組織の拡大と進化を続けています。

■ 日本における複雑な再編と現在の源流 
日本におけるPwCの組織形成は、特異な経緯を辿りました。起源は1949年に設立された会計事務所にありますが、IBMによる買収やKPMG、ベリングポイントの統合など、異なるDNAを持つ組織が合流したことで、技術・戦略・業務改革の多様な知見がクロスオーバーする独自の組織基盤が形成されています。

2002年、当時のPwCコンサルティング部門はIBMに買収され、一度その系譜が途切れています。現在のPwCコンサルティング合同会社の直接的な源流となっているのは、1997年設立の「KPMGグローバルソリューションズ」です。

同社は、朝日アーサー・アンダーセンとの統合を経て「ベリングポイント」となりましたが、米国本社の破綻を機にPwCが日本法人を買収。これにより、コンサルティング部門がPwCブランドの下に「復活」する形となりました。

その後、2016年にグループ内のコンサルティング機能を結集して「PwCコンサルティング合同会社」が発足。数々の統合と再編を経て、現在は数千名規模を擁する巨大ファームへと発展しています。

売上の変遷

グローバル売上高の推移(2018-2025)

2018年から2025年までの8年間、PwCは一度もマイナス成長を記録することなく、売上規模を拡大し続けています。

20182019202020212022202320242025
全社売上(億USD)413424430451503531554569
コンサル事業売上(億USD)138141147170207226233243
全社売上増加率(%7.0%2.7%1.4% 4.9%11.5%5.6%4.3%2.7%
コンサル事業売上増加率(%)10.0%2.2%4.0%15.6%21.8.%9.2%3.1%4.5%

8年間の軌跡から見る「3つの成長フェーズ」

2018年から2025年の売上推移(413億ドル→569億ドル)は、PwCの強固な収益構造と市場適応力を如実に表しています。

  1. 危機への耐性(~2020年)
    コロナ禍によるプロジェクト凍結が相次いだ2020年においても、ストックビジネスの性質を持つ監査・税務部門が収益の下支えとなり、前年比プラス成長を維持。コンサルティング専業ファームにはない、複合ファーム(Multidisciplinary Firm)特有のリスクヘッジ機能が証明された局面です。
  2. DXによる飛躍(2021-2022年)
    経済再開とDX特需を捉え、2022年には過去最高の「2桁成長(+11.5%)」を記録。一気に売上500億ドルの大台を突破しました。
  3. 安定成長への移行(2023年~現在)
    急拡大を経て、現在はAI実装など質を重視するフェーズへ移行。成長率は落ち着きましたが、毎年確実に過去最高売上(569億ドル)を更新し続けています。

次に、社員数の変遷を見ていきましょう。

社員数の変遷

PwCのグローバルにおける社員数の変遷(2018年~2025年)

20182019202020212022202320242025
グローバル社員数(人)250,930276,000284,000295,000328,000364,000370,000364,782
グローバル社員数増加率(%)6.3%10.0%2.9%3.9%11.2%11.0%1.6%‐1.4%

v364_PwCグローバル社員数の変遷

PwCの国内における社員数の変遷(2018年~2025年)

20182019202020212022202320242025
国内社員数(人)6,3008,1009,0009,40010,20011,50011,70012,000
国内社員数増加率(%)16.70%28.60%11.10%19.10%8.50%12.70%1.70%2.60%

グローバルと日本で異なる成長フェーズ

グローバルは急拡大から安定フェーズへ
2019年には人材投資強化により前年比約10%増(27.6万人)と急拡大しました。その後も2024年に37万人を超えるまで拡大しましたが、直近の2025年にかけては伸び率が鈍化し、人員規模は横ばい傾向にあります。

日本国内は7年で倍増の独自成長
グローバルの安定化傾向とは対照的に、日本は2018年(6,300人)から2025年(12,000人)にかけて、わずか7年で社員数が約2倍に急増しました。現在も増加トレンドを維持しており、日本市場での組織拡大が続いています。

PwCの変遷まとめ

PwCは、1849年創業の歴史と1998年の巨大合併を経て、現在は売上569億ドルを誇る世界最大級のファームです。 日本国内ではIBMへの売却による一時的な系譜断絶を乗り越え、複数の統合を経て復活し、現在の巨大組織へと進化しました。

グローバル市場においては、他のBig4ファームと同様、コロナ禍でも安定した監査・税務事業が経営を下支えし、その後のDX特需や生成AI需要の波を捉えて過去最高売上を更新し続ける安定フェーズにあります。また、現在はAI活用による質的成長へと舵を切っています。 

この共通トレンドの中で、日本市場におけるPwCの社員数は「成長のスピード感」において極めて特異な存在です。具体的には、グローバル全体の人員数が横ばい傾向にある中、PwC Japanは激しい市場競争の中で7年で約2倍(6,300人→12,000人)へと急拡大を遂げました。2023年には国内組織を「One PwC」へとワンブランド統合し、国内有数のメガファームとなっています。

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