コンサル流「問いの立て方」とは?問題解決につながる3つのポイント|ビジネスの基本スキル
優れたコンサルは「結論」に飛びつかず、「問い」の設定にこだわる
「規模拡大のために、もっと採用数を増やすには何をすべきか?」
突然ですが、このようなお題を与えられたら、あなたはどう答えますか?
「求人媒体を変える」「給与を吊り上げる」「SNSでの採用広報を強化する」等、様々な打ち手が考えられます。
ですが、もし社内の離職率が異常に高いのだとしたら、採用数を増やすことだけに注力しても、社員数はなかなか増えません。 穴の開いたバケツにいくら水を注いでも溜まらないのと同じで、問題の本質は「採用数」ではなく「定着率」にあるからです。
このように、解くべき「問い」がズレると、会社や組織の成果につながりません。 今回は、そんな「問い」について解説していきます。
目次
そもそも、「問い」とは?
ビジネスシーンにおける「問い」とは、会社や組織が意思決定するために、結論を出すべきお題という意味です。
例)売上向上のために、次はどこに出店するべきか(問い) → 銀座(結論)
日常生活だと、試験などで使われる「問題(解答すべきお題)」が、比較的近しい意味で使われています。一方、「分からないことを誰かに聞く」という意味での「質問」とは、明確に意味が異なります。
ビジネスにおいて、問いはなぜ重要?
問いは、「すべての仕事の出発点」という意味で重要です。問いの設定を間違えると、その後のすべての検討や作業が無駄になるからです。これは仕事の流れをイメージすると、わかりやすいかと思います。
【仕事の流れ】
- 問いを設定する or 誰かから問いを与えられる
- 結論を出すために作業をする(リサーチ・ヒアリング・得られた情報の取りまとめ 等)
- 自分が出した結論について、関係者で議論・合意
- 合意した結論に基づいて、仕事をさらに進める
このように問いは仕事の最上段であり、解くべき問いを間違えると、後続の検討・作業・議論の時間やコストを浪費することになるのはもちろん、せっかく出した結論をもとに仕事を進めても、成果は得られません。
コンサル流「良い問い」を作る3つのポイント
では、問いの精度を高めるためのポイントを以下に解説します。
① 与えられた問いはまず疑う
大前提として、与えられた問いを疑う姿勢を持ちましょう。例えば、冒頭の「採用数を増やすために何をすべきか?」というお題に対して、「採用ブランディングを強化すべき」などとすぐに結論に飛びつくのはNGです。
特に若手のうちは、クライアントや上司から与えられた問いに対して、結論を出すための作業(リサーチやヒアリングなど)が求められることが多いと思います。ここで与えられた問いを疑わずに、いきなり作業にとりかかると痛い目にあいます。これは、経験豊富な上司やクライアントであっても、試行錯誤して仕事を進めていることがあり、問いが必ずしも正しいとは限らないからです。
このような時、間違った問いに素直に結論を出しても、「なんか違う」「そもそもなんでこれを考えているんだっけ」とひっくり返されることも多々あります。そのため、「そもそもこの問いを解く必要があるのか」を自分自身で思考して、本当に解くべき問いを見極めるスタンスは重要といえます。
② インパクト×勝ち筋を見極める
では、どうすれば良い問いを設定できるのでしょうか。まず、わかりやすいのは、結論を出した時のインパクトが大きい問いです。
冒頭のケースで、離職率の高さが根本課題だとすれば、「採用をどう増やすか?」よりも「定着率をあげるには?」という問いに結論を出したほうが、解決した時の効果が大きく、良い問いといえます。ただし、実際にはインパクトだけで良い問いが決まるとは限りません。価値のある結論を出せる勝ち筋があるかという点も重要です。
ここで、少し状況を変えて考えてみましょう。仮に離職率自体はすでに業界平均並みで、「定着率をあげるには?」という問いに対して「オンボーディングが主因。ただし、すでに前年度から改善策を打っており、効果が出るのを待っている段階」というあまり価値のない結論になりそうだと予測できるのであれば、その問いにわざわざ取り組む意味は薄いでしょう。
このケースでは、多少インパクトが弱くても「採用をどう増やすか?」を検討して、「人材エージェントへの紹介フィーが競合他社より低いことがわかった。紹介フィーを上げるために採用予算を確保する」のような、すぐに実行に移せる結論を出すほうが意味があります。
このように、「結論を出した時にインパクトがあるか」と「価値のある結論を出せる見立てがあるか」の掛け算で、良い問いを設定することが重要です。
③ 結局、知識が不可欠
筋のよい問いを設定するためには、「企業の成長につながる問いは全体として何があって、どの問いに取り組むのがインパクトがあり、どのような結論が見込めそうか?」を判断するための知識が必要です。
「コンサルは人工ビジネスなので、売上拡大のためには社員数の拡大がマスト。競合他社も採用強化して人材の奪い合いになっている中で社員数を拡大するためには、従来の基準を下げた採用をするのは避けられない。一方で、今後のコンサルビジネスを継続的に発展させていくために、人材の質の担保は不可欠であり、どのように人材育成を強化するか?」のような具合です。
このような問いを設定する土台にあるのは、企業活動全般(経営・ビジネスモデル・業務・組織 等)・業界構造・政治・経済・技術トレンドなどです。すなわち、良い問いの勘所を養うには、常日頃の学習が必要になってきます。
問いを設計できないコンサルは淘汰される
リサーチや情報整理によって問いに結論を出す作業は、AIの得意領域であり、AIを使えば誰しもが簡単に結論にたどり着ける時代です。そんな中で、企業や組織の個別事情を勘案して「AIに何を解いてもらうか」を設計する力がますます注目されています。そもそも、コンサルタントは、企業が成長するために「どの問いを解くべきか」を売る仕事といわれます。誰かに与えられた問いを解く力はもちろん、正しく問いを設計する力は、今後も当たり前のように養い続けていきたいものです。
問いを立てる力を、実務で身につける
一方で、こうした思考力は、知識として理解するだけではなかなか身につきません。実際のビジネス課題を題材に、問いを立て、仮説を考え、検証するというプロセスを繰り返すことが大切です。
「社員の問題解決力を高めたい」「ロジカルシンキングや仮説思考を実務で使えるスキルとして身につけてほしい」とお考えの人事・教育担当者の方は、コンサルスキルを実践的に学べる研修サービスをご活用ください。
実際のビジネスシーンを想定したワークショップを通じて、問いの立て方から問題解決まで、実務に活かせる思考力の習得をサポートします。こちらからお気軽にお問い合わせください。
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執筆者

- コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルタント
- ITやBPR領域でのコンサルティングを得意とする。新規領域でコンサルとしてのキャッチアップ能力の速さと無駄なことをしないスタンスで、周りを巻き込みながら最適なアプローチで課題解決をはかる。
執筆者

- コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルタント
- ITやBPR領域でのコンサルティングを得意とする。新規領域でコンサルとしてのキャッチアップ能力の速さと無駄なことをしないスタンスで、周りを巻き込みながら最適なアプローチで課題解決をはかる。
















